出来高加重移動平均 (VWMA)

定義

出来高加重移動平均(VWMA)は、出来高を分析するのに優れたインジケーターです。もし既に単純移動平均(SMA)や出来高加重平均価格(VWAP)を使用しているのであれば、VWMAの複雑さも十分に理解できます。VWMAは、価格ごとの出来高の追跡やトレンドの見極め、ある期間における加重出来高を確認するのに便利です。

計算

VWMAの算出には、以下の計算式が用いられます:

各定義:

VWMA = 出来高加重移動平均

C = 終値

V = 出来高

単純移動平均(SMA)は、過去n期間の終値に基づいた平均値で、計算式では各終値に同じ重み付けをします。VWMAも非常によく似ているのですが、その期間の出来高によって各終値に異なった重み付けをしている点が異なります。3日目のVWMA(V3)の出来高が多ければ、その終値(C3)が計算値に対して最終的に大きな影響を与えることに注意してください。

要点

移動平均(MA)は、様々な用途で使用することが可能で非常に凡用性の高いインジケーターです。MAの傾きからトレンドを見極めたり、価格と比較してモメンタムの確認やサポート、レジスタンスレベルを特定することができます。しかしながら、VWMAは一般的な移動平均(SMAやEMAなど)とは異なる為、同じような用途で使用するべきではありません。

VWMAは出来高データと独自に統合されているため、その基準を共有しない他のMAとは分けて考える必要があります。例えば、分析ツールを最大限に活用するためにもVWMAをSMAと併用すれば、出来高のシグナルが強調され、出来高データが追加された場合でもその影響を確認することができ、また出来高を加重することによって取引の判断をしやすくすることもできます。

着目点

一般的にVWMAインジケーターは、市場のトレンドとともに出来高が増加し、逆にトレンドに反すると出来高が減少することを示しています。VWMAとSMAを併用する場合、VWMAがSMAを上回れば、通常は市場が高く引けた日に出来高が多い (多かった)ことを意味します。これは上昇日とも呼ばれます。逆に、VWMAがSMAより下にある場合、市場が安く引けた日 (下落日)の出来高が多かったことを意味することもあります。

サマリー

出来高加重移動平均は、価格ごとの出来高の追跡や市場のトレンドに関わる加重出来高の判断をはじめ、出来高のシグナルやデータを強調するのに便利なインジケーターです。他のテクニカル分析のインジケーターや価格パターンと併用するのが良いですが、とりわけSMAとの併用が最適です。