設備投資成長率 (Capital expenditures growth %)
設備投資成長率とは、企業の設備投資額が一定期間でどれだけ変化したかを割合で測る指標です。設備投資とは、工場設備などの有形固定資産およびソフトウェアや知的財産のような無形資産を取得・更新・維持するのに企業が費やした金額を指します。
この指標を計算する際に利用される期間は様々で、次のようなものがあります:
- 前年度比 (Annual YoY) : 直近の2年を比較した時の設備投資成長率(例: 2023年と2022年)
- 前年同四半期比 (Quarterly YoY) : 直近四半期(例: 2024年第2四半期)と前年同四半期(例: 2023年第2四半期)を比較した時の設備投資成長率
- 直近12ヶ月前年比 (TTM YoY) : 直近における過去12ヶ月間(例: 2024年の第2四半期終了時からの過去12ヶ月間)とそこからさらに12ヶ月遡った期間(例: 2023年の第2四半期終了時からの過去12ヶ月間)を比較した時の設備投資成長率
- 前四半期比 (Quarterly QoQ) : 直近の2四半期(例: 2024年第2四半期と2024年第1四半期)を比較した時の設備投資成長率
設備投資成長率を把握しておくことは、企業の戦略が持つ方向性と財務の健全さを分析する上できわめて重要です。設備投資が一貫して増加している場合、その企業が将来に向けて収益の成長につながる事業拡大を行っていたり、新しい技術に投資していることが示唆されます。逆に、設備投資が減少している場合は、その企業がコスト削減の施策を実行するなどで成長のチャンスを欠いていることを示している場合があります。企業の全体的な業績や将来のリターンの可能性を予測する際に、この設備投資成長率が他の財務指標とともに分析の対象になることがしばしばあります。