総売上債権回転率 (Total receivables turnover)
総売上債権回転率とは、企業が売掛金をいかに効率的に回収しているかを測る財務指標です。企業が一定期間に売上債権を何度現金化できたかを示すもので、その企業の与信に対する方針や回収努力の効率が反映されます。売上債権回転率が高ければ、その企業が未払債権をうまく回収できていることが示され、逆にこの値が低ければ、企業の与信管理や顧客の支払行為に問題があることを示唆している場合があります。
総売上債権回転率 = 総売上高 / 売上債権合計の2期平均
ここで「2期平均」とは、互いに比較可能な2つの期間の平均値を意味しています。たとえば、年の場合は過去2年間、半期の場合は2024年上半期と2023年上半期、四半期の場合は2024年第2四半期と2023年第2四半期の平均になります。また、四半期および半期の場合、分子に使用される総売上高の値は直近12ヶ月(直近4四半期の合計)になります。
分母が負の場合、上記の計算式は空の値を返します。
総売上債権回転率という指標が持つ価値は、企業の流動性と経営効率の把握ができる点にあります。売上債権回転率が高ければ、その企業のキャッシュフロー管理が強力で、また与信管理も効果的であることが示されます。これらの管理能力は企業財務の健全性を保つうえで必要不可欠です。この指標を使うと債権管理に優れている企業を浮き彫りにできるため、同業他社を比較する際によく利用されます。
しかし、企業全体の業績やリスクプロファイルを包括的に理解するには、この指標とともに他の財務指標も合わせて検討することが重要です。