オプションのグリーク: ロー
ローとは、金利変動に対するオプション価格の感応度を測るグリーク指標です。リスクフリーの金利が1%変化したときに、オプション価格がどの程度上昇または下降するかという感応度を示すものです。
ローには次のような性質があります:
- コールオプションでは一般的にローの値は正であり、金利上昇とともに価格の上昇が見込まれていることを意味しています。
- プットオプションでは通常ローの値は負であり、金利上昇とともに価格の下落が見込まれていることを意味しています。
- ローがオプション価格に与える影響は、短期オプションよりも長期オプションの方が大きくなる傾向があります。満期までの期間が長いほど、金利変動から影響を受ける可能性が大きいためです。
オプション取引でのローの使い方:
- 金利の上昇が予測される場合は、コールオプションの買いを検討することができます。コールオプションは金利上昇の恩恵を受けやすいからです。
- 逆に、金利の低下が予想される場合は、プットオプションの買いが有利になるケースがあります。プットオプションは通常、金利低下から恩恵を受けるからです。
他のグリーク指標が主として直近の市場価格に近いオプションに影響を及ぼすのに対して、ローの影響力が大きくなるのは、オプションがディープ・イン・ザ・マネーまたはファー・アウト・オブ・ザ・マネーの状態にあるときです。ローは、オプション取引に関連するリスクの中でも重要度が最も低いものです。通常、金利がオプション価格に与える影響はごくわずかであり、ほとんどの場合、トレーダーもこれを無視しているという事情があります。