順位相関指数 (RCI)

順位相関指数 (RCI) は、価格変動の方向にどれだけ一貫性があるかを測るのに役立つオシレーターです。計算対象の期間だけ過去に遡った時に、価格がどれだけ忠実に同一方向のトレンドをフォローしているかを評価します。価格水準の差に依存するモメンタムオシレーターとは異なり、RCIはバーインデックス(各バーに付された連続的な番号)とそれらの価格の順位との相関関係を測定するため、価格の絶対値よりもその相対的な並びの順序に敏感に反応する特徴があります。

RCIは価格が転換しそうな場所の見極めやモメンタム(勢い)の分析、そしてトレンドの持続性を評価する際によく利用されます。

計算

RCIは価格とバーインデックスの間でスピアマンの順位相関係数を求め、計算対象の期間にわたってスケールを変換したものです。このインジケーターは以下の計算を実行してRCIの値を求めます:

  1. 価格に順位を付けます。これは各価格を昇順に並べ替えた際の順位です。並べ替えた後の各価格の位置が初期順位になります。最安値には順位0、最高値は順位N - 1が付けられます。なお、Nは期間内のバーの本数です。たとえば、計算対象の価格が10、12、15、12の場合、初期順位はそれぞれ0、1、3、2となります。
  2. 同順の価格がある場合は順位を調整します。2つ以上の価格が等しくなった場合は、それらの各々にその順位位置の平均値を最終順位として割り当てます。たとえば、上記1.で述べた計算対象の価格については、最終順位が0、1.5、3、1.5になります。この場合1位と2位の価格が等しいので、順位を表す数字の1と2の平均をとって1.5がそれぞれの最終順位となります。
  3. 価格順位とバーインデックスの間の相関係数を計算します。そして、その値に100を乗じます。

この結果、値が-100から+100の範囲で変動するオシレーターが完成します。定義は以下のとおりです:

  • 値が+100の場合、分析期間中に価格が一貫して上昇したことが示されます。
  • 値が-100の場合、分析期間中に価格が一貫して下落したことが示されます。
  • 値が0に近いと、分析期間中の価格の方向に、ほとんどあるいは全く一貫性が見られないことが示されます。

このインジケーターではRCIの値が青線でプロットされ、-80、0、+80の水準に水平線が表示されます。この範囲外の値は、期間全体にわたり一貫して強い上昇や下降が見られたことを示唆します。範囲内に値が戻ってきたときは、モメンタムの変化の可能性を示唆する場合があります。

インジケーターの設定にある「パラメーター」タブで平滑化タイプを指定すると、インジケーターはRCIのライン上に黄色の移動平均線を表示します。タイプとして「SMA + ボリンジャーバンド」を選択した場合、平均線の上下に標準偏差範囲を示す緑色の帯も表示されます。

パラメーター

ソース

インジケーターがRCIの計算に使用するソースの系列です。デフォルトではシンボルの終値を使用します。

RCIの期間

RCIの計算に使用するバーの本数です。値が小さければそれだけオシレーターは小さな変動に敏感に反応し、値が大きければトレンド分析に適した滑らかな反応を示します。

タイプ

RCIの平滑化に使用する移動平均のタイプです。さらにインジケーターをボリンジャーバンドとともに表示させるかどうかを指定します。オプションは以下のとおりです:

  • なし: 平滑化なし
  • SMA: RCIの単純移動平均
  • SMA + ボリンジャーバンド: RCIのSMAに合わせてボリンジャーバンドを表示
  • EMA: 指数移動平均
  • SMMA (RMA): 平滑移動平均
  • WMA: 加重移動平均
  • VWMA: 出来高加重移動平均

期間

平滑化計算の期間です。「SMA + ボリンジャーバンド」オプションを使用している場合は、ボリンジャーバンドの期間にもなります。

BB標準偏差

標準偏差の乗数です。この値によってボリンジャーバンドの幅が決まります。このパラメーターは「SMA + ボリンジャーバンド」オプションを使用している場合にのみ有効です。