相対活力指数 (RVGI)
定義
相対活力指数 (RVGI) は、相場が上昇トレンドの場合には、始値より終値が高くなる可能性を基にしており、また下降トレンドの場合には、始値より終値が低くなる可能性を基にしています。相対活力指数では銘柄価格の終値とその取引レンジを比較します。
計算
相対活力指数 (RVGI) の算出は、以下の計算式の下に記載した説明に従います。
各定義:
a = 終値−始値
b = 終値−aより1本前のバーの始値
c = 終値−bより1本前のバーの始値
d = 終値−cより1本前のバーの始値
e = 高値−バーaの安値
f = 高値−バーbの安値
g = 高値−バーcの安値
h = 高値−バーdの安値
i = 1本前のバーのRVGI値
j = iより1本前のバーのRVGI値
k = jより1本前のバーのRVGI値
N = 分 / 時間 / 日 / 週 / 月
- まず最初に、これからの計算を行うにあたって調査対象となる期間Nを選択します。
- 期間の選択後、分析対象となる現在のバーの始値、高値、安値、終値を確認します。
- 次に、現在のバーより前の計算対象期間の始値、高値、安値、終値を確認します。
- この後、手順1で選択した期間Nで分子 (numerator) と分母 (denominator) の単純移動平均を計算します。
- そして、分子の値を分母で割り算します。
- 最後に、この結果をシグナルラインの式に代入します。これをグラフにプロットすれば、必要な計算結果を得ることができます。
要点
相対活力指数 (RVGI) はトレンドを跨ぐ振動ではなく、センターラインを跨ぐ振動であり、そのラインを中心に上下します。RVGIと価格の間にダイバージェンスが生じると、トレンドの変化や反転が示唆されます。例えば、トレーダーや投資家がRVGIを使用して現在価格とのダイバージェンスを調べれば、トレンドの変化の可能性を見極められる場合もあり、また他のテクニカル分析指標やチャートパターンも利用すれば、エントリーとエグジットのポイントを決定するのに役立つこともあります。
相対活力指数のトレードシグナルには様々なものがありますが、最もよく使われるのはRVGIダイバージェンスとRVGIクロスオーバーの2つです。
RVGIダイバージェンスは、インジケーターと価格の逆行現象を意味します。これは特にインジケーターが示すトレンドの方向へ、近いうちにトレンドが反転する可能性を示唆しています。例えば、株価が上昇しているときにRVGIの値がセンターラインを下回った場合、このRVGIダイバージェンスは、近いうちにその銘柄のトレンドの方向が反転することを予測しています。
RVGIクロスオーバーは将来の価格の方向性を示す先行指標で、クロスオーバーの位置がシグナルラインの上側か下側かによって強気か弱気かを判断するのに役立ちます。クロスオーバーがシグナルラインより上の場合、強気の指標であることを意味します。クロスオーバーがシグナルラインより下の場合、弱気の指標であることを意味します。
着目点
相対活力指数は終値と始値を比較したものです。これは価格というよりは、センターラインの周辺を上下に動くオシレーターです。価格チャートの上または下に表示されて、できるかぎりの高収益を得るためには他のテクニカル分析指標やチャートパターンと組み合わせて使用するのが最善です。
制限事項
RVGIはトレンド相場でより効果を発揮する傾向がありますが、レンジ相場に適用すると誤ったシグナルやデータを生成してしまいます。RVGIの結果を改善する方法の一つとしては、計算対象期間を長めに設定することです。これによって、一時的なトレンドの逆行がデータ全体に与える影響を軽減し、データの測定値から短期的な変化を取り除きます。
サマリー
相対活力指数はトレンドの強さと方向性を分析・測定するテクニカル分析指標で、銘柄の終値と取引レンジを比較し、その結果を平滑化して分析を進めます。RVGIで最も人気のある売買シグナルには、RVGIダイバージェンスとRVGIクロスオーバーの2つがあり、トレンド相場のデータを分析する際に最適なインジケーターです。