使用資本利益率 (Return on capital employed %)
使用資本利益率 (ROCE) は使用資本から企業の収益性を測定する財務指標です。ROCEは、企業の資本で株主資本・負債・少数株主持分を含むものから生み出されるリターンを計算します。ROCEを使うと、投下した資本からどれだけの利益を生みだせるかについて、その企業の能力を推し量ることができます。この指標は、2つの会計期間(t1とt2)における使用資本を考慮に入れています。
使用資本利益率 = 営業利益 / (総資産の平均 - 流動負債合計の平均)
分母が負の数であれば、式は空の値を返します。
- 総資産の平均 = ( 総資産 (t1) + 総資産 (t2) ) / 2
- 流動負債合計の平均 = ( 流動負債合計 (t1) + 流動負債合計 (t2) ) / 2
上記の平均値は2つの会計期間にわたっていますが、これは比較可能な2期間における平均値を意味しています。たとえば、年単位の場合は過去2年間、半期単位の場合は2024年上半期と2023年上半期、四半期単位の場合は2024年第2四半期と2023年第2四半期になります。分子の営業利益の値については、四半期および半期の場合であればTTM(直近12ヶ月)の値、つまり直近4四半期の合計の値が使用されます。
ROCEは企業が資本からどれだけの利益を生み出しているかを示す指標であり、特に同業他社の業績を比較する際に有効です。ROCEが高ければ、それだけ効率的に資本が利用されていることになり、その企業が使用資本1単位当たりでより多くの利益を生み出していることが示唆されます。