スローストキャスティクス・ストラテジー

定義

スローストキャスティクス・ストラテジーは、各種あるプライスオシレーターのうちの一種で、ある銘柄の一定期間内 ("n") の終値を比較します。一般的にスローストキャスティクスは14期間で設定されることが多いのですが、必要性やニーズに応じて適切な分析を行うことで、トレーダー自身がこの値を決めることも可能です。

計算

スローストキャスティクス・ストラテジーの計算は、大きく3つの要素から成り立っています。

  1. %K: スロー%Kは、以下の計算式で算出されます。

各定義:

n = トレーダーが指定した期間

スローストキャスティクスを計算する場合は、「n」をご希望のモニタリング範囲 (期間) に置き換えてください。スローストキャスティクスはどの期間でも計算できますが、上に述べたようにデフォルトは14です。

  1. 上記の計算式を使用した後、スローストキャスティクス・ストラテジーのスロー%Kを算出するために、%Kの3期間の単純移動平均 (SMA) を取得します。
  2. %D: スロー%Dは、ステップ2で計算したスロー%Kの3期間のSMAです。

要点

スローストキャスティクス・ストラテジーは0~100のレンジで設定されています。したがって、株価が上昇しても、ストキャスティクスは100を超えて上値を更新することはできません。また、他のオシレーター系インジケーターと同様に、ストキャスティクスにも境界および限界があります。こうしたことを念頭に置いて、トレーダーの間ではこのインジケーターは決して銘柄の価格変動を忠実に模倣するものではないと理解されています。要するに、オシレーターやストキャスティクスは主要なトレンドをフォローしてその方向を示し続けるということであり、テクニカル的にもそれで必要なことはすべて満たしていると言えます。

売られ過ぎや買われ過ぎのシグナルを調査・分析する場合、トレーダーはインジケーターが発するシグナルの意味を知っておく必要があります。例えば、ある株について80を超えたら売り時、同様に20を下回ったら買い時と考えるトレーダーは多いでしょう。しかし、このインジケーターは必ずしも売られ過ぎや買われ過ぎを示唆するものではなく、むしろトレンドの強弱を示すシグナルとして見るのがお勧めです。シグナルの意味を具体的に判断する際には、他のトレンド分析の方法と合わせて判断することを覚えておきましょう。

着目点

スローストキャスティクス・ストラテジーは、終値よりも、一定期間内の高値と安値に重点を置いています。これが相対力指数 (RSI) と異なる点です。これは計算式からも明らかで、このインジケーターは、特に期間(n)の間の高値と安値を分析します。このため、スローストキャスティクス・ストラテジーではより早く結果が示され、買われ過ぎと売られ過ぎのシグナル間の変動がより頻繁になります。

制限事項

このインジケーターはどの水準で市場が行き過ぎになるかを予測するのには優れていますが、ユーザーにとって絶えず買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルを受け取るのはフラストレーションにもなります。なかには絶え間ないアラートや通知にうんざりして、もっとノイズの少ない環境でポジション管理をしようと考え、このインジケーターの使用をやめるトレーダーもいます。

このインジケーターは設定範囲内での管理は可能ですが、最終的に自分に合っているかや取引目標に適ったものかどうかを判断するのは個々のトレーダー次第です。

サマリー

スローストキャスティクス・ストラテジーは、市場内の主要なトレンドの見極めや判断に役立つ素晴らしいインジケーターです。このオシレーターは、期間内の高値と安値を分析してトレンドを追跡し、買われ過ぎと売られ過ぎのシグナルをトレーダーに知らせます。他のテクニカル分析やトレンド判断に使用されるインジケーターと組み合わせることで、より成功する準備を整えることができます。