先物取引のシミュレーション ― ペーパートレードで実際の市場を体験

ペーパートレード」を利用すれば、リスクフリーで先物取引を練習しながら戦略を練ることができます。初心者でもベテラントレーダーでも、満期日や清算価格の概念をはじめとして、これらの仕組みがどのように機能するかについて理解を深めるのに役立ちます。

目次:

先物取引を練習すべき理由

先物は市場で最も流動性の高い取引資産の一つに数えられ、取引対象が広範でありながらも、その仕組みは標準化されています。商品(コモディティ)/債券/指数(インデックス)/FX通貨ペア/暗号資産といった資産はいずれもその大部分が先物契約の原資産になり得ますが、先物の価格変動を調べることで原資産の将来を推測することができます。債券先物、商品先物、指数先物などいずれを取引する場合でも、その土台となる原則は似ています。 

先物のファンダメンタルを理解してテクニカル分析を活用すれば、こうした類似性から、幅広い資産を効率よく扱えるようになります。

特に価格形成にはファンダメンタル要因が大きく影響していることには注意が必要です。デリバティブの取引量が現物(スポット)の取引量を上回るケースが多いものの、先物の価格は原資産の現物価格に大きく依存します。こうした関係性からも、純粋な取引活動以外の要因が先物の価格変動に影響を与える可能性があると言えます。

たとえば、商品先物であれば干ばつによる小麦の供給不足など気象パターンに影響を受けることがある一方で、ビットコイン先物であれば半減期や規制変更といったイベントの両方に反応します。このように業界ごとにトレーダーが考慮すべき固有の変数があります。原資産について徹底的な理解を図り、業界固有の制約事項を詳しく知り、さらに最新の金融ニュースを追跡して絶えず市場の変化を把握することが一番効果的なアプローチになります。

先物取引をはじめる

まず、ペーパートレードの口座(アカウント)に接続します。スーパーチャート画面下部の「トレードパネル」ボタンを押して「ペーパートレード」を選択してください。

つぎに、練習に使う先物銘柄を選択します。画面上部のツールバー左側に、ルーペのアイコンが付いた「シンボル検索」ボタンがあります。これを押した後に「先物」タブに移動すると、利用できる先物銘柄を完全に網羅したリストを見ることができます。さらに国やカテゴリーで絞り込んだり、各シンボルロゴの左にある矢印をクリックして様々なオプションを探すこともできます。

あるいは、チャート画面上でシンボル名をタイプするだけでシンボルを変更することも可能です。タイプするとシンボル検索のウィンドウが自動で表示されます。

先物のペーパートレードで知っておくべきポイント

ペーパートレードは実際の市場を忠実に再現していますが、実際の取引所でのトレードとはいくつか異なる点があり、効率的なトレード体験の提供に特化した変更が施されています。

TradingViewでのトレードを行う方法をすでに理解していることが前提になりますが、すでに取引対象のシンボルを選択していて、デモ口座の設定も完了した状態でトレードを実行した場合、以下に挙げる先物の特徴が最終的な取引結果に影響を及ぼすことがあることを考慮に入れておいてください。

清算と満期日の取り扱い

  • 実現損益は清算時点で反映されます
  • ポジションは満期日後に最終清算価格で決済されます
  • 満期日を迎えた先物はすべて最終清算価格で決済されます
  • 最終清算価格のデータは取引所から提供されます
  • このデータが利用できない場合、最終の日足バーの終値(通常は最終清算価格の値に近くなっています)を使用します

先物銘柄の種類とそれに対応する口座

  • 従来の先物はもちろん暗号資産先物も "The Leap" の大会口座を含め、すべてペーパートレード口座でサポートされています
  • 実際の契約タイプに関わらず、先物はすべて現金決済で扱われ、これにより制限なく戦略のテストが可能になります
  • なお、永久先物と先物つなぎ足には清算がありません

ポジションと注文の自動処理

  • 満期日を迎えたポジションはシステムが自動決済します
  • 満期日を迎えた先物契約であれば、プラットフォームが有効な注文を自動でキャンセルします
  • 1枚当たりの手数料を指定している場合、清算時に差し引かれます

アカウントマネージャー

  • 注文の約定はすべて「口座履歴」および「取引履歴」タブに反映されます
  • ポジション/注文/および満期日を「満期日」列で追跡できます

おわりに

先物取引を「ペーパートレード」で行うことによって、戦略を練りながら清算の仕組みを理解したり、資金を投入する前に様々な資産クラスに慣れることができます。実際の先物取引で行われる「デリバリー(現物受け渡し)」等の運用を排除した上で、市場を体験することができます。

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