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グローセル Research Memo(5):2023年3月期は36.4%営業増益予想だが上振れの可能性も

■グローセル<9995>の今後の見通し

1. 2023年3月期の業績見通し

進行中の2023年3月期の連結業績については、売上高66,000百万円(前期比1.9%減)、営業利益1,300百万円(同36.4%増)、経常利益1,400百万円(同16.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,170百万円(前期は362百万円の損失)が予想されている。

上半期の結果を受けて期初予想(売上高65,000百万円、営業利益755百万円)から上方修正されたが、この予想では下半期の営業利益は300百万円ほどでしかない。上半期実績が1,018百万円であったことを考えると、かなり控え目と言える。同社は、「世界的なインフレやエネルギー価格動向、ウクライナ情勢など不透明要因が多いので、慎重な見方をしている」と述べているが、よほど自動車生産が落ち込まない限り再び上方修正の可能性はあると弊社では見ている。注目の「STREAL」は、開発の遅れによって一部顧客向けが遅延しているものの2,800百万円(前期比7.7%増)を見込んでいる。

分野別売上高は、産業分野が17,597百万円(前期比29.0%減)、自動車が40,160百万円(同14.2%増)、民生が4,257百万円(同1.9%減)、OAが3,390百万円(同90.4%増)、通信が491百万円(同51.4%減)、アミューズメント分野が106百万円(同41.1%減)を見込んでいる。

上半期の傾向と同様に、自動車分野やOA分野は堅調に推移すると予想されるが、民生分野はほぼ横ばい、産業、通信、アミューズメント分野は商流移管の影響により減収が見込まれている。

2. 2023年3月期下期重点方針

下半期の重点方針として、以下のような施策を実行する計画だ。

(1) 徹底したD-in(デザイン・イン※1)活動推進

・ルネサス/ABU※2:2022年12月末までに190億円(2023年3月期411億円)

・H&CSB※3:同220億円(同468億円)

・STREAL:同60億円(同95億円)

※1 デザイン・イン:開発当初から参画する事業の金額(売上高ではない)

※2 Automotive solution Business Unitの略で、ルネサスの事業部

※3 Hitachi & Customer Satisfaction Business(日立、その他製品)の略

(2) 財務体質の強化

一般在庫の管理適正化、メーカ保守在庫の販売を進める。

(3) サステナビリティ経営・DXの推進

(4) 顧客・仕入先との一層の関係強化

Withコロナの社会情勢下において、顧客・仕入先と多層的な関係を構築する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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