ゴーストフィード (Ghost Feed) : チャート分析のための描画ツール 

「ゴーストフィード」は直近の値動きを現在にあてはめながら今後を推測するのに役立つ描画ツールです。次にどうなるかを正確に描くものではありませんが、将来の値動きについて予想を立てるときに大きなヒントになる場合もあります。


この記事では以下について説明します:

重要事項:「ゴーストフィード」は描画ツールであり、インジケーターやストラテジーではありません。「ゴーストフィード」はあくまで分析を補助するものであり、その代わりをするものではありません。「ゴーストフィード」を信頼できる唯一の情報源と見なして使用するのは控えてください。

ゴーストフィードとは

前述のとおり「ゴーストフィード」はテクニカル分析の描画ツールです。その銘柄の将来の値動きを予測し、トレードを行う際のエントリーポイントと決済ポイントの見通しを得るのに有効です。過去データと設定したパラメーターを使ってどのようなローソク足が描かれるかをチャートに投影するものです。

注意事項: ゴーストフィードは標準的なローソク足を描画するために設計されています。他のチャートタイプでもゴーストフィードを使うことはできますが、データに歪みが生じるおそれがあるので使用を避けることをお勧めします。

ゴーストフィードは選択した値動きの方向に、今後出現する可能性のあるローソク足を投影します。

描画の仕組みをよりよく理解するために、この機能がどのようにチャートに応用されるかを見てみましょう。

ゴーストフィードの使い方

ゴーストフィードを使うと、指定した方向に向かうローソク足がどんな見かけになるのか、またツールの設定に従うとこれらのローソク足の高値や安値がどうなるのかを確認することができます。

チャート画面の左側にある描画ツールバーに「予測・測定ツール」メニューがありますので、ここから「ゴーストフィード」を選択すると描画を始めることができます。

そして、チャート上でゴーストフィードの始点にする場所を選んで、ローソク足の投影を開始します。

ゴーストフィードは上下左右どの方向にも使えます。どの方向を選択してもローソク足が表示されます。予測ツールとして論理的には不可能と思われる方向にもローソク足を描くことができます。このツールは価格動向を視覚化するものですが、それはあくまでも予め分析を行い、将来の価格の方向性を決定した後で用いるものとして設計されているからです。

ゴーストフィードの使用手順を簡単に述べると以下のようになります:

  1. 今後起こり得るプライスアクションをチャート上に描く
  2. ゴーストフィードの設定を調整する
  3. そのプライスアクションがどう見えるかを吟味する

ゴーストフィードの設定

ゴーストフィードの設定を開くには、ゴーストフィードで描かれたローソク足をダブルクリックします。設定ウィンドウが開くので、ここから以下の設定ができます。

  • パラメーター
  • スタイル
  • 座標
  • 可視性

それぞれの項目を見ていきます。

パラメーター

ここで設定できるパラメーターは2つだけですが、きわめて重要です。

最小ティックサイズでの平均高安: 各ローソク足の最高値と最安値の平均値を設定できます。ティックとは価格が動きうる最小の値のことで、ナスダックやニューヨーク証券取引所 (NYSE) に上場している銘柄の場合、ティックサイズは通常0.01ドルです。

分散: ローソク足の間隔をティック単位で設定します。

例: ナスダックで取引されているTSLAのチャートであれば「最小ティックサイズでの平均高安」を100に設定します。そうすると、ここで描かれるローソク足の最高値と最安値の差が1ドルになります。「分散」も100に設定すると、ローソク足間の平均の間隔も1ドルになります。

スタイル

ここでは、ローソク足の実体/枠/ヒゲについて、その色や不透明度を調整できます。

座標

このタブでは今後の値動きの予測を示す描画の始点を、価格/時間スケールの値で設定することができます。

左側のフィールドではその銘柄の価格を設定できます — これを変更すると描画の開始点となる価格が変更されます。

右側のフィールドでは描画の開始点を特定の位置へと変更できます。デフォルトでは、直近のバーが300番目としてカウントされています。

例: チャートに日足を表示しているとします。「座標」設定の右側のフィールドを200に設定すると、ゴーストキャンドルの始点は現在の日付から100日前になります。このフィールドを330に設定すると、ゴーストキャンドルは現在の日付から30日後の位置に表示されます。

可視性

ゴーストフィードは描画ツールなので、時間足を変更しても描画は残ります。たとえば、日足チャートから4時間足チャートへと表示を変更した場合、ゴーストフィードはそのまま残されます。

時間足を変更したときにゴーストフィードを必要としない時間足がある場合は、使用しない時間足をここで非表示に設定してください。

その他のゴーストフィードの設定とヒント

ゴーストフィードはいつでも左クリックでドラッグして移動できます。

ゴーストキャンドルを右クリックすると、追加設定が表示されます。

  • 次回も繰り返し使用する場合は、描画を「テンプレート」として保存します
  • 複数の描画を使用している場合は「表示の順序」で他の描画との順序を選択します
  • 「時間足の可視性」では、上記の「可視性」の設定と同様にゴーストフィードの可視性を変更できます。「可視性」タブの設定よりも大まかな選択肢になっています。
  •  「オブジェクトツリー」では複数の描画をグループにまとめることができ、チャートの整理に役立ちます
  • 「複製」および「コピー」で、ゴーストフィードを他のチャートやシンボルでもすべて同じ設定で使用することができます
  • 「ロック」では左クリックで描画が移動しないように固定することができます
  • 「非表示」や「削除」機能を使って、分析後にゴーストフィードをチャート上から消すことができます

ゴーストフィードは自分の予測を見極めるのに役立つツールで、分析に大いに活用することができます。ただし、トレードには不確実性がつきものですので、役に立つとはいえ過信しないように注意してください。

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