セッション出来高プロファイル (SVP)

定義

セッション出来高プロファイル (SVP) は、指定されたセッションやサブセッション内の出来高データを計算するため、トレーダーがセッションで指定した部分について、日中の出来高の動きを分析することができます。

注: 出来高プロファイルのインジケーター全体に共通する特徴については、 ヘルプセンターの記事「出来高プロファイルのインジケーター: 基本的なコンセプト」で詳細をご覧いただけます。以下の文章は、セッション出来高プロファイルについて固有の特徴を説明したものになります。

計算

セッション出来高プロファイルの計算には下記の表を使用します。これはチャート上で現在選択されている時間足に基づいて、計算対象となる下位の時間足を選択するものです: 

チャートの時間足

出来高プロファイルの計算に使用する下位足

深度比

1秒, 5秒, 10秒1秒1
15秒5秒3
30秒15秒2
1 - 4分1分1
5 - 15分1分3
16 - 30分5分3
31 - 60分10分3
61 - 120分15分4
121 - 240分30分4
241分以上60分4

出来高プロファイルがどれだけ過去に遡って描かれるかについては、以下のロジックによって計算されます:

1. 上の表から、チャートの時間足に基づいて下位足を選択します。この下位足のデータが出来高プロファイルの計算に使用されます。 

2. 購読プランのレベルに応じて計算に使用できる過去バーの本数が変わりますが、その本数の値に対して適切な深度比を掛けます。

3. この計算結果の数値が、インジケーターで使用できる下位足のバーの本数を示しています。

たとえば、Premiumプランのユーザーであれば、チャート上に一度に表示される過去バーの数に20000本という制限が設けられています。「1時間(60分)」足のチャートが開かれている場合、インジケーターは20000 * 3 (深度比) = 60000本分の10分足のバーを読み込みます。1時間(60分)足1本のバーの中には10分足バーが6本あるため、インジケーターは1時間(60分)足チャートで表示されているバーのうち、直近の10000本のバーについて出来高プロファイルを構築することになります。シンボルの過去をかなり前に遡ると下位足のバーのデータが存在しない地点もありますが、この場合はインジケーターの計算が停止されます。

注意点:

  • ヒストグラムの行数の上限は常に6,000行未満となっています。したがって、各プロファイルが100行の場合、下位足で利用可能なデータが残っていたとしても、インジケーターはこれらから60個以上のプロファイルを描画することはありません。
  • プロファイルは年始に整列されます。期間設定がそれとは別に動くように設定されている場合でも、各出来高プロファイルは年末で計算を停止して新年から新たに計算を開始します。これは異なる時間足でプロファイルを構築するときに、一貫性を保つ上で必要になる処理です。

パラメーター

セッション

時間外取引の表示をオンにしたときに、セッション出来高プロファイルをどのように構築するかを指定します。

  • All (すべて) ― All (これがデフォルトです) に設定すると、インジケーターは、プレマーケット/メインの取引セッション/アフターマーケットを1つのセッションとみなします。各取引日につき1つのプロファイルが作成され、プレマーケットの最初のローソク足からアフターマーケットの最後のローソク足まで、すべての取引が出来高に含まれることになります。
  • 個別 ― 個別 (プレマーケット、マーケット、アフターマーケット) のオプションを使用すると、取引日のセッションの各部分について、その間に行われた取引だけを考慮して個別に出来高プロファイルを構築することができます。そのシンボルがプレマーケット、メインセッション、アフターマーケットと取引時間が延長されている場合、インジケーターは各取引日について3つのプロファイルを個別に構築することになります。
  • プレマーケットのみ/マーケットのみ/アフターマーケットのみ ― このオプションを使用すると、インジケーターは指定したセッション間の取引に基づいて、1取引日につき1つだけ出来高プロファイルを構築します。これらの設定を使用するには、時間外取引があるチャートにしておく必要があります。チャートに時間外取引のデータがない場合、または時間外取引の表示がオフになっている場合、プレマーケットやアフターマーケットの出来高プロファイルの構築はできません。
  • Custom (カスタム) ― Customオプションでは、プロファイルを構築する期間の開始と終了を設定することができます。また、タイムゾーンの選択も可能です。
出来高

各行の出来高について、総出来高の表示(「合計」)、買いと売りの分割表示(「買い/売り」)、その差の表示(「デルタ」)を切り換えます。

バリューエリアの出来高

取引セッションの全出来高のうち何パーセントをバリューエリアで強調表示するかを指定します。

行のレイアウト/行のサイズ

この2つのパラメーターによって、各ヒストグラムの行数計算の方法を指定します。

「行のレイアウト」項目を「行の数」に設定した場合、「行のサイズ」ではヒストグラムの行の合計数を設定することになります。各行あたりのティック数は次の式に基づいて自動的に計算されます: 行ごとのティック数 = (ヒストグラムの上端価格 - ヒストグラムの下端価格) / 行の数 / ティックサイズ。ヒストグラムの幅によっては行ごとのティック数が上下どちらかに丸められる場合があり、行の合計数が制限の範囲内で指定した値を超えることがあります。

例としてティックサイズが0.01のシンボルと、その価格の範囲が10から11にまたがった出来高プロファイルのヒストグラム(つまりヒストグラム全体は100ティック)を考えてみましょう。「行のサイズ」を25に設定すると、1行の高さは (11 - 10) / 25 / 0.01 = 4ティックになります。その結果、ヒストグラムは25行、各行の高さは4ティックになります。

行の高さについての計算結果が浮動小数点数になった場合は「行ごとのティック」の計算結果を丸めて、行の高さが整数になるようにします。また、すべてのデータがヒストグラムに表示されるように追加で行が作成されることもあります。「行ごとのティック」の計算で出てきた端数の切り上げ/切り下げについては、どちらが「行のサイズ」の入力値に近いかによって決まり、その結果によって表示される行の合計数が決定されます。

たとえば、上記のケースで「行のサイズ」の入力値を30に変更した場合、最初に計算される行の高さは、各行ともに (11 - 10) / 30 / 0.01 = 3.333ティックとなります。

この数値を最も近い整数である3に丸めると、ヒストグラムの各行は1行につき3ティックで表されることになります。その結果、最初の30行はヒストグラム全体が占める100ティックのうち、30 * 3 = 90ティックを占めることになります。このとき10ティックが残ることになりますが、この場合には追加で4行が作成されます。そのうち最初の3行は3ティック分で構成され、最後の1行は1ティック分になります。この操作によって結果的に行の合計数が34まで増加することになります。

もし上記のかわりに行の高さの値が切り上げられた場合、ヒストグラムの各行の高さは4ティックになります。この場合、100ティックはそのすべてが25行に収まって余りはありません。しかし、上記の34行の方が「行のサイズ」でリクエストされた30に近いので、行の高さとしては上記の3ティックが使用されることになります。

このパラメーターが「行ごとのティック」に設定されている場合、行のサイズは各行のティック数を意味することになります(1ティックとは、シンボル価格が動ける最小範囲を指します。たとえば、NASDAQ:AAPLではどんなに少なくても価格は0.01 USD、つまり1セントは動くことになるので、1ティックは0.01ということになります)。設定例: 25に設定すると、各行が25ティックの高さを持つことになります。この場合、行数は自動的に計算されます。出来高プロファイルのヒストグラムが200から300の価格の間にまたがって表示されているとすると、ティックサイズが0.01のシンボルの場合、ヒストグラムの行数は(300 - 200)/ 0.01 / 25 = 400行になります。

POCを右に延長

POC(ポイントオブコントロール)のラインを、バーが未表示の領域にも延長します。

VAHを右に延長

VAH(バリューエリアハイ)のラインを、バーが未表示の領域にも延長します。

VALを右に延長

VAL(バリューエリアロー)のラインを、バーが未表示の領域にも延長します。