セッション出来高プロファイル (SVP) チャートとは

目次

SVPチャートとは

セッション出来高プロファイル (SVP) は、設定で指定した時間や様々な取引時間の区別に応じて出来高のヒストグラムを表示するチャートです。取引時間別に出来高データが算出されるので、その中から一定の部分を取り出して日中の出来高の動きを分析することができます。

SVPチャートを使う理由

セッション出来高プロファイル (SVP) チャートは、伝統的なローソク足やバーチャートとは異なる視点から市場の様子を描き出します。各取引セッションが垂直方向に展開される出来高プロファイルとして可視化されるため、取引活動が最も活発だったのはどの価格帯だったかを簡単に確認できます。こうして、特定のセッションの価格帯の中で出来高がどのように分布していたかが浮き彫りにされます。

このチャートタイプを選択するトレーダーも多く、その理由は視覚的な混乱を排除して分析を簡素化できるからです。ローソク足にいくつもインジケーターを重ねて表示するかわりに、市場の均衡(バランス)と不均衡(インバランス)にフォーカスすることができます。とりわけ、出来高をもとにした戦略を採用するトレーダーに有用で、資産価値の変動やセッションごとの市場センチメントの変化を追跡することができます。

このような一般的な概念のほかにも、SVPチャートタイプにはその形状から出来高の動向について示唆が得られるという特徴があります。たとえば、D字型のプロファイルはバランスの取れたセッションを示唆し、P字型やB字型はトレンドの形成を示唆している場合があります。 

チャートタイプの有効化

スーパーチャートにアクセスしたら、画面上部のツールバーからチャートタイプ(バーのスタイル)メニューを開いて「SVP (セッション出来高プロファイル)」を選択します。

設定

SVPチャートを調整するには、画面上部のツールバーから「設定」を選択して「シンボル」タブに移動します。

出来高プロファイル

「出来高プロファイル」のセクションでは、ヒストグラムの列に出来高の値を表示させたり、列の幅やヒストグラムの色を調整することができます。

  • 値: チャートの左側に表示される値の表示/非表示を切り替え、色を設定します。
  • 横幅: ヒストグラムの列の幅を変更します。
  • 配置: バーの位置を取引時間のエリアの左右で反転させます。
  • 買い(上昇)の出来高: 買い(上昇)の出来高の色と不透明度を指定します。
  • 売り(下降)の出来高: 売り(下降)の出来高の色と不透明度を指定します。
  • バリューエリアの買い: バリューエリア内の買いの出来高の色と不透明度を指定します。
  • バリューエリアの売り: バリューエリア内の売りの出来高の色と不透明度を指定します。
  • ヒストグラムボックス: 出来高プロファイルの表示領域の背景色と不透明度を指定します。

ライン

「ライン」のセクションでは、POC (ポイントオブコントロール)、VAH (バリューエリアハイ)、VAL (バリューエリアロー)、POCの推移、VAのラインを表示させることができます。

  • VAH: バリューエリアハイの表示/非表示を切り替えます。
    • VAHを右に延長: バーと交差するまでバリューエリアハイのラインを延長します。
  • VAL: バリューエリアローの表示/非表示を切り替えます。
    • VALを右に延長: バーと交差するまでバリューエリアローのラインを延長します
  • POC: POC(ポイントオブコントロール)の表示/非表示を切り替えます。
    • POCを右に延長: バーと交差するまでPOCのラインを延長します。
  • POCの推移: POCの取引時間中の変化を示すもので、この項目の表示/非表示を切り替えます。
  • VAの推移: VAの取引時間中の変化を示すもので、この項目の表示/非表示を切り替えます。

パラメーター

「パラメーター」のセクションで計算対象にするセッションを設定すると、それに応じて、ラインやレベルの配置が調整され、出来高の値が表示されます。

  • セッション: セッション出来高プロファイルのチャート作成方法を決定します。
    • すべて: すべて (これがデフォルトです) に設定すると、インジケーターは、プレマーケット/メインの取引セッション/アフターマーケットを1つのセッションとみなします。各取引日につき1つのプロファイルが作成され、プレマーケットの最初のローソク足からアフターマーケットの最後のローソク足まで、すべての取引が出来高に含まれることになります。
    • 個別: 個別 (プレマーケット、マーケット、アフターマーケット) のオプションを使用すると、取引日のセッションの各部分について、その間に行われた取引だけを考慮して個別に出来高プロファイルを構築することができます。そのシンボルがプレマーケット、メインセッション、アフターマーケットと取引時間が延長されている場合、インジケーターは各取引日について3つのプロファイルを個別に構築することになります。
    • プレマーケットのみ/マーケットのみ/アフターマーケットのみ: このオプションを使用すると、インジケーターは指定したセッション間の取引に基づいて、1取引日につき1つだけ出来高プロファイルを構築します。
    • カスタム: カスタムオプションでは、プロファイルを構築する期間の開始と終了を設定することができます。また、タイムゾーンの選択も可能です。
  • 出来高: 各行の出来高について、総出来高の表示(「合計」)、買いと売りの分割表示(「買い/売り」)、その差の表示(「デルタ」)を切り換えます。
  • バリューエリアの出来高: 取引セッションの全出来高のうち何パーセントをバリューエリアで強調表示するかを指定します。
  • 行のレイアウト/行のサイズ: 各ヒストグラムの行数の計算方法を指定します。

各値の計算方法については、「セッション出来高プロファイル」のインジケーターに関する記事に詳しい説明があります。

まとめ

セッション出来高プロファイル (SVP) は特定の取引セッションについて、その出来高のヒストグラムを表示して、様々な価格水準の中で最も取引活動が多かった水準を示します。このチャートを使うと、そのセッションの間でどの価格が最も売買の関心を集めたかが水平方向の棒グラフで明らかになります。

SVPは最高出来高を記録したポイントオブコントロール(POC)やバリューエリアハイ/ロー(VAH/VAL)の境界線など、重要な価格水準を強調表示します。取引日全体や個別セッション(プレマーケット、マーケット、アフターマーケット)の分析が可能で、実際の出来高分布に基づいて市場によって受け入れられた価格範囲を特定したり、サポート/レジスタンスゾーンを見極めることができます。

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