出来高プロファイル (VP)

定義

出来高プロファイル は、指定した期間における特定の価格帯の取引の状況を表示する高度なチャートインジケーターです。出来高プロファイルのインジケーターは(行の数や期間などのユーザー定義パラメータで計算を行い)チャートにヒストグラムをプロットして、出来高に基づく主要かつ重要な価格レベルを明らかにします。基本的に出来高プロファイルは、指定された期間に特定の価格レベルで取引された総出来高を取得して、その総出来高を買いまたは売りのいずれかの出来高に分けて、その情報をトレーダーが容易に見られるようにするものです。

主な重要なレベル

  • ポイントオブコントロール (POC) – 該当の期間で最も取引量の多い価格レベル。
  • プロファイルハイ – 指定した期間での最高到達価格レベル。
  • プロファイルロー – 指定した期間での最低到達価格レベル。
  • バリューエリア (VA) – 該当の期間の全出来高の内、指定したパーセンテージが取引された価格レベルの範囲。通常このパーセンテージは70%に設定されますがトレーダの判断次第です。
  • バリューエリアハイ (VAH) – バリューエリア内の最高価格レベル。
  • バリューエリアロー (VAL) – バリューエリア内の最低価格レベル。

計算

バリューエリア (VA) の計算方法

  1. プロファイル内で取引された総出来高を算出します(総売買数)。
  2. 総売買数に0.7を掛けて、総売買数の70%の数値を算出します(70%は一般的な例です。具体的に何パーセントにするかはトレーダーの方次第です)。
  3. POC(プロファイル内で最も総出来高が大きい行)から出来高を合計していきます。POCはバリューエリアに追加される最初のプロファイル行になります。
  4. POC(初期のバリューエリア)の上の2行をチェックして双方の出来高を合計します。
  5. POC(初期のバリューエリア)の下の2行をチェックして双方の出来高を合計します。
  6. どちらの出来高の合計が大きいかを判断して、大きい方をステップ3のPOCの出来高の合計に追加します。
  7. ステップ4と5を繰り返して、2つの数値のうち大きい方をバリューエリアに追加します。
  8. バリューエリアの合計ボリュームがステップ2の数値と一致するか、わずかに超えた場合、バリューエリアが決定されます。
  9. バリューエリア内の一番上の行がバリューエリアハイ(VAH)となり、バリューエリア内の一番下の行は、バリューエリアロー(VAL)となります。

チャートの時間足に基づいて様々な時間足のデータが出来高プロファイルの計算に用いられます。固定期間出来高可視範囲出来高を計算する場合には、VPが計算される時間足で5000本のバーの数の制限に達するまで、1, 3, 5, 15, 30, 60, 240, 1Dの時間足が交互に試されます。セッション出来高では以下のチャートの時間足との依存関係が採用されています::

チャートの時間足

VPの計算に用いられるバーの時間足

1秒、5秒

1秒

15秒
5秒
30秒
15秒

1分 - 15分

1分

16分 - 30分

5分

31分 - 60分

10分

61分 - 120分

15分

121分 - 240分

30分

241分以上

60分

利用目的

サポートとレジスタンスレベル

多くのトレーダーが出来高プロファイルを使用する第一の目的は、基本的なサポートとレジスタンスレベルを特定するためです。非常に重要なポイントは、出来高プロファイルをサポートやレジスタンスレベルを識別するために使用することはリアクション的手法であることです。これは現在のプライスアクションと分析に基づき将来の価格変動を予測する(トレンドラインや移動平均線などの)先回り的なプロアクティブ手法とは異なり、リアクション的手法は過去の価格変動と出来高動向に依存していることを意味します。リアクション的手法は、市場で既に付けた価格レベルに有意性や重要性を見い出す際に有効に機能します。基本的なテクニカル分析では、サポートレベルは下落途中で価格をサポートする価格水準、レジスタンスレベルは上昇途中で価格を抑える価格水準である事を示します。従って出来高が買い方に大きく傾く出来高プロファイルのボトム付近の価格レベルは、サポートレベルを示唆するものと結論づける事ができます。逆もまた同様です。出来高が売り方に大きく傾く出来高プロファイルのトップ付近の価格レベルはレジスタンスレベルを示唆するものです。

ボリュームノード

ハイボリュームノード (HVN) はある価格水準付近で見られる出来高のピークです。HVNは均衡期間を示す指標と考えられます。通常は、買い手と売り手の双方にかなりの取引があり、マーケットは出来高プロファイル内の他の価格レベルと比較して、かなりの時間その価格帯に留まります。これはその銘柄の「適正価格ゾーン」であることを意味する可能性があります。価格が以前のHVN(または適正価格ゾーン)に近づくと、横ばいの動きをする期間が続くことが予想され、マーケットがすぐにその価格を突破する可能性は低くなります。

ローボリュームノード (LVN) はその反対です。ある価格レベル付近で見られる出来高の谷(またはかなりの低下)です。ローボリュームノードは通常は急激な上昇や下落、つまり急騰急落の結果です。急騰急落の期間は一般的にまず最初に出来高が急増し、その後出来高が大きく落ち込みます。出来高の落ち込みはその銘柄にとって「不適正価格ゾーン」であることを暗に示します。価格が以前のLVN(または不適正価格ゾーン)に近づくと、マーケットがその価格帯を一気に突破する、もしくは急速に跳ね返る可能性が高くなります。これは不適正価格ゾーンでは、出来高プロファイル内の他の価格帯に比べてそのゾーンで多くの時間を費やすことが無い為です。

ステラテジーの例

他の多くのツールやインジケーターと同様に、出来高プロファイルには多くの用途があります。出来高プロファイルを主な要素として活用する多くのトレード戦略がありますが、以下は当日の始値と前日の出来高プロファイルの比較を元にしたそうした基本的なストラテジーのひとつです。

  • 当日の始値が前日のバリューエリアよりも高い(けれどもプロファイルハイよりはまだ低い)状況で、価格がPOC(ポイントオブコントロール)まで戻した後に(当日の始値方向に)上昇するケースでは、POCまでの戻りの間に買いのチャンスがあります。
  • 当日の始値が前日のバリューエリアよりも低い(けれどもプロファイルローよりはまだ高い)状況で、価格がPOC(ポイントオブコントロール)まで戻した後に(当日の始値方向に)下落するケースでは、POCまでの戻りの間に売りのチャンスがあります。
  • 当日の始値が、前日の出来高プロファイルの価格帯の完全に外側(プロファイルハイよりも高いかプロファイルローよりも安い)の場合には、前日の出来高プロファイルの価格帯から見て当日の始値方向に価格が大きく変動する可能性がある銘柄と考えられます。

サマリー

出来高プロファイルはあらゆるトレーダーにとって非常に利用価値のあるテクニカル分析ツールです。出来高プロファイルが重要であり続ける点はその多用途/多目的性にあります。出来高プロファイルは非常に幅広い用途を持つチャートツールであり、他の多くの分析方法とは異なり、出来高プロファイルの有用性についてはほとんど議論の余地がありません。出来高プロファイルによって提供されるデータには疑問の余地が無く、かつ新しい創造的な使い方を見つける余地をトレーダに残しています。非常に単純な形状ではありますが、出来高プロファイルは、伝統的なサポートやレジスタンスエリアを見つける優れたリアクション的手法でありながら、新たにトレーダーが事前予測的な方法で活用する際にも利用されています。この記事内で示したトレード戦略の例がその一つです。リアルタイムイベント(当日の始値)と過去の出来事(前日の出来高プロファイル)を比較して、その関係性に基づいてトレード判断が行える例はこの素晴らしい実例と言えます。

パラメーター

期間 (PVPのみ)

出来高プロファイルを構築する期間を設定し、新しい期間ごとに1つのプロファイルを作成します。最初の欄で期間の倍率を設定し、2番目の欄で期間の単位を「日」、「週」または「月」から選択します。

セッション (SVPとSVP HDのみ)

時間外取引の表示がオンになっている時に、SVPインジケーターがどのように出来高プロファイルを構築するかを決定します。「すべて」 (デフォルト) に設定すると、SVPはプレマーケット、メイン取引セッション、アフターマーケットを1つのセッションとして考慮します。各取引日に1つのプロファイルが作成され、プレマーケットの最初のローソク足からアフターマーケットの最後のローソク足までのすべての取引の出来高が含まれます。これは、以前の時間外取引での動作方法と同様です。「個別 (プレマーケット、マーケット、アフターマーケット)」のオプションを使用すると、取引日の各セッションごとに、その各セッションで行われた取引のみを考慮して個別の出来高プロファイルを作成することができます。例えば、時間外取引のあるシンボルで、プレマーケットとメインセッション、アフターマーケットがある場合、SVPは取引日ごとに3つの個別の出来高プロフィールを作成します。「プレマーケットのみ」、「マーケットのみ」、「アフターマーケットのみ」のオプションは、指定したセッション期間の取引に基づいて、取引日ごとに1つの出来高プロファイルのみを作成します。これらの設定は、時間外取引のあるチャートでのみ使用することができます。チャートに時間外取引のデータがない場合、または時間外取引の表示がオフになっている場合には、SVPはプレマーケットまたはアフターマーケットの出来高プロファイルを構築することができません。「カスタム」のオプションは、出来高プロファイルを構築する期間の開始時間と終了時間、及びタイムゾーンを指定することができます。

カスタムセッション

セッションの項目で「カスタム」が選択されている場合、セッションの時間を設定することができます。最初の2つのドロップダウンリストでは、開始と終了時刻を選択し、その下の3つのドロップダウンでタイムゾーンを指定します。

ベース期間 (AAVPのみ)

ベース期間では出来高プロファイルの計算のアンカー、つまり、出来高プロファイルはどの頻度で再計算が行われるのかとその開始位置を指定します。利用可能なオプションは以下の通りです:

自動 - チャートの時間足により、出来高プロファイルの計算が開始される位置は下記のように変化します:

  • すべての日中足は「セッション」
  • 1Dは「月」
  • 2Dから10Dの間のすべての時間足は「四半期」
  • 11Dから60Dの間のすべての時間足は「年」
  • 61D以上のすべての時間足は「10年」

最高値 - 期間の項目で指定した直近X本のバーの内、最高値を記録したバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

最安値 - 期間の項目で指定した直近X本のバーの内、最安値を記録したバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

最大出来高 - 期間の項目で指定した直近X本のバーの内、最高出来高を記録したバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

セッション - 前日の日次セッション開始時点が出来高プロファイルの計算開始点になります。

週 - 先週の初めが出来高プロファイルの計算開始点になります。

月 - 先月の初めが出来高プロファイルの計算開始点になります。

年 - 昨年の初めが出来高プロファイルの計算開始点になります。

四半期 - 直前の四半期(3ヶ月ごと:1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)の開始時点が出来高プロファイルの計算開始点になります。

10年 - 過去10年間の初めが出来高プロファイルの計算開始点になります。

世紀 - 前世紀の初めが出来高プロファイルの計算開始点になります。

収益 - 表示中のシンボルにおいて、直近で決算報告が行われた時のバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

配当 - 表示中のシンボルにおいて、直近で配当が行われた時のバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

分割 - 表示中のシンボルにおいて、直近で株式分割が行われた時のバーが出来高プロファイルの計算開始点になります。

Source (AAVPのみ)

出来高プロファイルの計算ソースです。従来はバーの平均値がソースとして使用されていました。ソースのデフォルト値はhlc3ですが、オプションとしてhl2も一般的です。

このオプションはベース期間の計算には影響しません。つまり、ベース期間が「Highest High」の場合、ソースをどのように選択しても常に「高値」同士のデータを比較します。

期間 (AAVPのみ)

アンカー検索の際に、インジケーターが分析対象とするバーの本数を指定する項目です。ベース期間が「Highest High」、「Lowest Low」、「Highest Volume」の場合にのみ適用されます。例:ベース期間を「Highest High」、期間を100にした場合、インジケーターは過去100本のバーから「最高値」を記録したバーを探し出して、出来高プロファイルの計算を開始します。

出来高

各行で出来高の合計を表示するか、買いと売りに分けた出来高を表示するかを切り替えます。

バリューエリアの出来高

該当の期間に取引された全出来高の内、何%の価格レベルの範囲をバリューエリアとするかを設定します(70%がデフォルトです)。

行のレイアウト

「行の数」を選んだ場合、次の「行のサイズ」の項目を出来高プロファイルが表示する行の数で設定します。「行ごとのティック」を選択した場合は、すべての行に必要な最小ティック数で「行のサイズ」を設定します。

行のサイズ

計算され表示される行の数

POCを右に延長

POCラインをいずれかのバーにぶつかるまで延長する。

VAHを右に延長

VAHラインをいずれかのバーにぶつかるまで延長する。

VALを右に延長

VALラインをいずれかのバーにぶつかるまで延長する。

右に延長 (FRVPのみ)

右に延長のパラメーターを有効にすると、2つ目の座標の右側にあるすべての過去のローソク足と新たに出現するすべてのローソク足を含めて出来高プロファイルを構築し続けることができます。

スタイル

出来高プロファイル

出来高プロファイルの表示/非表示を切り替えます。

出来高プロファイルの数値の表示/非表示を切り替えます(「買い/売り」または「合計」。パラメーターの「出来高」の設定に依存します)。

幅(ボックスの%)

行の幅を変更します。

配置

行を右または左のどちらに表示するかを設定します。

上昇の出来高

上昇(買い)の出来高の色と不透明度を設定します。

下降の出来高

下降(売り)の出来高の色と不透明度を設定します。

バリューエリアの上昇

バリューエリア内の上昇の出来高の色と不透明度を設定します。

バリューエリアの下降

バリューエリア内の下降の出来高の色と不透明度を設定します。

VAH

バリューエリアハイの表示/非表示を切り替えます。

VAL

バリューエリアローの表示/非表示を切り替えます。

POC

POC(ポイントオブコントロール)の表示/非表示を切り替えます。

POCの推移

市場のセッションの間にPOCがどの様に変化したかを表示するPOCの推移の表示/非表示を切り替えます。

VAの推移

市場のセッション間にバリューエリアがどの様に変化したかを表示するVAの推移の表示/非表示を切り替えます。

ヒストグラムボックス

ボリュームプロファイル領域の背景色と不透明度を設定します。