イーズ・オブ・ムーブメント (EOM)

定義

イーズ・オブ・ムーブメントインジケーターは、出来高ベースのオシレーターです。価格と出来高の関係を測定し、その関係性を正と負の値の間で変動するオシレーターとして表示するように設計されています。EOMは、ゼロラインの上下で変動します。これは、価格変動の「しやすさ」を数値化するために行われます。基本的な理解としては、EOMが正の領域にあるとき、価格は相対的に上昇しやすいということです。EOMが負の場合、価格は相対的に下落しやすい事を示します。

歴史

イーズ・オブ・ムーブメント (EOM) インジケーターは、リチャード・アームズにより開発、紹介されました。

計算

イーズ・オブ・ムーブメントの計算には4つの必要なステップがあり、この例では、一般的な14期間のEOMを計算しています:
1. 移動距離を計算します。

((現在高値 + 現在安値)/2 - (前回高値 + 前回安値)/2) = 移動距離

2. EOMの計算の分母を求めるために、出来高と高安範囲のボックスレシオを計算します。

((現在の出来高/100,000,000) / (現在高値 - 現在安値))

3. 1期間のEOMを計算します。

移動距離 / ボックスレシオ = 1期間のEOM

4. 14期間のEOMを計算します。

1期間EOMの14期間の単純移動平均 = 14期間のEOM

基礎

前述のように、EOMは正と負の値の間で変動するラインをプロットします。簡単に言うと、数値がプラスの時は価格が上昇しているということです。逆に数値がマイナスの場合は、価格が下落していることを示しています。上記の計算で覚えておく必要がある点は、価格の移動距離によってEOMラインがプラスかマイナスになるかが決まるということです。ボックスレシオ(出来高で決定されます)は、その動きの強さや幅を決めるものです。したがって、EOMを分析する際には、以下の2点に注意してください。
出来高が少なく値幅範囲が広い時は、イーズ・オブ・ムーブメントは高いレベルを示します。
出来高が多く値幅範囲が狭い時は、イーズ・オブ・ムーブメントは低いレベルを示します。

イーズ・オブ・ムーブメントインジケーターでは、出来高が重要な役割を果たすため、多くのテクニカルアナリストはEOMと共に標準的な出来高インジケーターを使用します。

利用目的

トレンドの方向性

イーズ・オブ・ムーブメントインジケーターを最もわかりやすく使う方法は、基本的なトレンドの方向性を見極めることです。

シグナルの確認

イーズ・オブ・ムーブメントは、他のインジケーターで生成されたシグナルを確認するための方法として使用することができます。

サマリー

イーズ・オブ・ムーブメント (EOM) インジケーターは、補完的なインジケーターとして使用する事に適しています。EOMは通常、価格を非常に密接して追従します。 なぜなら、直前の期間から直近の期間までの価格の移動距離が方向性を決定するからです。しかし、EOMが本当に優れているのは、他の予測を行うインジケーターによって生成されたパターンやシグナルを確認することです。

パラメーター

期間

EOMの計算に使用する期間。14がデフォルトです。

除数

大きすぎず小さすぎない比率の数値を出すために使用される値。株式の出来高が多いほど、結果として得られるインジケーターの値が1桁または2桁になるように、除数を大きくする必要があります。

スタイル

EOM

EOMの値を表示するラインの可視性を切り換える事ができます。EOMラインの色や太さ、ビジュアルタイプ(デフォルトはラインです)を選択する事も可能です。

小数点以下の桁数

インジケーターの値を四捨五入して残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。