オプションのグリーク: シータ

シータは、オプション価格が1日でどう変化するかを示しており、言い換えると、満期日へと向かうにしたがって、そのタイムディケイ(時間的価値の減衰)の影響がオプション価格にどれだけ影響するかを示すものです。

「タイムディケイ(時間的価値の減衰)」とは何ですか?また、どうしてそのようなことが起こるのですか?

満期日が近づくにつれて、オプションの買い手にとってその原資産が有利な方向に動く時間はどんどん短く限られたものになっていきます(もしオプションがかなりのディープ・イン・ザ・マネーの状態になっていれば、これは有利な動きになります)。次のような例を考えてみましょう。ある市場に権利行使価格が同じで、満期日が異なる2つのオプションがあるとします。そして、どちらのオプションも同じ価格で取引されているとします。この2つのオプションはそれぞれ、3日後に満期を迎えるものと1カ月後に満期を迎えるものになっています。さて、あなたはどちらを選びますか?買い手の立場からすれば、イン・ザ・マネーになりそうなオプションの方が望ましいということになります。原資産がそうした期待に見合った値動きをしそうだということであれば、ここで選ばれるのは満期日が遠いオプションということになります。

こうしたこともあって、現実の世界ではこれら2つのオプションが同じ価格で取引される可能性は低くなります。オプションの売り手としては、そのオプションの値動きが自分にとって不利、買い手にとって有利になった時にも保険をかけておきたいので、オプションに大きなプレミアムをつけるということになるからです。

アウト・オブ・ザ・マネーとイン・ザ・マネーのオプションはほぼ直線的に減衰していきますが、アット・ザ・マネーのオプションでは同じく減衰はするものの満期が近づくにつれてその勢いが増します。