医療大手は成長ストーリーに変身できるか?メドトロニックは2026年に向けて大きな勢いを見せており、株価の23%上昇は投機的な熱狂ではなくファンダメンタルズの改善を反映している。同社は2026年度第2四半期に約90億ドルの売上高(前年比6.6%増)を達成、調整後1株利益は8%増の1.36ドルとなり、社内予想・アナリスト予想をいずれも上回った。特に心血管部門は10.8%増の約34億ドルと、過去10年余り(パンデミック期を除く)で最も強い成長を示し、コア事業の持続的な加速を示唆している。
パルスフィールドアブレーション(PFA)技術が変革的な成長ドライバーとして浮上、PulseSelectシステムはFDAから心房細動治療向け初のPFAプラットフォームとして承認を取得。第2四半期の心臓アブレーションソリューション売上は71%増(米国では128%増)と爆発的に伸長した。心臓領域以外では、Hugoロボット支援手術システムが未成熟な手術ロボット市場への戦略的進出であり、泌尿器科試験で98.5%の成功率を記録後、FDA申請を提出した。これらの技術進化により、神経調節、腎デナベーション、糖尿病管理など複数の高成長分野にポジションを確立している。
投資視点では、メドトロニックは品質・配当・成長可能性の魅力的な組み合わせを提供する。48年連続増配(配当貴族)で現在利回りは低3%台とS&P500平均を上回りつつ、研究開発・戦略的M&A資金も確保。経営陣は実行力を改善し、ガイダンスを繰り返し上方修正、資本配分もバランスが取れている。ロボット実行、糖尿病戦略、支払者交渉にリスクは残るが、長期投資家にとって防御的成長+キャッシュフロー拡大+高齢化・低侵襲手術トレンドへのエクスポージャーという基本テーシスは健在だ。
