インサイドバー・ストラテジー

定義

インサイドバー・ストラテジーは、トレーダーにとって低リスクなエントリータイミングを計るのに役立つ重要なローソク足パターンです。この戦略は、トレンドに乗るトレードや価格の反転を狙うトレードに使用することができます。インサイドバーとは、基本的に前のローソク足で「カバーされた」ローソク足です。このタイプのローソク足は通常、市場内のボラティリティが低下していることを意味します。インサイドバーの大きさやレンジについてはすべて同じではないので、分析の際にはこの点を念頭に置いておくことが重要です。これについては、以下の「着目点」のセクションに詳しい説明があります。

要点

トレーダーがインサイドバー・ストラテジーを利用するのは、価格反転の動きを待っている間にインサイドバーが形成された時です。この方法に従えば具体的な基準に基づいてポジションをコントロールすることができ、市場が理想的な反転を見せるのを待つことによって完璧なエントリーポイントの管理が可能になります。さらには、ボラティリティが縮小しているときに価格が高値を上抜けると、買い圧力継続の可能性が高まります。また、こうしたアプローチはフェイクに遭遇する可能性も低くなります。

着目点

前述したようにインサイドバーは、バーの大きさが異なるだけでなく、レンジや色などについても様々なものがあります。ここでは、インサイドバー・ストラテジーを活用する際に利用することが多いバーのタイプをいくつか紹介します。

標準的なバー。標準的なインサイドバーのレンジは小さく、直前のローソク足に「カバー」されています。この標準的なローソク足は、市場が優柔不断になりボラティリティが低下していることをトレーダーに知らせます。

大きなレンジを持つインサイドバー。このバーは依然として直前のローソク足に「カバー」されているものの、そのレンジは標準よりも大きくなっています。このバーは終値によって、優柔不断、トレンド、市場内の反転のいずれかを表すことになります。

1本のローソク足に複数のインサイドバーが含まれているパターン。このパターンは市場のボラティリティが低下した場所をトレーダーに知らせてくれます。市場のボラティリティは常に変化しているため、同時に複数のインサイドバーが確認されると、今後の市場に大きな動きがあることを強く示唆するものになります。

では、具体的にトレーダーがこのストラテジーを使用する際に、どのようなエントリー管理と決済管理が可能になるのかを分析してみましょう。

エントリー。逆指値注文を利用して、価格がインサイドバーをブレイクアウトしたときにエントリーするのを好むトレーダーもいます。この方法は価格が有利に動いた瞬間にエントリーできるため多くの人に好まれる方法です。しかし、この場合、ブレイクアウトがダマシである可能性にも留意してください。また、ローソク足が確定するのを待つというトレーダーもいますが、これには市場の大きな動きを見逃してしまうリスクが伴います。どの方法が最も効果的かを考えてみてください。

決済。何を取引し、何を目標とするかによって、決済の方法は異なります。一回の価格変動を捉えようとする場合、反対売買が始まる前に取引を終了することが最も有効だと考えるトレーダーもいます。しかし、トレンドに乗ることを目的とする場合、市場が自分の予測どおりに動いたと同時にストップロスをトレールするトレーダーもいます。

制限事項

どんなインジケーターにも限界はつきものですが、インサイドバー・ストラテジーにおいては、インジケーターのブレイクアウトを狙うという取引選択に限界があります。この例のような発生確率の低いトレードは、市場が滑らかに動いているレンジで行われるものではないということもあり、このストラテジーが持つ価値よりも問題点の方が目立ってしまう結果にもなり得るということに注意してください。

サマリー

インサイドバー・ストラテジーではローソク足パターンを用いて、低リスクなエントリータイミングを計ります。一連のローソク足パターンを通して、このストラテジーをトレンドに従ったトレードを行う際にも、市場の反転を観察するためにも使用することができます。インサイドバーには様々なローソク足の大きさとレンジがあり、小さいものほど優柔不断な相場を示します。このストラテジーは市場の強さを見極める際に有効で、一回の価格変動を捉えたり、出口でトレンドに乗る際に役立ちます。