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ロシア、対シリア小麦輸出停止のもよう ウクライナが供給に意欲
アサド独裁政権が崩壊したシリアに対し、ロシアが小麦の輸出を停止したことが13日、両国の関係筋の話で分かった。新政権の不確実性と支払い遅延などが背景にあるという。
一方、ロシアの全面侵攻を受けながらも世界的な穀物輸出国であるウクライナは、シリアへの食料供給の用意があると表明した。
ロシア政府関係筋によると、アサド政権崩壊後、シリア側の小麦輸入管理の責任の所在が不明確になったため、輸出業者が供給を停止した。シリア関係筋も、支払い状況が不明確になったため船舶の運航が遅延していると明らかにした。シリア暫定政府がロシア側と協議しているという。
ロシア穀物生産者輸出業者連合によると、シリアはロシア産穀物の主要な消費国ではない。ただロシアからの小麦供給が途絶えれば、シリアで食料不足が深刻になる恐れがある。
こうした中、ウクライナのコバル農業食料相はロイターの取材に対し「困難な状況にある地域にこそ、ウクライナの食料を届けなければならない。ウクライナは食料の供給に前向きだ。シリアが必要とするなら、ウクライナは共にある」と述べた。
ウクライナは中東地域に小麦とトウモロコシを輸出しているが、シリアには供給していない。ロシアの後ろ盾を受けていたアサド政権の崩壊後、ウクライナはシリアとの関係修復の意向を表明。ウクライナのシビハ外相は「将来的な関係修復への道を開き、シリア国民への支持を再確認する用意がある」と述べている。