チャートはWTI原油の月足です。

スナップショット


直近数週間は下落基調にありますが、まずは月足を使って大きな流れを見ていきたいと思います。
2008年から継続していた長期下降トレンドが、コロナショック後の上昇で戻り高値(オレンジの丸)をブレイクされる形で終了し、現在は月足レベルでの押し目を形成している場面と見ることができます。

このチャートの何が怖いのかというと、仮に直近の下落が調整下落であり、押し目形成から再び上昇トレンドに転換していくとなった場合、その上昇は上昇の3波目(N波動)となり、今年2022年3月につけた直近最高値128ドルを抜いていく可能性があるということ。

現在の金融マーケットの最重要テーマであるインフレの一要因でもある原油価格が、再び高値更新していくような事態となれば、インフレ率を高止まりさせる要因にもなり得る他、すでに利上げでブレーキをかけつつある経済へのさらなる下押し圧力にもなりかねません。
また、資源輸入国である日本の観点からすれば、輸入物価上昇につながり、結果として貿易赤字が拡大することで円安圧力にもなり、それがまた物価上昇につながり、という円安スパイラルを招く可能性があることはここ数ヶ月の動きを見れば想像に難くないでしょう。



そういえば同じようなチャートをどこかで見たなと思ったら2021年に天然ガスで同様のアイデア投稿をしていました(下記)。

この時もちょうど天然ガスの月足の戻り高値がブレイクされたところでした。
その後の展開は最近ニュースでも頻繁に取り上げられているため、皆さんもよくご存知かと思います。

【NATURALGAS/天然ガス】天然ガスが今後面白くなるかもしれない
【NATURALGAS/天然ガス】天然ガスが今後面白くなるかもしれない



原油に話を戻すと、投資という観点からすれば月足レベルの大きな波を狙うチャンスでもあるわけですが、一方で物価上昇という一生活者の観点からも関わってくるわけで、なかなか複雑な思いでこのチャートを見つめています。

今回は月足チャートの話なので、向こう数ヶ月から数年での話ですが、原油の将来動向は少し注意して見ていきたいと思います。

Trend AnalysisCrude Oil WTIwticrude

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