トゥルー・ストレングス・インデックス (TSI)

定義

トゥルー・ストレングス・インデックスはモメンタム・オシレーターであり、トレンドの強さを検出・確認し、それを視覚化できるように設計されています。この指標はプラスとマイナスの領域で変動しており、領域間を交差することによってトレンドの発生や変化の可能性を示します。プラスは買い手の支配力が強いことを意味し、マイナスは売り手の支配力が強いことを意味しています。

計算

トゥルー・ストレングス・インデックスは、いくつかの簡単な手順を踏めば計算が可能です。以下、計算式と関連する定義となります。

各定義

トゥルー・ストレングス・インデックスを計算する際には、EMAの計算方法を知っておくことが重要です。EMAの計算方法はこちらで確認できます。

  1. まずは、指標の計算のために価格変動と価格変動の絶対値を記録します。
  2. そして価格変動について期間25のEMAを計算した後に、価格変動の絶対値について期間25のEMAを計算します。
  3. 次に、トゥルー・ストレングス・インデックスの計算式に、二重に平滑化した価格変動の値、および同様に二重に平滑化した価格変動の絶対値を代入して、トゥルー・ストレングス・インデックスの値を計算する必要があります。

要点

トゥルー・ストレングス・インデックスはプラスとマイナスの間で変動しており、プラスは強気の確認、マイナスは弱気の確認を意味します。さらに、指標の値が価格から乖離した時、価格が示すトレンドがすでに弱いか、あるいはさらに弱まりを見せて、近い将来に反転する可能性を示すシグナルになる場合があります。トゥルー・ストレングス・インデックスは、1本のラインで表示されます。

着目点

トゥルー・ストレングス・インデックスは1本のラインですが、通常はシグナルラインとして期間7から12までのEMAを一緒に使用します。シグナルラインのクロスオーバーは、インデックスのラインがシグナルラインとクロスしたときに発生します。インデックスのラインがシグナルラインを下から上にクロスした場合、ロングポジションが有利である可能性を示すことになります。またインデックスのラインがシグナルラインを上から下へクロスした場合、売りまたはショートポジションが有利である可能性を示すことになります。

このインジケーターは、センターラインとのクロスオーバーによるシグナルも生成します。このシグナルは価格のモメンタムについての方向性を決定し、モメンタムが強くてプラスの値を示している場合 (インデックスのラインがゼロより上にある場合)、または弱くてマイナスの値を示している場合 (インデックスのラインがゼロより下にある場合)、トレーダーに警告を発します。またセンターラインは方向性の偏りを見極める際にも使用可能です。この場合、トレーダーはインジケーターがセンターラインよりも上にあると予測されるときはロングポジションに限ってエントリーするという判断を下すことができます。一方、インジケーターの示す値がゼロより下方になると評価した場合、トレーダーはショートポジションに限って取引するという判断を下すことができます。さらに、トゥルー・ストレングス・インデックスを使用するトレーダーは、価格のモメンタムの変化や全体的な価格変動を見極めたり判断する方法として、ブレイクアウトやダイバージェンスにも注意を払っています。

制限事項

トゥルー・ストレングス・インデックスからトレーダーに伝えられるシグナルは数多くありますが、中には偽のシグナルもあり、トレーダーのポジションに影響を及ぼすことがあります。偽のシグナルとは、多くの場合、取引シグナルの後に予想や予測とは異なる値動きをすることを指します。したがって、このインジケーターを使用する際には、他にも価格を追跡できるインジケーターを併用することが鍵になります。他の分析ツールを追加することによってトレーダーはより多くの情報と重要なデータを得ることができ、それに基づいてトレードを容易にすることが可能になります。

さらにシグナルラインのクロスオーバーも頻繁に発生しますが、さして大きな取引利益にならないケースもあります。このシグナルはトレーダーの手でフィルタリングを行う必要があり、この点については、自分のトレードタイプに即した他のインジケーターやツールなどを追加して分析を行うことが助けとなるでしょう。

ダイバージェンスについては、このインジケーターでのマッピングが難しく、信頼できないというケースもあります。ダイバージェンスが長く続くと、トレンドの反転がいつ起こるかまるで分からなくなることがあります。また、価格が明らかに反転していたとしてもダイバージェンスが常に発生するわけではありません。

サマリー

トゥルー・ストレングス・インデックスは、トレンドの強さを示すオシレーターとして考案されました。シグナルラインのクロスオーバーやダイバージェンスによってトレンドの発生や変化の可能性を示し、トレーダーにトレンドの弱さや強さを知らせます。