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ユーロ週間見通し:底堅い動きか、利上げ継続の可能性残る

■弱含み、米追加利上げの可能性高まる

今週のユーロ・ドルは弱含み。一時1.07ドル近辺まで売られた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が6月の利上げを示唆し、ユーロ買いが一時強まったが、ユーロ圏5月消費者信頼感指数速報値は予想を下回り、ユーロ買いは後退した。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測が高まったこと、米債務上限引き上げを巡る協議で進展がみられたこともユーロ売り・米ドル買いを促した。取引レンジ:1.0702ドル-1.0831ドル。

「弱含みか、インフレ指標が手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルは弱含みか。6月1日発表の5月ユーロ圏消費者物価コア指数の伸びが鈍化すれば、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げを期待したユーロ買いは後退しそうだ。米債務上限引き上げで政府と議会(共和党)の協議が大詰めを迎えているが、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げへの期待があることから、ユーロ売り・米ドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.0550ドル-1.0850ドル

■堅調推移、日欧金利差拡大の思惑残る

今週のユーロ・円は堅調推移。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が「現在もっているデータによると我々は利上げ停止しない」と述べ、ECB理事会メンバーらのタカ派的な発言も相次いだことから、日欧金利差拡大観測によるユーロ買い・円売りが続いた。米国の連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まり、ユーロ買い・米ドル売りは一服したものの、週後半の米ドル・円相場が円安方向に振れた関係でユーロは対円で一段高となった。取引レンジ:148円84銭-150円93銭。

■底堅い動きか、利上げ継続の可能性残る

来週のユーロ・円は底堅い値動きか。6月1日発表のユーロ圏消費者物価コア指数でインフレ鎮静化が示された場合、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げを期待したユーロ買いは一服しそうだ。ただ、日本銀行は金融緩和を当面継続する方針を緩めず、日欧金利差によりユーロ・円は下げづらい。目先的にドル・円も下げづらく、ユーロ売り・円買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・6月1日:5月消費者物価コア指数(4月:前年比+5.6%))

・6月1日:4月失業率(3月:6.5%)

予想レンジ:149円00銭-153円00銭

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