オプションにおける本源的価値と時間的価値
オプションの価格については、ベストBid価格、ベストask価格、直近の取引価格(LTP: Last Trade Price)あるいは理論価格など様々な価格が話題になります。しかし、他にもオプションの価格について知っておきたい重要用語が2つあります。それが本源的価値と時間的価値です。
本源的価値
ストライクプライス(権利行使価格)が240ドルのAAPLコールオプション(ロングポジション)を保有しているとしましょう。AAPL株の現在価格は247ドルです。このオプションを今すぐ行使するとAAPL株を240ドルで取得できます。そしてただちにこの株を現在の市場価格247ドルで売却すれば、7ドルの利益を得ることができます。この7ドルがオプションの本源的価値を表しています。
さて、今度は上記の例でストライクプライスが250ドルのオプションを保有しているとします。それでは、このオプションを行使する価値はあるでしょうか?答えは「いいえ」です。なぜなら、市場価格よりも高い価格でAAPL株を取得することになるからです。つまり、このオプションは現時点では価値がありません。したがって、この場合、本源的価値はゼロになります。
まとめ:
- 本源的価値とは、オプションの権利を今すぐ行使した場合の価値です。
- コールオプションの場合、原資産価格がストライクプライスを上回っていると、原資産価格とストライクプライスの差額がそのオプションの本源的価値になります。
- プットオプションの場合、原資産価格がストライクプライスを下回っていると、ストライクプライスと原資産価格の差額がそのオプションの本源的価値になります。
- 権利行使しても利益が得られないケースでは、本源的価値はゼロです。
例:
例 1 – ストライクプライスが原資産価格よりも低い場合:
- 株式が247ドルでトレードされているとします
- ストライクプライスが240ドルのコールオプション → 本源的価値 = 7ドル
- ストライクプライスが240ドルのプットオプション → 本源的価値 = 0ドル
例 2 – ストライクプライスが原資産価格よりも高い場合:
- 株式が247ドルでトレードされているとします
- ストライクプライスが250ドルのコールオプション → 本源的価値 = 0ドル
- ストライクプライスが250ドルのプットオプション → 本源的価値 = 3ドル
時間的価値
時間的価値とは、オプション価格のうち本源的価値を超える部分の要素すべてを指します。これはオプションの価値が満期日までに上昇する可能性を反映しています。
時間的価値は以下の要素に依存します:
- 満期までの残存期間 (残りの期間が長いほど時間的価値は高くなります)
- 原資産の予想ボラティリティ (ボラティリティが高いほど時間的価値は高くなります)
- 金利と配当
例 (例2の続き):
ストライクプライスが250ドルのプットオプションについて、市場で8ドルの価値があるとすれば、本源的価値が3ドルなので時間的価値は5ドルと計算できます。
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