アルーン (Aroon)

定義

アルーンインジケーター(しばしばアルーンアップダウンとも呼ばれます)は、一定の境界内で推移するテクニカルインジケーターであり、実際には価格が、トレーダーの裁量で設定された期間である “n” 期間の高値/安値からの経過期間を測定するために設計された2つの個別の測定値のセットです。例えば14日アルーンアップは、14日高値からの経過日数から0から100の間の数値を計算します。14日アルーンダウンも同様に14日安値からの経過日数を元に算出されます。この数値は、(トレンドがある場合には)トレンドの強さを定量化するためのものです。数値が100に近いほど、トレンドが強くなります。Aroonはトレンドの特定に優れているだけでなく、保合期間を特定するためにも有用なツールです。

歴史

アルーンインジケーターは、1995年にテクニカルアナリストで作家のトゥーシャー ・シャンデによって開発されました。彼がインジケーターに、サンスクリット語で「夜明けの明かり」を意味する「アルーン」と名付けたという事実は、インジケーターのトレンドの発見能力に対する彼の信念を示しています。

計算

計算はユーザー定義の期間に依存します。この例では14日のアルーンを使用します。

アルーンアップ = ((14 - 14日高値からの経過日数)/14) x 100
アルーンダウン = ((14 - 14日安値からの経過日数)/14) x 100

基礎

アルーンインジケーターは、0から100の境界内で推移する数値を生成するテクニカルインジケーターです。テクニカルアナリストは、スケールの3つのエリアに焦点を当てる必要があります。

  1. 100に近い程、または100は、強いトレンドを示します。
  2. 0に近い程、または0は、弱いトレンドを示します。
  3. ちょうど50近辺のエリアは中間地点であり、トレンドがどちらの方向にも行く可能性があります。

アルーンアップが50を超えて100に近く、アルーンダウンが50を下回っている場合は、上昇傾向が強まっていることを示しています。同様に、アルーンダウンが50を超えて100に近く、アルーンアップが50を下回っている場合には、下降傾向が強まる可能性があります。

利用目的

トレンドの特定

アルーンの主な機能は、新しいトレンドが発生したときにそれを識別することです。 新しいトレンドが形成されるタイミングを特定するには、3つのステップがあります。

  1. アルーンアップとアルーンダウンが互いに交差します。
  2. 2つのアルーンラインが反対方向に進み、一方は50を超えて100に向かい、もう一方は50未満にとどまります。
  3. その後、アルーンラインの1つが100に到達します。

これらの3つのステップに基づいて、強気トレンドを例として解説します。強気トレンドでは、アルーンアップとアルーンダウンが交差し、次にアルーンアップが50を超え、アルーンダウンが50を下回ります。最後にアルーンアップが100に到達し、強気トレンドの出現を示します

保合期間

アルーンインジケーターのもう1つの優れた機能は、保合期間を特定することです。これは、アルーンアップとアルーンダウンの両方が50を下回ったときに発生します。この状態は強気トレンドも弱気トレンドも強さが無いため、揉み合いの期間を示します。特にアルーンアップとアルーンダウンの両方が同時に下降している場合に当てはまります。双方が並行して下落する場合、方向感の無いレンジが形成されている可能性があります。

サマリー

アルーンインジケーター(アルーンアップダウン)は、トレンドと保合期間の両方を識別するための非常に優れたインジケーターです。とは言え補完的なピースとして最もよく利用されます。全体的なトレンドを知ることはあらゆるトレード戦略にとって重要な部分ですが、アルーンを基盤として使用して、シグナル生成に使用される追加のインジケーターと組み合わせることは、アルーンを使用する上でおそらく最も効果的な方法です。

パラメーター

期間

Aroonの計算を行う期間です。

スタイル

アルーンアップ

アルーンアップの値を示すラインの可視性を切り換える事ができます。アルーンアップの色や線の太さ、ビジュアルタイプ(ラインがデフォルトです)を選択する事も可能です。

アルーンダウン

アルーンダウンの値を示すラインの可視性を切り換える事ができます。アルーンダウンの色や線の太さ、ビジュアルタイプ(ラインがデフォルトです)を選択する事も可能です。