緊急事態宣言の発令後の4月8日にテイクアウト需要を見込んでか値を大きく戻す。
5月13日の決算発表でも好成績、月次発表では4月の売上高を前年度120%とし、コロナに強い銘柄として評価されたことから更なる戻しがあった。
しかし、緊急事態宣言の一部解除と地合いの悪さから上昇トレンド内での急落が起こり13日以前の底値に大きく近付くこととなった。
今後の推移としては、緊急事態宣言の範囲内だけでの株価の上昇であったということで「4月8日以降の値の水準に戻るのか。」 もしくは「そのまま上昇トレンドの継続となるか。」ということが注目される。
なお、競合であるマクドナルドはコロナ前の高値を既に更新しており、モスバーガーも際立った急落はない。
これら競合との共通点はコロナのテイクアウト需要を捉えているということである。
ただマクドナルドに関してはリセッションになった時でも業績堅調であることが予想されるために値の戻りは早かった。
しかし客単価もそれほど安くもないモスバーガーが何故急落を逃れているのかという所に疑問が残る。
これはおそらく他飲食店でのテイクアウトメニューで唐揚げなどの類似商品の取り扱いが増えKFCの主力製品を不安視する一方で、モスバーガーは以前から健康志向の客層を取り入れメニューの幅を広く持ったことで、様々なセグメントにアプローチする製品が充実していることが評価されているのだと思われる。ローストチキン丼等一部店舗で出ているようだが値段も割高なことやプロモーション不足のために戦える武器にはなっていない。
単純にPERに関してはKFCはモスバーガーよりも良く、時価総額に関しては過小評価されているために今後の伸びは期待されるためにどちらの転換点の方に動くのかは重要であると考える。またその動きがKFC由来の原因で動かされた相場なのか、相場全体が影響して動いてしまったものなのかの違いを見極めることが大切であると考える。
その場合は、転換点へと差し掛かった時の日経や他の株価の動きと比較し、総合的に判断した結論を下すことが求められるだろう。
また、今後の展開としては日本での感染の第弐派の発生、世界的にワクチンの開発が難しいということになれば再び値をあげるのではないかという予測が起こった時には株価の上昇を見込めるだろうが、金融不安により地合いが悪くなった時には注意したい。