固定期間出来高プロファイル (FRVP)

定義

固定期間出来高プロファイル (FRVP) は、指定した日付範囲の出来高データを計算し、その資産の価格変動全体ではなく、トレーダーが指定した範囲で出来高の動きを分析することができます。

注: 出来高プロファイルのインジケーター全体に共通する特徴については、 ヘルプセンターの記事「出来高プロファイルのインジケーター: 基本的なコンセプト」で詳細をご覧いただけます。以下の文章は、固定期間出来高プロファイルについて固有の特徴を説明したものになります。

計算

固定期間出来高プロファイル (FRVP) を計算する場合、出来高プロファイルの計算対象となる時間の中で、そこを占めるバーの本数が5000本未満になるように時間足のリストを順番にチェックすることになります。チェックする時間足の順番は以下のとおりです: 1分, 3分, 5分, 15分, 30分, 60分, 240分, 1日。なお、インジケーターのバーの計算範囲が5分以下の場合、あるいは、秒ベースの時間足が使用される場合は、計算範囲内に存在するバーの本数にかかわりなく、1秒足のデータが計算に使用されます。

注: 先物チャートとスプレッドチャートの出来高プロファイルにおいては、計算の際にバーの本数が5000本未満になる時間足のリクエストは行いません。その代わりに、上記の時間足のリストに基づいて、現在の時間足より一段階小さい時間足を使用して計算を行います。ただし、秒ベースの時間足については全て例外となっており、常に1秒足のデータが計算に使用されます。

次のような例を考えてみましょう。FRVPの計算対象になる期間を、最初は月曜日のバーから最後は同じ週の日曜日のバーに設定したとします。また、このシンボルは24時間いつでも取引されているものだとします。(この例の中では、取引がなかった空き時間はなく、どの週でも1分ごとにバーが関連付けられていると仮定します)。

  1. まず最初に、このインジケーターは該当するシンボルの「1分」足をチェックします。すると、このシンボルの1分足チャートには7日 * 1440分 =10080本のデータがあり、これは5000本の制限を上回っていることがわかります。そこで、リストの順番にしたがって次の時間足をチェックすることになります。
  2. 次に「3分」足で同様のチェックを行います。このシンボルの3分足チャートには、7日 * (1440 / 3) = 3360本のデータがあります。これは5000本の制限を下回っているので、FRVPの計算には3分足のバーが使用されます。

注: 指標の計算に使用できる下位足のバーの本数には限りがあります。シンボルの履歴データの中でもかなり過去に遡ったところでFRVPの計算が設定されている場合、その期間では下位足の情報が存在しないことがあります。このような場合、表示中のチャートの時間足が計算に使用されます。

これを実際に示してみましょう。NASDAQ:AAPLの日足にFRVPを追加して、計算対象の期間を1980年12月12日から始まる期間で設定してみてください。この期間には下位足のデータがないため、FRVPの計算は表示中のチャートの解像度(1日)で実行されます。

単一のバーでのプロファイル構築

固定期間出来高プロファイルが単一のバーで構築される場合、その始値と終値の間の条件が「買い/売り」の出来高計算に用いられることに注意してください。つまり、終値が始値よりも大きければ「買い」の値動きとされ、終値が始値以下であれば「売り」の値動きとなります。

パラメーター

行のレイアウト/行のサイズ

この2つのパラメーターによって、各ヒストグラムの行数計算の方法を指定します。

「行のレイアウト」項目を「行の数」に設定した場合、「行のサイズ」ではヒストグラムの行の合計数を設定することになります。各行あたりのティック数は次の式に基づいて自動的に計算されます: 行ごとのティック数 = (ヒストグラムの上端価格 - ヒストグラムの下端価格) / 行の数 / ティックサイズ。ヒストグラムの幅によっては行ごとのティック数が上下どちらかに丸められる場合があり、行の合計数が制限の範囲内で指定した値を超えることがあります。

例としてティックサイズが0.01のシンボルと、その価格の範囲が10から11にまたがった出来高プロファイルのヒストグラム(つまりヒストグラム全体は100ティック)を考えてみましょう。「行のサイズ」を25に設定すると、1行の高さは (11 - 10) / 25 / 0.01 = 4ティックになります。その結果、ヒストグラムは25行、各行の高さは4ティックになります。

行の高さについての計算結果が浮動小数点数になった場合は「行ごとのティック」の計算結果を丸めて、行の高さが整数になるようにします。また、すべてのデータがヒストグラムに表示されるように追加で行が作成されることもあります。「行ごとのティック」の計算で出てきた端数の切り上げ/切り下げについては、どちらが「行のサイズ」の入力値に近いかによって決まり、その結果によって表示される行の合計数が決定されます。

たとえば、上記のケースで「行のサイズ」の入力値を30に変更した場合、最初に計算される行の高さは、各行ともに (11 - 10) / 30 / 0.01 = 3.333ティックとなります。

この数値を最も近い整数である3に丸めると、ヒストグラムの各行は1行につき3ティックで表されることになります。その結果、最初の30行はヒストグラム全体が占める100ティックのうち、30 * 3 = 90ティックを占めることになります。このとき10ティックが残ることになりますが、この場合には追加で4行が作成されます。そのうち最初の3行は3ティック分で構成され、最後の1行は1ティック分になります。この操作によって結果的に行の合計数が34まで増加することになります。

もし上記のかわりに行の高さの値が切り上げられた場合、ヒストグラムの各行の高さは4ティックになります。この場合、100ティックはそのすべてが25行に収まって余りはありません。しかし、上記の34行の方が「行のサイズ」でリクエストされた30に近いので、行の高さとしては上記の3ティックが使用されることになります。

このパラメーターが「行ごとのティック」に設定されている場合、行のサイズは各行のティック数を意味することになります(1ティックとは、シンボル価格が動ける最小範囲を指します。たとえば、NASDAQ:AAPLではどんなに少なくても価格は0.01 USD、つまり1セントは動くことになるので、1ティックは0.01ということになります)。設定例: 25に設定すると、各行が25ティックの高さを持つことになります。この場合、行数は自動的に計算されます。出来高プロファイルのヒストグラムが200から300の価格の間にまたがって表示されているとすると、ティックサイズが0.01のシンボルの場合、ヒストグラムの行数は(300 - 200)/ 0.01 / 25 = 400行になります。

出来高

各行の出来高について、総出来高の表示(「合計」)、買いと売りの分割表示(「買い/売り」)、その差の表示(「デルタ」)を切り換えます。

バリューエリアの出来高

取引セッションの全出来高のうち何パーセントをバリューエリアで強調表示するかを指定します。

右に延長

「右に延長」モードをオンにすると、#2 (バー) として設定した座標の右側にあるローソク足は、過去のものから新規に出現したものまでを合わせて、すべての出来高プロファイルを構築することができます。

座標

#1 (バー) - 左の境界の位置を設定します。出来高プロファイルの計算はこの位置の前から開始します。

#2 (バー) - 右の境界の位置を設定します。出来高プロファイルの計算はこの位置の後で終了します。