カギ足チャートとは
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カギ足チャートとは
カギ足チャートは、垂直線(緑が上昇、赤が下落)とそれらを結ぶ小さな水平線で構成されるチャートの一種です。練行足チャートと同様にカギ足チャートには時間要素がありません。カギ足チャートでは時間の経過は完全に取り除かれ価格の動きだけが考慮されます。
鈎(カギ)という単語は、日本の芸術である木版画に由来しています。「カギ (Kagi)」や「キー (Key)」は版画を摺る際に紙を正確に置くために使われるL字形の目印のことを指します。そのため、カギ足チャートは「キーチャート」と呼ばれることもあります。
カギ足チャートのラインは、開始地点(通常は最初の終値)から価格の動きに基づいて一本の線で描かれます。上昇トレンドの間は「上昇ライン(陽線)」、下降トレンドの間は「下降ライン(陰線)」が形成されます。
価格が現在の方向へ動き続ける限り、現在の上昇ラインまたは下降ラインは続きます。一旦価格が反転すると(反転とみなすのに必要な量はトレーダーが設定します)水平線が描かれた後に前のラインと反対方向にラインが形成されて新しい終値まで描画されます。
ラインの種類
カギ足チャートに描かれるラインには以下の5種類があります:
- 上昇ライン(陽線): 上昇トレンドの間に形成されます。
- 下降ライン(陰線): 下降トレンドの間に形成されます。
- 上昇予測ライン: 日中の時間足で(実際の終値が確定する前に)現在価格に基づいて形成される予測の上昇ラインです。
- 下降予測ライン: 日中の時間足で(実際の終値が確定する前に)現在価格に基づいて形成される予測の下降ラインです。
- 水平線: ラインの方向が変わる時に描画されるラインです。上昇ラインが下降ラインに変化する時に描かれる水平線を「肩」と呼びます。また、下降ラインが上昇ラインに変わる時に描かれる水平線を「腰」と呼びます。
ラインの計算方法
ラインの計算には以下3種類の方法があります:
- アベレージ・トゥルー・レンジ (ATR): アベレージ・トゥルー・レンジ (ATR) インジケーターで生成された値を利用します。ATRは金融商品のノイズやボラティリティを除外する目的で用いられます。ATR方式では自動的に適切なラインサイズを決定します。 通常のローソク足チャートでATR値を計算してその値をラインサイズとします。
- 従来方式: ラインサイズにユーザーが事前に定義した絶対値を用います。事前に定義したラインサイズよりも大きな価格変動が発生した場合にのみ新しいラインが作成されます。この方式のメリットは、とてもシンプルで新しいラインが形成されるタイミングや位置の予測が容易な点です。逆にデメリットは、特定の銘柄で適切なラインサイズを選択するにはしばらく検証が必要になる点です。
- パーセントLTP: ラインサイズがユーザー定義のパーセント値に基づいたものになります。ここで指定されたパーセント値を直近の終値に適用してラインサイズを計算します。そして、最も近いバーの最小ティックサイズに丸められ、この値がすべてのバーで一貫して適用されます。ただし、この計算方法はリペイントの影響を受けます。
カギ足チャートの使い方
カギ足は解釈が容易なので人気のチャートです。時間経過を一切考慮しないためノイズが排除されます。価格変動が唯一の変数になるため、それだけに新しいラインの生成が重要になります。
通常、相当な価格変動がない限りは新しいラインは形成されないので、新しいラインが生成されたときには常に注意が必要です。
時間の経過とともに自然発生する小さな価格変動は無視することができます。一般的なカギ足チャートの活用方法としては、基本的なライン反転をトレードシグナルとして利用したり、サポートやレジスタンスを見極めたり、さらには、連続した肩や腰に基づいて反転パターンを認識する方法があります。
- 上昇ライン/下降ラインの反転: スティーブ・ニソンはその著作でカギ足チャートを世に広めた人物であり、最も基本となるチャート解釈を提示しました。それはシンプルで、陽線で買い、陰線で売るというものです。別の言い方をすれば、上昇ラインへの反転は買い、下降ラインへの反転は売りになります。
- サポートとレジスタンス: カギ足チャートによってサポートとレジスタンスの位置が明らかになるケースが多々あります。
また、ニソンは概ね9つくらいの肩や腰が連続して出現するのを待つというトレードシグナルを提唱しました。9つ目の肩や腰が描かれたときが反転のチャンスを探るタイミングになります。
カギ足チャートの設定

- 上昇バー: 上昇バーの色を変更します。
- 下降バー: 下降バーの色を変更します。
- 上昇予測バー: 上昇予測バーの色を変更します。
- 下降予測バー: 下降予測バーの色を変更します。
- ボックスサイズの計算方式: ラインサイズの計算方法を、ATR/従来方式/パーセントLTPから選択できます。
- ATRの期間: ラインサイズの計算方法としてATRを選択した場合に、ATRの期間を設定します。デフォルトは14です。
- 転換数: ラインサイズの計算方法として従来方式を選択した場合に、反対方向への新しいラインの描画に必要となる価格変動のサイズを設定します。
- パーセント: ラインサイズの計算方法としてパーセントLTPを選択した場合に、この値によってラインサイズとして使用される最終取引価格のパーセント値を指定します。デフォルトは1%です。
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