テクニカルアラートのスタートガイド

TradingViewでは、描画ツール、インジケーター、ストラテジー、チャートパターンに対してアラートを設定できます。指定した条件が満たされるとテクニカルアラートがトリガーされて通知を行う仕組みになっており、その条件もインジケーターの数値に変化が生じた場合や価格がチャートパターンをブレイクした時などをはじめとして、他にも数多くの条件が用意されています。


目次:

テクニカルアラートとは

アラートの中でも、インジケーター/描画/ストラテジーに対して設定されたアラートを「テクニカルアラート」と呼びます。アラートを設定する際に、そのトリガー条件を様々な演算子から選択できます。

以下に挙げる演算子は、すべてテクニカルアラートで利用できるものです:

  • 交差/上に交差/下に交差: 指定した値の水準に達するとトリガーされます。
  • より大きい/より小さい: 指定した値の水準を超えるとトリガーされます。
  • チャネルに入る/チャネルから出る: 値がある方向からチャネルの境界に達するとトリガーされます。
  • チャネルの内側/外側: 値がチャネルの境界よりも中あるいは外に動くとトリガーされます。
  • 上に移動/下に移動/上に%移動/下に%移動: 指定したバーの本数内で資産価格が一定の値上昇/下落した際にトリガーされます。

注意!: 「チャネル」および「移動」についての演算子を使用したアラートは常にテクニカルなものです。その他の演算子は、インジケーター、描画ツール、またはストラテジーと組み合わせて使用されない限り、価格アラートとしても機能します。

インジケーターのアラート

コミュニティが作成したものを含めて1,000以上のTradingViewインジケーターに対してアラートを設定できます。自分のトレード手法に応じてアラートの閾値を設定すれば、インジケーターの値がそれに達した時やそれを超えた時にアラートが通知されます。

これらのアラートを最大限に活用するにはスーパーチャートで過去を徹底的に分析して、アラートの条件になるインジケーターの値が過去のどこでどんな水準にあったかを確認することをお勧めします。また、バックテストを実施してトレード戦略を実行したときの成果を試すこともできます。

インジケーターアラートを作成するには以下2つの方法があります。お好みの方法をお選びください:

  • インジケーターを右クリックして、「アラートを追加…」を選択します。
  • アラートマネージャー(画面右側のツールバーにある「目覚まし時計」のアイコン)を開いて「アラート作成」ボタンをクリック、「条件」項目のドロップダウンメニューから対象のインジケーターを選択します。

このあと、内蔵されているプリセットの条件を選択するか、独自の条件をカスタマイズして設定を行います。

注意!: アラート作成後にインジケーターのパラメーターを変更しても、アラートは元の設定でトリガーされます。

カスタマイズしたPineスクリプトのアラート

さらに高度なカスタマイズを行うには、トレーダー向けプログラミング言語であるPine Script®を使用してスクリプトアラートを設定する方法があります。また、alertcondition や alert関数を使用して独自のトリガー設定を定義できます。

alert() 関数については他の種類のアラートとは異なり、トリガーの頻度とアラートで送信されるメッセージの制御を「アラートを作成」のダイアログではなく、スクリプト内の "alert()" 関数呼び出しによって行います。

スクリプト内での "alert()" 関数の詳細な使用方法については、PineリファレンスマニュアルおよびPineユーザーマニュアルをご参照ください。

Pineストラテジーのアラート

ストラテジーのアラートを作成するには、画面上部のツールバーにある「インジケーター、指標、ストラテジー」メニューからストラテジーを選択する必要があります。ウィンドウが表示されるので、そこで「テクニカル」タブを開いて「ストラテジー」を選択してください。

チャートにストラテジーを追加したら「条件」項目で以下のいずれかのオプションを選択します:

  • 注文の約定と alert() 関数の呼び出し: この条件で作成されたアラートは注文約定と "alert()" によるイベントでトリガーされます。
  • 注文の約定のみ: 通常のストラテジーアラートと同様に、注文約定時にのみアラートがトリガーされます。
  • alert() 関数の呼び出しのみ: インジケーターのスクリプトアラートと同様に、"alert()" によるイベント時にのみアラートがトリガーされます。

描画ツールのアラート

現在のところ、ライン、チャネル、固定VWAPがアラートに対応しています。最初の2つは画面左のツールバー「トレンドラインツール」の中にあります。

ラインに対して:

  • 交差
  • 上に交差/下に交差
  • より大きい/より小さい

チャネルに対して:

  • チャネルに入る/チャネルから出る
  • チャネルの内側/外側

固定VWAPは画面左ツールバーの「予測・測定ツール」内にあります。

チャートパターンのアラート

自動で検知されるチャートパターンに対してアラートを設定できます。パターンのブレイクアウトや新たなパターン形成、ターゲット価格への到達などを通知します。

チャートパターンアラートを設定するには、まず以下の方法でチャートにパターンを追加します:

  • 画面上部のツールバーにある「インジケーター、指標、ストラテジー」をクリックします。
  • 「テクニカル」タブに移動します。
  • 「パターン」を選択します。

注意!: アラートを設定するには、チャートパターンを手動で選択する必要があります。「すべてのチャートパターン」ではアラートは機能しません。

おわりに

TradingViewのテクニカルアラートは、インジケーター、Pineスクリプト、ストラテジー、描画ツール、チャートパターンの変化を監視するパワフルな機能です。閾値のブレイクアウト、チャネルへの出入り、インジケーターに基づいた条件の達成など、特定の条件に基づいてアラートのトリガーを設定できます。

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