弁済順位 (Seniority rank)

弁済順位とは、企業が清算または倒産した際にどのような社債から優先して返済が行われるかを示す順位のことです。債券保有者が企業の資産から返済を受ける順番をもとに、担保付シニア／無担保シニア／劣後／ジュニアなどの優先順位に分類されます。優先順位が最も高いのはシニア担保付の社債で、通常は特定の担保による裏付けがあります。その一方で優先順位が低いのはジュニア債で、清算時にはシニア債の後に返済されます。

シニア担保付社債などの弁済順位が高い債券は、デフォルトが発生した場合でも返済される可能性が高いためリスクが小さいと考えられています。一方、弁済順位が低い債券は優先順位が低いことから返済のリスクが増加するので、それを補うために高い利回りが提示されていることがあります。債券の弁済順位を理解することによってその債券の信用リスクを評価することができ、またリスク許容度や投資目的に基づいて意思決定を行う際にも役に立つ情報になります。

ジュニア

ジュニア債は資本構成の中で最下位に位置しており、倒産や清算の際の弁済順位が最も低くなっています。高いリスクを伴いますが、そのリスク増加の見返りとして高いリターンが提供される場合があります。

ジュニア優先

ジュニア優先債は優先株の一種ですが、配当金の支払いや清算金の優先順位についてはシニア優先株よりも下に位置しています。

ジュニア劣後

ジュニア劣後債は、デフォルトが発生した場合に他に優先される債務よりも下位に位置する債券です。返済の優先順位が低いため、リスクの高い投資とみなされています。

メザニン

メザニン債は資本構成においてシニア債と株式の中間に位置するものです。資金調達のタイプとしては負債と資本の両面の特徴を備えたものであり、通常はリスクが大きくなるために高い金利が適用されます。

シニア

シニア債はデフォルトや清算の場合に最優先で返済される債券です。ジュニア債に比べて安全な投資と考えられており、一般的に低い金利が適用されます。

シニア条件付

シニア条件付の社債は他の債務よりも優先順位が高いものの、返済の際に一定の条件を満たす必要がある債券です。

シニア非優先

シニア非優先債は劣後債よりも上位ですが、資本構成においては従来のシニア債より下位に位置するものです。

シニア優先

シニア優先債は普通株式よりも返済の優先順位が高いものの、デフォルト時に優先される債務よりも下位に位置するものです。

シニア劣後

シニア劣後債は資本構成において伝統的なシニア債よりも下位に位置しますが、ジュニア債よりも上位に位置する債券です。

劣後

劣後債はシニア債の下位に位置し、デフォルトの場合の返済優先順位が低い債券です。返済の優先度が低いため、それだけリスクの高い投資とみなされています。

非開示

弁済順位が開示されておらず、その債券の文書にも明記されていないケースを指します。

関連なし

弁済順位の概念が該当しない債券を指します。

その他

以上に記載した弁済順位でカバーしていないカテゴリーに属する債券を指します。