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ADX (平均方向性指数)

定義

ADX (平均方向性指数) は、テクニカルアナリストやトレーダーが、トレンドの強さを判断することを目的に使用するインジケーターです。トレンドが上昇／下降のどちらに向かうかは、ADXに伴う2つの指標、正方向性指標 (一般には+DI) と負方向性指標 (-DI) により示されます。その為、ADXは各指標を示す3つの独立したラインによって表示されます。各ラインは、取引を評価し、ロングとショートのどちらを取るべきかを評価するのに役立ちます。TradingViewのADXでは、+DIラインと-DIライン自体の表示はありませんが、DMI (方向性指数) を使用すれば3つのラインを同時に表示することが可能です。

歴史

ADXは当初、ウェルズ・ワイルダーがコモディティの日足チャートのために考案したものですが、のちに他のマーケットや、様々な時間枠で使用できるように改良されました。こうした修正を受けてADXは現在の形 ― 他のトレンド系インジケーターの助けを借りつつ、市場におけるトレンドの強さの追跡および分析を行う指標 ― になりました。

計算

ADXは複数のラインを含んでいるため、以下に示すような一連の計算が必要です。

  1. まず、+DMと-DM、そして分析する期間ごとにトゥルーレンジ (TR) を計算します。注:
    1. +DM = 当日高値 - 前日高値
    2. -DM = 前日安値 - 当日安値
  2. 当日高値 - 前日高値 ＞ 前日安値 - 当日安値の場合、+DMを計算に使用します。
  3. 前日安値 - 当日安値 ＞ 当日高値 - 前日高値の場合、-DMを計算に使用します。
  4. TRは、当日高値 - 当日安値、当日高値 - 前日終値、当日安値 - 前日終値のうち、最大値になるものを使用します。
  5. まず、+DMと-DM、TRの期間平均を平滑化します。その次に、-DMと+DMの値を挿入して、それらの平滑化平均を計算します。
  6. 最初のxTR = 最初に読み取った期間におけるTRの合計 (x = 読み取るTRの数)
  7. 次のxTR値 = 最初のxTR - (前の期間のxTR/14) + 当日のTR
  8. 次に、平滑化した+DM値を平滑化したTR値で割ると、+DI値が得られます。この値を100倍します。
  9. 平滑化した-DM値を平滑化したTR値で割ると、-DI値が得られます。この値を100倍します。
  10. 方向性指数（DX）の計算式は、＋DIと-DIの差を、＋DIと-DIの和で割ったものです (いずれも絶対値です)。この値を100倍します。
  11. ADXを求めるには、DXの値をx期間分計算し続ける必要があります。ADXの値を得るために各期間の結果を平滑化します。
  12. 最初のADX＝DXのx期間の合計÷x
  13. 最終的に、ADX = ((前のADX * 13) + 現在のDX) / x となります。

要点と着目点

ADX (平均方向性指数) 、正 (＋DI) ／負 (-DI) 方向性指標はモメンタムの指標であり、投資家がトレンドの強さやトレンドの方向を判断するのに役立つ指標です。

ADXは市場価格の動向を予測しますが、価格が上昇する場合 (+DIが-DIを上回るとき) と、価格が下降する場合 (-DIが+DIを上回るとき) を明確に確認することができます。DIと-DI両方のラインがクロスする場合には、弱気または強気の相場が出現しているとして、潜在的な取引機会を示すシグナルを発します。

このコンセプトを編み出したワイルダーによると、ADXが25以上の場合は、極めて強いトレンド (潜在的な買いシグナル) となり、20以下の場合には、弱いトレンド、もしくはトレンドのない状態と判断されています。ADXが20を下回っている場合には、取引において理想のタイミングではないかもしれないということに留意してください。

市場が特定のトレンドに従っていないことを示す場合、価格に動きがないことを示しているのではなく、むしろ変化を起こす可能性、またはそのトレンドに方向性のない状態を意味します。

制限事項

インジケーターのライン同士が、頻繁にクロスオーバーする場合があります。このような現象があまりにも頻繁に起きると、トレーダーは混乱して損失を被る可能性が高くなります。このような現象は「だまし」と呼ばれ、ADXが25を下回っている場合に最もよく見られます。

このADXというツールを最大限に活用するためにも、シグナルを分類してリスクをコントロールする助けとなる他の指標と組み合わせることが必要です。他の多くの指標と同様に、ADXも優れたデータ分析を行うことができる他の分析ツールと組み合わせて使用することで、最も高い効果を発揮します。

サマリー

要約すると、ADXは優れたテクニカル分析ツールであり、上昇／下降に関わらず、トレンドの強さを判断することが可能です。他のインジケーターと組み合わせてトレンドを分析し、その時の市場の状況に合わせて、いつ取引を行うのが良いかを見極めましょう。

ADR (日中平均レンジ)
BBトレンド (BBTrend)