TradingViewで利用可能なチャートタイプ

TradingViewスーパーチャートには20種類以上のチャートタイプがあります ― 古典的な折れ線やローソク足から、タイム・プライス・オポチュニティ (TPO) やセッション出来高プロファイル (SVP) のようにインジケーターを組み込んだ高度なオプションまで、さまざまなタイプを備えています。

どのチャートタイプでもご自身の戦略に合うようにカスタマイズや調整ができます。この記事では、各々のチャートが持つ機能に光を当て、様々なトレードスタイルでの使用例をご紹介します。

目次:

チャートタイプとその読み方

チャートタイプはテクニカル分析の視覚化ツールで、価格・時間・取引量をはじめ、時間経過とともに変化するボラティリティなど様々な情報を表示するために使用されます。チャートは資産のパフォーマンスを調べる上で要となる手法であり、チャートを研究・作成する人は「チャーティスト (chartist)」と呼ばれます。

「株価チャート」、「為替相場チャート」、「原油価格チャート」といった言葉をよく耳にしますが、これら「チャート」という用語はすべてテクニカル分析のチャートを指し、互いに同じ意味で使われています。

実際に取引できる資産をはじめ、様々な金融データを調査するための視覚化アプローチとして、チャートには2つの軸 ― 縦軸は価格、横軸は時間 ― が使われています。チャートに示されたラインや数字は上下に変動しますが、時間の経過とともに常に右へと動いていく仕組みになっています。というのも、私たち人間は時間を直線的に知覚する性質があるからです。しかし、価格をベースにしたチャートの中には時間を基準にせず、価格だけに依存するものもあります。

ラインやバーなどの視覚的要素をプロットする方法はチャートタイプによって異なります。しかし、どのチャートタイプでも、その資産を取り扱う取引所から得られるデータの内容はまったく同じです。

たとえば、誰かがエヌビディアの株価を話題にしているとしたら、それは通常NASDAQ(ナスダック証券取引所)での価格を指していることになります ― なぜなら、エヌビディアの株式の一次上場先がNASDAQだからです。

しかし、同一企業の株式でも — あるいは、暗号資産やFXなどの資産は — 複数の取引所で同時に取引されている場合があります。トレード時に誤ったデータを使うことがないよう、この点にも十分留意してください。

たとえば、KrakenとCoinbaseの2つのデータでビットコインのチャートを開き、各々に同一のチャートタイプを適用したとしてもチャートの表示は異なります。これはチャートタイプに反映されるデータは取引所固有のものだからです。KrakenのトレーダーとCoinbaseのトレーダーではそれぞれ異なる注文を行うため、結果として表示される価格にも相違が生じます。

チャートタイプの違いをよく理解するために、次のセクションでは様々なチャートタイプを適用する方法を見てみましょう。ご自身のテクニカル分析がさらに強化されるはずです。

TradingViewチャートタイプ

チャートタイプが変わると、それによって可能な分析のタイプも変わってきます。チャートタイプはそれぞれ、視覚化の方法、計算の根拠、使用目的によって分類できます。

時間ベース/価格ベースのチャート

先述したとおり、チャートには時間ベースのものもあれば価格ベースのものもあります。これはチャートの構成要素(ラインやバー)を新たに表示する際に何をトリガーにするかによって区別されます。

時間ベースのチャート: チャートの構成要素を新たに表示する基準として時間を使います。時間は横軸に沿って直線的に表示されます。各要素はチャート全体で一貫して等しい時間単位を表しています。

たとえば、下記の4時間足チャートでは各バーは4時間の取引を表しています。バーの上にカーソルを移動させると、そのバーの開始時間が表示されます。この4時間で発生したすべての取引活動がそのバーに含まれています。

価格ベースのチャート: 時間を考慮せず、指定した大きさの価格変動が発生したときに限り、チャートの構成要素を新たに表示します。

たとえば、カギ足チャートでは、上昇/下降の動きが続く間は縦線と横線が描画されます。下に示したスクリーンショットを見ると、チャートのグリッド線どうしの間隔が同じでも、ある区間では6日間、別の区間では3日間であることがわかります。6日間で価格の反転が不十分だったので、チャート上に新しいカギ線が描かれなかったことがその理由となっています。

価格ベースのチャートは「時間的ノイズをフィルターするのに役立つ」とよく言われます。しかし、これが常に正しいとは言い切れません ― トレード戦略の中には、時間に依存しながらそれをノイズと見なさないものもあるからです。

TradingViewで利用できる価格ベースのチャートタイプには以下のものがあります:

古典的なチャートタイプ

ラインチャートバーチャートローソク足チャートはかなり普及したチャートタイプであり、いずれもシンプルでありながら網羅的な情報を与えてくれるという特徴も備えています。これらはしばしば「古典的な」チャートタイプと呼ばれます。

その理由として、まず第一にこれらにはきわめて長い歴史があり、真のトレードの古典と言えるからです。

第二に、ほとんどのトレーダーにとって身近な存在であり、一般的にテクニカル分析を学ぶ出発点にもなるからです。そして ― 特にローソク足については ― トレード判断をサポートするにはこれだけで十分とも言えるでしょう。

TradingViewのラインチャートには以下のように様々なバリエーションがあります:

バーを用いたものには次のようなものがあります:

日本由来のローソク足には次のようなものがあります:

インジケータベースのチャートタイプ

チャート分析の経験を積んでいくと、インジケーターよりもチャートタイプにより多くの情報が含まれていることに気がつくかもしれません。

これは特にインジケーターを内蔵したチャートタイプに当てはまります。 

インジケーターには一般に以下2つの形式があります:

  • オシレーター: チャート画面の下または上に別のペインで表示されます。
  • オーバーレイ: チャート上にバー/ローソク足/ラインとともに直接プロットされます。

下に示したスクリーンショットをご覧ください。画面分割したレイアウトの上下に、2つのローソク足チャートが表示されています。

上段のチャートはローソク足を使用して、オーバーレイとして「出来高」インジケーターを、オシレーターとして「出来高デルタ」を表示しています。

ローソク足は選択した時間足(この場合は1時間)の高値/安値/始値/終値を表示します。

「出来高」インジケーターは総出来高を単位で表示します。ここではマイクロソフト株について、その数値が表示されています。

「出来高デルタ」インジケーターは、買いと売りの出来高の差を反映するものです。デルタの値が正であれば、買い手が売り手よりも強いことを示しており、逆も同様です。

下段は出来高フットプリントチャートです。同じくローソク足、総出来高、出来高デルタが表示されますが、各1時間足のローソク足内の異なる価格水準での売り/買い出来高の分布も視覚化されています。

1つのチャートで2つのインジケーターを使うよりも、こちらの方が1つのチャートでより多くの情報を表示することができます。

TradingViewではこのような機能があるチャートタイプとして以下のものを用意しています:

SVPチャートとTPOチャートは、インジケーターとしてもチャートタイプとしても利用できます。

棒グラフチャートタイプ

テクニカル分析とファンダメンタル分析は一般的に同時に行われるものです。これらの指標はグローバル市場や各国経済の健全性を評価するのに役立ちます。

棒グラフチャートでは、GDP/金利/インフレ率などの経済指標が緑と赤の連続した棒グラフして表示され、マクロ経済のトレンドや変化を簡単に見極めることができます。

棒グラフチャートの用途は経済指標のチャートに限定されるものでなく、使い方は自由です。データをどのように視覚化するか、他のチャートタイプと比較して最適なものを見つけてください。

おわりに

TradingViewでは財務分析を確実に行うためのツールを幅広く提供しています。トレードの世界に足を踏み入れたばかりの方にとって、各チャートタイプはその世界への入り口となることでしょう。

チャートタイプはそれぞれがユニークで互いに補完し合うものです。どんな決断を下すか、その答えを探求する際に力になるでしょう。

テクニカル分析をマスターするには、チャートタイプとTradingViewインジケーターを組み合わせながら、 TradingViewレイアウトを最大限に活用する方法を学びましょう。

テクニカル/ファンダメンタル分析の両方を学びつつ、スーパーチャートについて必要な知識を得ることで自信をつけましょう。トレードや投資の質が向上するはずです。

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