希薄化EPS成長率 (EPS diluted growth %)

希薄化EPS成長率とは、ある特定の期間で希薄化EPS (希薄化後1株当たり利益) がどれだけ変化したかを割合を用いて測定する財務指標です。希薄化EPSは、株式に変わることによってEPS (1株当たり利益)を押し下げる可能性をもつ転換証券類をすべて考慮に入れた指標になっています。

この指標を計算する際に利用される期間は様々で、次のようなものがあります:

  • 前年度比 (Annual YoY) : 直近の2年間で希薄化EPSの変化率を比較(例: 2023年と2022年)
  • 前年同四半期比 (Quarterly YoY) : 直近四半期(例: 2024年第2四半期)と前年同四半期(例: 2023年第2四半期)で希薄化EPSの変化率を比較
  • 直近12ヶ月前年比 (TTM YoY) : 直近における過去12ヶ月間(例: 2024年の第2四半期終了時からの過去12ヶ月間)とそこからさらに12ヶ月遡った期間(例: 2023年の第2四半期終了時からの過去12ヶ月間)で希薄化EPSの変化率を比較
  • 前四半期比 (Quarterly QoQ) : 直近の2四半期(例: 2024年第2四半期と2024年第1四半期)で希薄化EPSの変化率を比較

希薄化EPS成長率は、1株当たりをベースにした企業の収益性と企業が株主への利益を生み出す能力を評価するのに役立ちます。この指標によって、希薄化後の1株当たりに対して配当などに利用できる利益の増減という点から企業のパフォーマンスが示されることになります。前期と比べて成長率がプラスであれば希薄化EPSの増加が、成長率がマイナスであれば希薄化EPSの減少が示唆されます。