CEXスクリーナー : 中央集権型取引所の暗号資産ペアを見る
世界のあらゆる場所に暗号資産を取引できる取引所が数多く存在しています。そして、その取引所ごとに様々な取引機会が提供されています。CEXスクリーナーを使うと、お気に入りの暗号コインを取引するのにベストな取引所が見つかります。また、数万種類にもおよぶ暗号資産ペアをひとつに集め、ニーズに合わせてソートやフィルタリングを行って比較することもできます。
目次:
CEXスクリーナーとは
暗号資産自体はすでに数千種類も存在しています。その多くは「ベース通貨/クォート通貨 (例: BTC/USDT) 」と表される取引ペアで複数の取引所をまたがって取引されており、その数も数千にのぼります。これらのペアには、暗号資産同士 (例: BTC/ETH) のペアもあれば、暗号資産と法定通貨 (例:BTC/USD) のペアもあります。取引所によって市況が異なるため、同じペアでも価格・取引量・スプレッドが異なる場合があります。
CEXスクリーナーは複数の取引所で暗号資産ペアの取引に関する値を比較するのに役立ちます。これは裁定取引(アービトラージ)を行う場合や、取引所での取り扱いが少ない特殊なコインを探している場合にも役立ちます。
このツールを使うと、取引ペアを基本属性 (取引所、ベース/クォート、シンボルタイプ)、市場データ (例えば、価格や24時間出来高)、テクニカル指標でスキャンして比較できます。
CEXスクリーナーとDEXスクリーナーの比較
CEXスクリーナーとDEXスクリーナーの主な違いは、スキャン対象が中央集権型取引所 (CEX) か分散型取引所 (DEX) かという点です。どちらのタイプの取引所にもメリットとデメリットがあり、それによって利用するトレーダーも変わってきますが、これらのスクリーナーは様々なトレーダーのニーズも満たすように設計されています。
CEXとDEXでは、規制の構造と運用アプローチに違いがあります。また、両者が持つ投資目標も異なっています:
- CEXは、高い流動性、高度な取引ツール、そしてより迅速な約定を提供できる点で優れています。アクティブなトレーダーにとっては良い選択肢になるでしょう。
- DEXでは、セルフカストディ(自分自身で秘密鍵等の管理を行うこと)が必要になりますが、無制限のアクセスが可能で、特に新興トークンに対して早期にアクセスできます。プライバシーや自分で資産管理を行うことを重視するなら、分散型取引所の方が適しているかもしれません。
中央集権型取引所 (CEX) の方が厳格な規制の下で運営されており、受け入れ可能な資金、利用可能なコイン、出金ポリシー、地理的アクセスなどについて具体的なルールが定められています。こうした規制の枠組みには、いくつかのメリットがあります:
- 高い流動性
- 狭いスプレッド
- 迅速な約定
- カスタマーサポート
- P2P取引の際に特に重要なKYCプロセス
また、CEXでは新規コインの上場においてより厳格な基準を設けているため、怪しいパンプ&ダンプのような詐欺から保護されます。しかし、暗号資産市場は基本的に変動が激しく、アクセスのしやすさも向上しているため、やはり注意が必要です。
分散型取引所 (DEX) では規制上の制約が少ないため、保護という点で劣るというトレードオフが生じます。また、CEXと比較して流動性が低くスプレッドが広くなる傾向があります。しかし、その代わりに以下のようなメリットがあります:
- 幅広いトークンへのアクセス
- 高い匿名性の維持と管理者の許可不要(パーミッションレス)な自由参加の取引
- セルフカストディによる資産の自己管理
暗号資産の多くは最初はDEXで取引されますが、最終的にはCEXに上場されます。トークンがCEXに上場すると、注目されやすくなり流動性も増すため、多くのユーザーがアクセスして価格が上昇するケースも多くあります。
スクリーナーについてですが、ご自身の取引ニーズによってどちらを選ぶかは違いがあります。トレードや投資は直感だけではうまくいかないケースも多くあるので、それぞれを使い分けたり、2つを並行して使用するなど、いろいろと試してみましょう。
いずれのスクリーナーもそれぞれ独自の指標を追跡しており、様々な取引スタイルや投資スタイルに対応しています。基準を厳選しているのでそれに基づいて適切な資産を見つけられます。
CEXスクリーナーへのアクセス方法
メインページ上部の「プロダクト」にマウスを合わせるとドロップダウンメニューが表示されるので、「スクリーナー」から「CEXペア」をクリックします。

スーパーチャートからもアクセスできます。右側のツールバーで「プロダクト」→「スクリーナー」をクリックします。画面左上のスクリーナー名が表示されている場所をクリックするとドロップダウンメニューが表示されるので「CEXスクリーナー」を選択します。

どちらの操作でも同一の機能を持った同じスクリーナーが起動します。お好みの操作方法をお選びください。スクリーナーを表示させたらスキャンやフィルタリングを行って、一番興味を惹かれるペアをピックアップしてみましょう。
CEXスクリーナーの使い方
スクリーナーを開くと、主要な中央集権型取引所で取引されている暗号資産ペアが表示されます。これらすべてをTradingViewで分析できます。ここではプラットフォーム上のあらゆる暗号資産について、過去24時間の出来高が表示されます。デフォルトのフィルターセットで並び替え方法を変更することで検索結果をカスタマイズできます。画面左上の「すべてのペア」→「スクリーンを開く…」をクリックします。

他のTradingViewスクリーナーと同様に独自のスクリーンを作成・保存し、さらに分析を進めることができます。必要なフィルターを設定したら「保存」ボタンを押してください。
このドロップダウンメニューから、最近使用したスクリーンへのアクセスやCSVファイルへの結果のエクスポート、新規スクリーンの作成やその他様々な調整が可能です。

画面右上にはスクリーナー設定があり、表示内容(シンボルのロゴ、シンボル詳細、通貨)と更新頻度の選択ができます。

その隣には「フィルターを非表示」ボタンがあります。スクリーナーの設定完了後に上部を非表示にすると、一度により多くのコインが分析できます。
フィルター
フィルターを使ってコインをテーブルに表示するのに必要な条件を設定します。フィルター編集のダイアログで、フィルタリング基準を選択できます。
新しいフィルター条件を追加するには「+」ボタンをクリックするか、Shift + Fを押します:
- 銘柄情報: 基軸通貨(ベース)/決済通貨(クォート)、取引所、シンボルタイプといった一般情報にアクセスできます。
- マーケットデータ: 価格、取引量、ギャップ、ボラティリティを見ることができます。
- 評価: 時価総額、および完全希薄化後時価総額を確認できます。
- テクニカル: フィルタリングのパラメーターとしてテクニカルインジケーターを追加できます。

RSI、ストキャスRSI、モメンタム、EMA、SMA、ケルトナー チャネルなど一部のテクニカルインジケーターでは、パラメーターの詳細設定が可能です。

カラムセット
フィルターの下にはカラムセットがあり、それぞれに独自の分析情報が含まれています。右側の「+」ボタンを使用すると、いつでも新しいカラムセットを追加できます。
デフォルトのカラムセット設定は以下のとおりです:
- 概要: 主要CEXデータ — 取引所、価格、出来高、テクニカル評価などの重要情報
- パフォーマンス: ペアの損益についての履歴表示
- テクニカル: オシレーター、移動平均線、モメンタム等のインジケーターの概要
重要!: 取引判断においてインジケーターのテクニカル評価だけに依拠するのはおすすめしません。こうした指標はトレンドを示唆するにすぎず、ご自身が行う市場分析に代わるものではないからです。おわりに
TradingViewでは数多くのCEXと提携しており、スーパーチャートから直接トレードできます。このため複数のプラットフォームを使っている場合でも、柔軟な操作性が確保されます。複数の取引所の間で接続を切り替えながら、トレードを成功に導くツールをすべてご活用いただけます。
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