TradingViewスクリーナー入門ガイド
スクリーナーは、特定の資産タイプ内で複数の資産から機会を見つけ出すための金融分析ツールです。異なる資産タイプにはそれぞれ異なる分析アプローチが必要なため、各スクリーナーは特定の資産タイプに特化しています。すべてのスクリーナーの機能は類似していますので、ここでは例として株式スクリーナーを使用して解説します。
目次:
TradingViewのスクリーナーとは
スクリーナーは、市場の全体像の把握から詳細分析まで、さまざまな用途に利用できます。簡単に言えば、スクリーナーは条件に合致する資産を見つけ出すフィルターです。スクリーニングの結果はテーブルやチャートとして表示でき、追加のフィルターを加えたり、新しいカラムを設定したり、分析アプローチに合わせてツールを再構成できます。
TradingViewのすべてのツールはシームレスに統合されており、それぞれをマスターすることで金融分析能力が向上します。スクリーナーはファンダメンタル分析とテクニカル分析のツールとして、割安な銘柄、信頼性の高いETF、堅実な債券、将来性のある暗号資産などを見つけ出す手助けをします。
他のスクリーナーとは異なり、Pineスクリーナーは、独自のプログラミング言語 Pine Script® で構築したカスタムインジケーターを使用して資産をスキャンできます。また、広く使われているインジケーターを追加し、カスタマイズして一致するシンボルを見つけることも可能です。
スクリーナーはシンプルに設計されており、経験豊富なトレーダーでも初心者でも、現在の市場状況を理解するのに役立ちます。すべてのスクリーナーは基本的に同じように動作し、フィルターに若干違いがあるだけです。これは、各資産タイプが独自のアプローチを必要とするためです。
! 注: 以下に記載する株式スクリーナーの設定は、Pineスクリーナーを除く、他のスクリーナーにも適用されます。スクリーナーにアクセスする方法
TradingViewでは同じ手順で以下のスクリーナーにアクセスできます:
TradingViewプラットフォーム内のどのページからでも、上部の「プロダクト」のドロップダウンを開いて、「スクリーナー」を選択できます。そこから必要なものを選んでください。

もう一つの方法は、右側のツールバーから開く方法です。どのページからでも(スーパーチャートを利用している時やトレードアイデアを閲覧している時でも)スクリーナーにアクセス可能です。

どちらの方法でも、同じ機能を持つスクリーナーにアクセスできます — 好みのものを選んでフィルターをかけ、スキャンし、興味のある資産をピックアップすることができます。
スクリーナーの設定方法
各スクリーナーは、分析をカスタマイズするための5つの主要コンポーネントで構成されています:
- スクリーナーの選択メニュー
- スクリーンメニュー
- 上部フィルターパネル
- テーブル
- 設定
スクリーナーの選択メニュー
簡単な操作で、分析に使用するスクリーナーを切り替えることが可能です。

スクリーンメニュー
スクリーン名をクリックするとドロップダウンメニューが開きます:
- スクリーンを保存: 独自のテンプレートを保存して活用
- コピーの作成: スクリーンの複製を作成
- 名前の変更: スクリーン名を変更
- スキャン結果のエクスポート: スクリーナーのデータをCSVファイルにエクスポート
- 新規スクリーンの作成: 新たな分析のため、空のスクリーンを開く
- 最近使用したもの: 直近5つの使用済みスクリーンを表示
- スクリーンを開く: 保存したスクリーンや人気のスクリーンを開く — 人気のスクリーンをチェックし、関連する資産グループに類似のフィルターを活用できます

上部フィルターパネル
スクリーナーの上部に位置しています。以下のカスタマイズが可能です:
- フィルターの追加: 銘柄情報、市場データ、テクニカルなど、さまざまなフィルタータイプを選択
- フィルターの削除: フィルターを減らしたい場合に条件を簡素化
- フィルター値の設定: 一般的なトレードシグナルを選択するか、「手動で設定」をクリックしてカスタムフィルターを作成
- パネルの非表示: 右上隅の矢印をクリック
一番左に現在の市場が表示され、選択した地域の資産が表示されます。
! 注: 市場選択の機能は株式スクリーナーとETFスクリーナーでのみご利用可能です。テーブル
フィルターパネルの下に、条件に合致した資産と主要な統計が表示されます。カスタマイズすることで必要なデータだけをスクリーナーのテーブルに表示できます。
例えば、パフォーマンス、リスク、クーポンなどの特定の視点から資産を見るための既存のカラムセットを選択したり、独自のカラムセットを作成してカラムを管理できます。
プラス記号をクリックすることでカラムを追加でき、列をクリックしてテーブルをソートできます。また右クリックでコンテキストメニューを開くと以下の操作が可能です:
- カラムのカスタマイズ
- ソートの種類の選択
- カラムを左右に移動
- カラムの削除
テーブルの左上隅にはチャートビューの機能があり、データをテーブルの行ではなく、チャートのグリッドとして表示し、より視覚的にデータを解釈することができます。チャートタイプの選択、期間の設定、グリッドレイアウトの調整が可能です。
設定
スクリーナーの設定には、スキャンした結果を管理するためのいくつかの機能が含まれています:
- テーブルビューの設定: シンボルのロゴ、シンボルの詳細、通貨の表示のオン/オフ
- チャートビューの設定: シンボルの詳細の表示を切り替え
- 自動更新: テーブルの更新頻度を設定 — 10秒ごと、1分ごと、自動更新なし
- 財務通貨: データを表示する通貨を選択
! 注: 財務通貨の設定は株式スクリーナーとETFスクリーナーのみご利用可能です。スクリーナーと他のTradingViewツール
スクリーナーはトレードの出発点として活用することができ、トレード戦略に合わせて何千もの資産をフィルタリングすることができます。フィルターを調整し、条件に合致したシンボルのリストを表示し、それらをウォッチリストに追加して、TradingViewの幅広い分析ツールでさらに詳細に分析することができます。
様々な時間足の価格チャートを確認し、テクニカルインジケーターを適用して、重要な価格水準に価格アラートを設定するといったことができます。
さらに、選択した資産のニュースフィードにアクセスしたり、財務データをチェックしたり、チャンスが来た時はプラットフォームに統合されたブローカーで取引を行うといったことも可能です。
まとめ
TradingViewのスクリーナーは、幅広い資産クラスでフィルタリングや分析をサポートするツールです。初心者からプロフェッショナルの方まで、カスタマイズした条件に合致する銘柄を見つけることができます。使いやすいインターフェースで、フィルターやカラム管理、データ表示を組み合わせています。
テンプレートの保存やデータのエクスポート、チャート/テーブルビューの切り替えなど、多様なワークフローに適応し、自分に合った使い方ができます。自動更新の設定、通貨サポート、他のツールとの連携なども可能です。データに基づく意思決定をサポートし、金融分析に厚みを加えます。
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