AIはPine Script®インジケーターを作成して公開するのに役立ちますか?

大規模言語モデル(LLM)のAIは、本物の人間とコミュニケーションしているかのようにとてもリアルですが、実際のところ、複雑な質問に対しては不十分な回答を返すことが判明しています。Pineスクリプトをモデレートしてきた数々の経験から、PineスクリプトもそうしたAIの盲点に含まれると判断しています。

1つ目の理由として、このようなAIモデルの多くは、開発時に存在していたデータのみで訓練されていることが挙げられます。そのため、AIはPineスクリプトの変更に対応するなど、後から追加された情報を扱うことができないケースがあります。この場合、AIは異なる言語バージョンの機能を使用してPineスクリプトを作成することがあり、そうしたコードは基本的に動作しません。

2つ目の理由として、AIはPineがサポートしていない言語を幻覚したり、他のより一般的なプログラミング言語の機能を利用しようとするケースが知られています。PythonやJavaScriptといった世界で最も認知されているプログラミング言語では例文コーパスがあり、AIに十分なデータを提供して、それらに対応するスクリプトを作成するにあたり十分かもしれませんが、Pineスクリプトには当てはまりません。そのため、PineではサポートされていないPythonなどの別機能でスクリプトが作成されることがあります。

3つ目の理由として、AIによって作成されたスクリプトが問題なく実行される場合でも、自分が期待する通りの動作で実行されることを確認する必要があります。もし期待する動作がPineでは実現することができない場合でも、AIはとにかく作成を試みますので、期待通りに動作しないスクリプトを作成している可能性があるからです。

最後の理由として、AIは説明を書いたり編集することに不十分であることが証明されています。AIがコミュニティに公開するのに十分で優れたコードを作成したり、ハウスルールに準拠したコードの説明を書いたりすることを期待しないようにしましょう。

上記に挙げた理由から、AIは異なる情報を生成したり、意図しない情報を公開するように導くことがありますので、残念ながらネガティブな結果を与える可能性があります。 AIが作成したPineスクリプトの投稿は、クオリティの低いコードや不十分な説明が含まれているとして、ほとんどのケースでモデレートの対象になります。