アルティメット・オシレーター (UO)

定義

アルティメット・オシレーター (UO) インジケーターは、3つの異なる期間でのモメンタムを測定するために使用されるテクニカル分析ツールです。多くのモメンタム・オシレーターの問題は、価格が急激に上昇または下落した後に、偽のダイバージェンストレードシグナルを生成する可能性があるということです。例えば、価格が急激に上昇した後、弱気のダイバージェンスシグナルが表示されることがありますが、価格は上昇を続けることがあります。アルティメット・オシレーターは、他のほとんどのモメンタム・オシレーターで用いられる1つの期間ではなく、複数の期間を使用して計算することでこの問題を解決しようとしています。

歴史

1976年にラリー・ウィリアムズが、アルティメット・オシレーター (UO) が開発しました。このインジケーターは、1985年に「ストック&コモディティマガジン」で紹介されました。

計算

アルティメット・オシレーターの計算には、3つのステップがあります。この例では、7、14、28のパラメータを使用します:
1. アルティメット・オシレーターを計算する前に、買い圧力とトゥルーレンジの2つの変数を定義する必要があります。

買い圧力 (BP) = 終値 - 最小値 (当日安値または前日終値の内の最安値)
トゥルーレンジ (TR) = 最大値 (当日高値または前日終値の内の最高値) - 最小値 (当日安値または前日終値の内の最安値)

2. アルティメット・オシレーターは、これらの数値を3つの期間で使用します:

アベレージ7 = (7期間のBPの合計) / (7期間のTRの合計)
アベレージ14 = (14期間のBPの合計) / (14期間のTRの合計)
アベレージ28 = (28期間のBPの合計) / (28期間のTRの合計)

3. これで、最終的なアルティメット・オシレーターの計算を行うことができます:

UO = 100 x [(4 x アベレージ7)+(2 x アベレージ14)+アベレージ28]/(4+2+1)

基礎

アルティメット・オシレーターインジケーター (UO) を簡単に言うと、買い圧力を測る方法になります。買い圧力が強ければUOは上昇し、買い圧力が弱ければUOは下降します。UOの計算では、3つの異なる期間が考慮されます。これらの期間は、その期間に応じて重み付けされます。これがUOの最も重要な機能で、最も短い期間を最も重視しながら長い期間も考慮されます。この目的は、偽のダイバージェンスを避けることです。

テクニカルアナリストは、インジケーターのパラメータを調整する必要があることに気づくかもしれません。買われすぎと売られすぎの値は、アルティメット・オシレーターによって生成されるトレードシグナルに不可欠です。金融商品の中には、買われすぎや売られすぎのシグナルを生成するのに十分な価格変動やボラティリティがない場合があります。またボラティリティが高い金融商品では、買われすぎや売られすぎのシグナルが頻繁に生成されてしまう事もあります。過去の分析と調査は、適切なインジケーターのパラメーターを見つけるのに役立ちます。

利用目的

アルティメット・オシレーターによって生成される主なトレードシグナルは、強気と弱気のダイバージェンスです。これら双方のセットアップには3つの条件があります。

強気のUOダイバージェンス
  1. 強気のダイバージェンスの形成は、価格が安値を更新する一方で、UOが下値を切り上げていることを意味します。
  2. ダイバージェンスの安値は30未満である必要があります。
  3. UOがダイバージェンスの高値をブレイクします。

弱気のUOダイバージェンス
  1. 弱気のダイバージェンスの形成は、価格が高値を更新する一方で、UOが上値を切り下げていることを意味します。
  2. ダイバージェンスの高値は70を超える必要があります。
  3. UOがダイバージェンスの安値以下に下落します。

サマリー

アルティメット・オシレーター・インジケーター (UO) は、標準的なモメンタム・オシレーターを使用しますが、それらが持つ共通の弱点を減らすために計算を調整する為、テクニカル分析に役立ちます。ほとんどすべてのモメンタムオシレーターは、強気と弱気のダイバージェンスに基づくシグナルを生成します。そのため、これらのダイバージェンスに基づく偽のシグナルが頻繁に発生することは明らかに問題となります。複数の期間を使用して、期間に応じて重み付けをすることで、UOはこれらの偽のシグナルを減らすことを目的としています。ほとんどのインジケーターと同様に、アルティメット・オシレーターを単独のシグナル生成システムとして使用しないでください。

パラメーター

期間1

最初の期間。デフォルトは7です。

期間2

2番目の期間。デフォルトは14です。

期間3

2番目の期間。デフォルトは28です。

スタイル

オシレーター

UOの値を表示するラインの可視性を切り換える事ができます。UOラインの色や太さ、ビジュアルスタイルを選択する事も可能です。

小数点以下の桁数

インジケーターの値を四捨五入して残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。