シャンデ・クロール・ストップ (Chande Kroll Stop)
定義
シャンデ・クロール・ストップは、ショートまたはロングポジションのストップを示すインジケーターです。赤と緑 (場合によっては青) のラインが価格チャート上に重ねられて表示されます。赤のラインはショートポジション、緑のラインはロングポジションのストップ水準を表します。シャンデ・クロール・ストップはトゥルーレンジをベースに計算されるため、対象銘柄の実際の値動きからは独立した形でチャートに表示されます。
歴史
シャンデ・クロール・ストップは、トゥシャール・シャンデとスタンリー・クロールによって書かれた "The New Technical Trader" の中で初めて議論され、後に実装されたインジケーターです。トレンドフォローの指標として確立されたシャンデ・クロール・ストップは、市場トレンドのアベレージ・トゥルー・レンジを計算し、市場が示すあらゆるボラティリティを考慮することによって、トレーダーのストップ位置を特定するものとなっています。
計算
このインジケーターは、市場トレンドに連動する銘柄のボラティリティをアベレージ・トゥルー・レンジをベースにして計算されています。ストップはチャート上で直近「n」本のバーの高値と安値の上下に置かれます。その差は「n」本のバーのアベレージ・トゥルー・レンジに比例しており、その結果値が適宜使用されます。
要点
トゥルー・レンジとは、以下の式で求めた3つの値の中で最大値のものであることに留意してください:
- 現在のバーの高値 — 現在のバーの安値
- 現在のバーの高値 — 1つ前のバーの終値
- 現在のバーの安値 — 1つ前のバーの終値
着目点
シャンデ・クロール・ストップは様々な使い方が可能です。価格が双方のラインを下に交差したときに売り、反対に価格が双方のラインの上に交差したときに買うというのが一般的な使用法です。さらに、この2本のラインが何らかの形で交差したときがお勧めのトレードポイントになります。
シャンデ・クロール・ストップのラインは、価格の動きが横ばいになるにつれて平らになり始め、これによって、今度は双方のラインの間で広く取引されるようになります。ラインの位置を意識することがトレードを成功させる鍵であり、トレーダーは市場が示すトレンド方向へのトレードを心がける必要があります。
シャンデ・クロール・ストップは、トレンド転換のタイミングを押さえるためにも使用することができます。緑/青のラインが赤のラインを上に交差すると、新たな上昇トレンドが強調され、また赤のラインが緑/青のラインを下に交差すると、新たな下降トレンドが強調されます。
サマリー
シャンデ・クロール・ストップは、2本のラインを価格チャート上に重ねて表示するストップ指標です。これはある期間の真の平均を取ることによって作成されたインジケーターであり、市場のボラティリティが高まり、トレンド転換の可能性が高まるポイントにおいて、トレードの損失を抑えることを目的としています。