ストキャスティクス・モメンタム指数 (SMI)

ストキャスティクス・モメンタム指数 (SMI) は通常のストキャスティクスに改良を加え、インジケーターとしてより信頼性が高くなるように設計されたものです。直近の終値と高値/安値のレンジ内の中央値との距離を測定することによって、見せかけの振幅を最小限に抑えています。TradingViewではSMI自体とそれを基に算出したEMAの両方を表示します。

SMIの値は通常+100から-100の範囲にあり、値が正であれば、終値が高値/安値のレンジ内の中間値よりも高いことを示します。一方、値が負であれば、終値が中間値よりも低いことを示します。

ストキャスティクスと同様、トレーダーやアナリストはSMIを使って市場での買われ過ぎや売られ過ぎの状況を見極めます。さらに出来高のインジケーターと組み合わせると、そのモメンタムにおける大きな買い圧力や売り圧力の存在が明らかになります。またトレンドの分析にも利用することができ、40を上回れば強気、-40を下回れば弱気と解釈される場合が多くあります。

計算

まず最初に「ウィンドウ」内の最高値と最安値を計算します。(ここでいう「ウィンドウ」とは、インジケーターの設定パラメーター "%K Length"で定義される範囲のことを指します)。これらの平均値を直近の終値から差し引いて、"relativeRange" を求めます:

highestLowestRange = highestHigh - lowestLow

relativeRange = close - (highestHigh + lowestLow) / 2

その後、SMIの値を計算します。SMIの値は以下の式で計算されます:

smi = 200 * (emaEma(relativeRange, lengthD) / emaEma(highestLowestRange, lengthD))

ここで 'lengthD' とは、インジケーターの設定パラメーター "%D Length" の値であり、"emaEma" は一旦計算された指数移動平均に対して、さらにその指数移動平均を計算した値になります(期間の値としてはいずれも同じものを使用します):

emaEma(source, length) => ta.ema(ta.ema(source, length), length)

パラメーター

%K Length

最高値と最安値を計算する際に用いる過去バーの本数 (ウィンドウ)。 デフォルト値は10です。

%D Length

SMIを計算する際に用いる過去バーの本数 (ウィンドウ)。 デフォルト値は3です。

EMA Length

SMIベースのEMAを計算する際に用いる過去バーの本数 (ウィンドウ) を指定します。

時間足

インジケーターの値を計算する時間足を指定します。このオプションを使うと、他の時間足のデータに基づいてSMIの計算を行うことができます。たとえば、1時間足のチャートで計算されたSMIの値を、5分足のチャート上に表示することができます。

時間足の確定を待つ

インジケーターの計算対象の時間足がチャートの時間足よりも上位の場合の動作を指定します。「時間足の確定を待つ」にチェックが入っている場合、上位の時間足が確定したときにはじめてその計算結果が連携され、チャート上に表示されます。

スタイル

SMI

SMIの表示/非表示、およびその現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。またSMIの色、線の太さ、線のスタイルを選択できます。

SMI-based EMA

SMIをベースとしたEMAの表示/非表示、およびその現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。またEMAの色、線の太さ、線のスタイルを選択できます。

Overbought Line

買われ過ぎラインの表示/非表示、およびその現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。また買われ過ぎラインの色、線の太さ、線のスタイルを選択できます。

Oversold Line 

売られ過ぎラインの表示/非表示、およびその現在値を示す価格ラインの表示/非表示を切り替えることができます。また売られ過ぎラインの色、線の太さ、線のスタイルを選択できます。

Middle Line

ミドルラインの表示/非表示の切り替え、およびアッパーバンドの境界線を1~100の範囲で設定できます(デフォルトは70です)。またミドルラインの色、線の太さ、線のスタイルも設定できます。

Hlines Background

SMIの境界に挟まれた部分の背景色について表示/非表示を切り替えます。色自体や不透明度も変更が可能です。

Overbought Gradient Fill

買われ過ぎエリア(買われ過ぎラインの40より上)の背景色のグラデーションについて表示/非表示を切り替えます。1番目のカラーピッカーで、色自体や不透明度も変更が可能です。

Oversold Gradient Fill

売られ過ぎエリア(売られ過ぎラインの-40より下)の背景色のグラデーションについて表示/非表示を切り替えます。2番目のカラーピッカーで、色自体や不透明度も変更が可能です。

精度

インジケーターの値を切り上げて残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。