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DeFiプロトコル「Ankr」のハッキング後、あるトレーダーが5000倍以上の利益を獲得=分析

BNBチェーンベースの分散型金融(DeFi)プロトコルAnkrが攻撃され、ハッカーが「Ankr Reward Bearing Staked BNB(aBNBc)」トークンを売却したため、トレーダーが価格のズレを利用して2879ドルを1550万ドルに変えた。

Ankrの攻撃者はスマートコントラクトの脆弱性を突き、20兆個のaBNBcトークンをミントして、それをUniswapやブリッジサービスなどを通じて売却し、約500万ドル相当のUSDコインを得ている。

これが発生したとき、とあるトレーダーが素早く反応し、機会を利用した。

オンチェーンデータ分析を手掛けるLookonchainは、あるトレーダーがHelio Protocolプラットフォームを経由して、1550万ドルを得ることに成功したと方法を概説している。Lookonchainによると、Ankr攻撃者がaBNBcを投げ売りした後、トレーダーはわずか10BNB(バイナンスコイン)で18万3885枚のaBNBcを購入したとのことだ。

この後、トレーダーはaBNBcをHelio Protocolに入金し、その資金を担保に1600万Helio Protocol(HAY)トークンを借りた。最終的に、トレーダーはHAYを1550万BUSD(バイナンスUSD)に交換し、原資の5209倍の利益を獲得した。

取引で受けた損失とは別に、このエクスプロイトはHelioプラットフォームの「ロックされた総価値(TVL)」にも影響を及ぼした可能性がある。攻撃前、HAYは約8700万ドルのTVLを保有していた。しかし、記事執筆時点で、分散型金融(DeFi)データトラッカーのDeFiLlamaは、HAYのTVLが現在0ドルであることを示している。

Helio Protocolはコミュニティへの発表で、ユーザーの資産は安全であり、ステーキングされたBNBはすべてバリデーター内にあることを保証した。現在、同プロトコルはすべての機能を停止しており、HAY保有者に対しては一切の取引を控えるよう求めている。

先日、分散型取引所(DEX)に取引停止を求めたAnkrは、aBNBcトークンを再発行することに言及した。Ankrは、状況を評価し、影響を受けたユーザーに補償することを約束した。

一方、仮想通貨取引所バイナンスはAnkrトークンの出金を一時停止し、ハッカーが取引プラットフォームに移動させた300万ドル相当の資産を凍結した。