EBITDA純有利子負債倍率 (Net debt to EBITDA)
EBITDA純有利子負債倍率(EBITDAに対する純負債の比率)とは、企業の債務返済能力を測る財務比率であり、EBITDA(支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益)を使ってその値を算出します。この比率によって、企業のレバレッジや債務返済能力についての分析を深めることができます。
EBITDA純有利子負債倍率 = 純負債 / EBITDA
四半期ごとに値を算出する場合には、分母に直近12ヵ月 (TTM) のEBITDAの値を使って過去1年間の企業収益全体という視点からこの値を評価します。
ただし、EBITDAの値がマイナスの場合、「EBITDA純有利子負債倍率」の計算ができないので注意が必要です。EBITDAがマイナスだと、その企業に利息・税金・減価償却費をカバーするだけの収益がないことになるので、この比率を使って企業の債務返済能力を評価するのが難しくなるからです。
「EBITDA純有利子負債倍率」を使うと財務の健全性や負債の水準をはじめ、その企業の負債管理能力を評価することができます。この比率が低ければ利益に対して負債が少なめであることが示され、財務体質が強固であることが示唆されます。一方で、この比率が高ければレバレッジも高めであることが示され、財務的なリスクが潜んでいる可能性が示唆されます。