資金調達率 (Funding Rate): 市場センチメントのガイド
資金調達率とは、無期限先物ポジションを保有するトレーダー間で定期的に行われる支払いのことで、資金調達率がプラスの場合はロングポジションがショートポジションに支払い、マイナスの場合はショートがロングに支払います。これは、暗号資産の無期限先物価格を原資産の現物価格に近づけるために用いられます。
目次:
資金調達率の見方
資金調達率は、トレードにおいて様々な側面で役立ちます:
- リスク管理: 資金調達率がプラスまたはマイナスの場合、追加コストや受動的な利益が発生し、特に大きなポジションや長期ポジションに影響を与えます
- ヘッジ: 資金調達率が無期限先物ポジションに有利な場合、現物市場で反対ポジションを持つことで、リスクを抑えつつ、資金調達料を受け取ることができます
- エントリータイミング: 次回の資金調達率の支払いが不利な状態で、かつその期日が近い場合、その支払いが過ぎるのを待ってからポジションを建てることができます
- 市場センチメント: 市場のどちら側に集中しているか、また市場がコンタンゴかバックワーデーションかを示します
コンタンゴとバックワーデーション
無期限先物は現物価格と連動しながらも、需給によって価格が乖離することがあります。その結果、市場は以下いずれかの状態になります:
- コンタンゴ: 先物価格が現物価格よりも高い状態。資金調達率はプラスになります
- バックワーデーション: 先物価格が現物価格よりも低い状態。資金調達率はマイナスになります
いずれの状態も、市場のどちら側に偏っているかを反映します。ロングが増えると先物価格は現物価格よりも上昇し、市場はコンタンゴになり、ロングがショートへ資金調達料を支払います。これによりロングは保有コストが発生するため新規ロングが抑制され、逆にショートは資金調達料を受け取ることでインセンティブが生まれます。逆にショートが増えると、その反対のバックワーデーションが起こります。
資金調達率の計算方法
資金調達率は、保有しているポジションに対する割合で表されます。
おおよその計算式:
資金調達率 = 金利 + プレミアム指数
- 金利: 資本コストを考慮した固定料金。通常、取引所で設定されます
- プレミアム指数: 原資産となる指数価格と比較した、無期限先物のプレミアムまたはディスカウント
注: 取引所によっては独自のロジックが加えられている場合があります。そのため、一般的に資金調達率は取引所ごとに異なります。これらのデータは大きく異なる場合があります: 集計データは、市場全体の傾向を把握するのに適しており、非集計データは、特定の取引所や短期的なトレード判断に役立ちます。
TradingViewでの資金調達率の確認方法
スーパーチャートでは、以下手順で確認できます: インジケーターダイアログ → ファンダメンタル → デリバティブ → 資金調達率

資金調達率データは複数の取引所で収集されており、表示方法を選択できます:
- 集計: 利用可能なすべての取引所における対象資産の資金調達率を表示します
- 非集計: 単一取引所における対象資産の資金調達率を表示します
重要: TradingViewの資金調達率の集計データは、未決済建玉で加重されており、未決済建玉の多い市場ほど比重が高くなります。ある取引所の未決済建玉が他の取引所よりも大幅に多い場合、その取引所の資金調達率は最終的な集計値に大きな影響を与えます。
注: 現物市場では集計データのみ表示されます。非集計データは、先物契約を選択してください。また、暗号コインスクリーナーからもアクセスできます。

ファンダメンタルグラフでは、ファンダメンタルと取引所データをより簡単に比較できます。シンボルと利用可能な指標を選択してください。

暗号コインのシンボルページでは、「デリバティブ」タブで確認できます。ここでは資金調達率データを含む、そのコインに関する主要データを確認できます。

シンボルページでは、集計データのみが表示されます。
対応の取引所
資金調達率は、以下取引所の暗号資産無期限先物でご利用いただけます:
- Binance
- Bitget
- Bybit
- Coinbase
- Deribit
- HTX
- Kraken
- OKX
- BitMEX(集計データは非対応です)
おわりに
資金調達率とは、無期限先物ポジションを保有するトレーダー間で定期的に行われる支払いのことです: 資金調達率がプラスの場合はロングがショートに支払い、マイナスの場合はショートがロングに支払います。この仕組みは、暗号資産の無期限先物価格を原資産の現物価格に近づけるために用いられます。
また資金調達率は、単なる支払いメカニズムにとどまらず、市場センチメントの把握、保有コストの見積もり、エントリータイミングの判断、より低リスクなヘッジ戦略の構築にも活用できます。資金調達率がプラスであればロング優勢とコンタンゴの状態を示し、マイナスであればショート優勢とバックワーデーションの状態を示します。
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