ダイバージェンス

定義

ダイバージェンスは、ある資産の価格が特定のテクニカル指標とは反対に動いているときや、他の関連するデータとは違う方向に動いているときに発生します。ダイバージェンス・インジケーターは、トレーダーやテクニカルアナリストに価格のトレンドの変化を知らせ、多くの場合、トレンドの弱まりや方向転換への警告を発することになります。

ダイバージェンスが右肩上がりであれば資産価格が上昇する可能性を示し、また、右肩下がりであれば資産価格が下降する可能性を示します。

要点

多くの場合、ダイバージェンスは他の指標やデータとともに機能しています。テクニカルアナリストやトレーダーは、通常このダイバージェンスを資産価格が他の指標と逆方向に動いているときに使用します。

先に述べたように、右肩上がりのダイバージェンスは価格が上昇し始める可能性を示し、通常は、価格が下落しているときに他の指標がこの方向に反して上昇している場合に発生します。別の言い方をすれば、強気のシグナルが示されることになります。

右肩下がりのダイバージェンスは、価格が下落し始める可能性を示し、通常は、価格が上昇しているときに他の指標がこの方向に反して下降している場合に発生します。別の言い方をすれば、弱気のシグナルが示されることになります。

着目点

ダイバージェンスが最もよく使用されるのは、継続中のトレンドで価格の動きに反転が生じる確率や資産価格のモメンタムを追跡・分析する時です。ダイバージェンスを使用していれば、それが右肩下がりになって価格が下落し始めた場合、トレーダーやアナリストはポジションを決済するか、ストップロスを設定するかの判断を下すことができます。

制限事項

トレンドの反転や主要な市場のパターンを見極めたり確認するためには、ダイバージェンスを他のインジケーターや分析ツールとともに使用するのがベストです。ダイバージェンスは、投資家として知っておく必要がある適切な情報を教えてくれるものではありますが、それだけに頼るべきではありません。リスク・コントロールこそが分析の鍵であり、価格反転の際にダイバージェンスが常に発生するとは限らないという事実からしても、ダイバージェンスは他のツールや指標と組み合わせることが推奨されます。

さらにダイバージェンスの示す変化は長期的なこともあれば、短期的なこともあります。即断即決を下す場合、ダイバージェンスのみに頼って行動すると、トレードが不利になる可能性があります。ご自身のチャート分析をはじめ、市場全般の分析においても、他のリスク要因を必ず考慮に入れるようにしましょう。

サマリー

ダイバージェンス・インジケーターはトレーダーが価格のトレンドの変化を評価する際に役立ち、価格の動きが他のインジケーターと同じ方向か、それとも逆の方向かを示します 。前者、後者のどちらにもなり得ますが、その制限事項に注意することが重要であり、価格動向を監視できる他の指標と併用する必要があります。