TradingViewレイアウト : クイックガイド

効率的なトレードと市場分析を行うには、しっかりと構築されたチャートレイアウトが欠かせません。この記事では、TradingViewのスーパーチャートを最大限に活用するために、チャートレイアウトをどのように整理・保存・カスタマイズするのがベストなのかをご紹介していきます。

内容は以下のとおりです: 

レイアウトとは

チャートレイアウトとは、チャートの外観・内容・デザインなどのチャート設定全てのことを指しており、チャート上に描かれた描画もこの中に含まれます。基本的には自分が使えるワークスペースと考えることができ、チャートに変更を加えた場合でも、レイアウトとして保存すればその変更内容を後で使うことができます。

各レイアウトはご自身の目的やニーズに合わせてカスタマイズすることができます。こうしておくと、使用するレイアウトを変えるだけで、作業を切り替えることができます。

レイアウトの新規カスタマイズは、画面上部のツールバーから始めることができます。ツールバーの右側に表示されているレイアウト名の右側に下矢印で示された「レイアウトの管理」ボタンがあるので、ここからメニューを開いて「新規レイアウトを作成」ボタンをクリックします。すると、名前入力のダイアログが開くので、ここで新しいレイアウト名を入力します。

新しく作成したレイアウトを保存すると「レイアウトの管理」のドロップダウンメニューに表示されるようになります。

レイアウトを管理する

このメニュー内にある機能は以下のとおりです:

  • 変更内容を失わないように「レイアウトを保存」します。
  • 変更内容を自動で管理する「自動保存」のオン/オフ切替ができます。
  • 「共有」をオンにすると「リンクをコピー 」の項目が表示されます。このリンクを送信することにより、ご自身のチャート設定を他の人と共有することができます。レイアウトを共有した場合でも、チャートに変更を加えることができるのはご自分だけです。
  • 現在のチャートレイアウトを保持したままで、そこに他の機能を付け加えて別のレイアウトを作成したい場合は、既存のレイアウトの「コピーの作成」を行います。
  • 「チャートデータのエクスポート」機能を使うと、CSVファイルをダウンロードできます。データの保存はもちろん、そこから定量的な分析を行うなどの用途にもお使いいただけます。
  • 「レイアウトを開く」をクリックすると「最近使用したレイアウト」に表示されていないレイアウトもすべて表示されます。

チャートに変更を加えると、そのたびにレイアウト名の下に「保存」の文字が表示されます — 時々クリックして自分が進めた作業を確実に保存しましょう。キーボードからもWindowsでは"Ctrl+S"、macOSでは"Cmd+S"で変更の保存ができます。

レイアウトを開くと直近で使用した時間足とシンボルが表示されます。また、インジケーターも記憶されているので、同じ設定を有効にしたままで異なるシンボルへと素早く移動できるのも便利です。

レイアウトを使う

弊社チャートは高いカスタマイズ性能を備えているので、皆様のニーズに合わせて様々なレイアウトを作成することが可能です。たとえば、トレード分析のためにレイアウトを別にもうひとつ作成することもできます。

それでは、市場分析を目的とする効率的なレイアウト作成方法を見てみましょう。まず、新しいレイアウトを作成します。

では、カスタマイズを始めてみましょう。まず最初にチャートタイプ(バーのスタイル)を選びます。たくさんのチャートタイプがありますが、それぞれに目的があり、どのような分析を目指すかによって役割も様々です。ラインチャートのように、資産のパフォーマンスを全体的に素早く把握するのに適したものもあれば、ローソク足のように、トレードのチャンスとなるエントリーポイントや決済ポイントを見極めるのに適したものもあります。分析の段階では、複数のチャートタイプを使い分けるのがよいでしょう。

次に、チャート右下にある歯車ボタンをクリックします。通常のスケールでは、価格の単位で均等に区切られた目盛上で変動に応じて価格のラインが表示されます。対数スケールでは、実際の価格変動ではなく、価格の変化率で均等に区切られた目盛を使用して価格のラインを表示します。

分析するときもトレードする時も常に同じ価格スケールを使うようにしましょう。

それでは、チャートを自分のスタイルに変えていきましょう。「チャート設定」を開いて「キャンバス」タブに移動します。背景やスケールの文字の大きさをはじめ、他にも視覚的にアクセントを付ける設定も可能です。レイアウトをユニークで視覚的にも魅力のあるものにしましょう。

「スケールとライン」と「ステータスライン」のタブで、そのレイアウトに表示する情報を選択します。

「トレーディング」タブの機能はすべて無効にしておきましょう。こうしておくと、設定時に余計なものが表示されません。

「イベント」タブでは決算報告・株式分割・配当金分配など、主要となる企業活動を表示できるチャートを選択できます。こうした情報を得ることは分析にも大きな影響を与えます。「シンボル」タブから配当のデータ調整を行うことによって、さらに深いテクニカル分析ができます。定期的に配当金を支払う企業についてはこのオプションを有効にした時にチャートの見え方が大きく変わることがあり、これが意思決定の際に重要な要因になる可能性もあります。

また、ここでは「アイデア」を表示させることができます。これを有効にするとTradingViewコミュニティがチャート上のシンボルについてどのように考えているかを見ることができます。

また、分析結果を最大限に活用するために、必ず時間足を設定して使用するインジケーターも選んでおきましょう — 両方とも画面上部のツールバーにメニューがあります。

分析用のチャートができたので、トレード用にもう1つチャートを作ってみましょう。

この2つのチャートが見た目で区別できるように微調整を加えながら、さきほどのカスタマイズ手順を繰り返します。

お好みの外観になったら、次は「トレーディング」タブで、さきに作成したレイアウトでは無視した機能を有効にします。たとえば、売買ボタンの表示、通知の設定、外観などを選択します。

カスタマイズが完了したら、お気に入りのブローカーに接続して、チャートから直接取引できるようにしましょう。そのためには、画面右下の上矢印「パネルを開く」ボタンをクリックして「トレードパネル」へ移動し、ご自分のブローカーのアイコンを探します。トレードの要点を記載したガイドも用意していますので、これらをご覧になってTradingViewの機能を最大限に活用してください。

正確なタイミングなくして取引は不可能です。万全な準備を整えるには、ナレッジベースにてアラートに関するセクションをご覧になることをお勧めします。TradingViewを使ったトレード方法もご覧いただけます。

トレードを始めたばかりの方であれば、リスクなしのペーパートレードやストラテジーテスターで練習するのもおすすめです。そのためにもう一つレイアウトを作成しておくのもよいでしょう。

重要!: 同じレイアウトの中でシンボルを切り替えた場合でも、チャートの外観やインジケーターの設定は維持されます。異なるシンボル間で同じストラテジーやインジケーターを適用する場合に便利です。

TradingViewスーパーチャートにどのような機能があるのかをもっと知りたい方に向けて、初歩的なチャート機能のご紹介として「スーパーチャート : これだけは知っておきたいこと」という記事をご用意しています。他の機能についても知りたい場合にぜひご覧ください。

マルチチャートレイアウト

TradingViewスーパーチャートのもう一つの大きな特徴として「レイアウト設定」におけるマルチチャートレイアウトが挙げられます。このモードではワークスペースに複数のチャートが表示されるので、分析対象を最大限に拡大して見ることができます。

マルチチャートを選択すると、最初に表示していたチャートのインジケーターとストラテジーが、マルチチャートで追加されたチャートすべてに適用されます。ただし、最初のチャートで行ったチャート設定については、ここで追加されたチャートには引き継がれません。これはチャート設定がその設定を行ったチャートのみに紐づいているからです。ただし、時間足やシンボルなどの基本設定は「レイアウト設定」メニューからチャート間で同期させることができます。

描画についてはこれとは別のワークフローで動作します。つまり、描画を設定したシンボルに対してのみその描画が適用されます。同じレイアウト内でもシンボルを変更すると描画は消えてしまいます。

ただし、これも複数のレイアウト間または1つのレイアウト内で同期させることができます。 画面左側のツールバーの描画パネルに同期のアイコンがあり、こちらに上記2つの機能を選択できるボタンがあります。

この機能がオフになっていると、描画はローカルに適用されます。つまり、その描画が描かれたシンボル/チャート/レイアウトにしか適用されません。

  • レイアウト内で同期: シンボルが同じであればそのレイアウト内で作成された新規チャートすべてに同じ描画が表示されます。
  • グローバルに同期: 新しくレイアウトを作成した場合でも、シンボルが同じであれば新規チャートすべてに同じ描画が保存されます。

「グローバルに同期」をオフにすると、他のレイアウトすべてからそのシンボルの描画が全部削除されます。

TSLAがシンボルになっているチャート上に描画を適用した場合を考えてみましょう。たとえば、このシンボルをNVDAに変更すると、描画は消えてしまいます。TSLAに戻すと、描画が再び現れます。

「グローバルに同期」がオンになっている場合、新規レイアウトを作成してそこでTSLAのシンボルを選択すると、以前のチャートでTSLA用に作成された描画がそのレイアウトでも保持されます。

TradingViewレイアウトは戦略を最適化する高性能ソリューションで、初心者の方でも上級者の方でも、簡単でありながら詳細な設定もできるカスタマイズ機能を備えています。この機能を使うことによって、シンボル間の移動がスムーズになり、チャート上で重要なポイントを強調して表示することが可能になります。

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