【コラム】バブル最高値更新なるか!? 日経平均のエリオット波動分析コラムと題して様々な金融商品·銘柄の長期エリオット波動分析を投稿している波動分析シリーズ。
今回は日経平均の長期エリオット波動を取り上げます。
近頃はメディアでも最高値更新なるかという話題が出ていますが、この投稿では長期エリオット波動の観点から、最高値更新の可能性とその実現時期について考察してみたいと思います。
いつも通り月足と週足の長期波動から見ていきます。
月足
過去40年スパンの月足に主要イベントをプロットしたチャートです。
日経平均の最高値は昭和バブル景気時代の1989年12月29日につけた38957円。
そこから下落の一途を辿り、リーマンショックを経てバブル崩壊後の最安値である6994円を2008年10月28日に記録。
失われた20年と呼ばれる期間です。
その後2012年末からスタートしたアベノミクス経済により現在まで続く上昇トレンドが発生しているという状況です。
昭和バブルのピークに至るまでの上昇においても波の把握が可能とは思いますが、それ以前のデータが利用不可能であるため、今回はリーマンショック以降の上昇トレンドにフォーカスして以降の話を進めます。
さて、現在の上昇トレンドの起点はリーマンショックでつけた最安値6994円です。
ここを起点に反発を見せ、2011年の東日本大震災による株価下落でもリーマンショック最安値を更新することなく、そこからアベノミクスがスタートして、現在まで高値・安値切り上げが続いています。
この流れに基づいてプロットしたのがブラックの波動Ⅰ〜Ⅴです。
現在はこのⅤ波が延長しており、Ⅴ波の3波目を形成している局面と捉えています。
目下の目標はこのⅤ波が滞りなく推進して、1990年5月の高値33000円水準を突破できるかどうかでしょう。
週足
月足Ⅴ波付近の週足の様子です。
月足で見たⅤ波の3波を構成する週足波動の4波目もしくは5波目(パープルの①〜⑤)と見ることができます。
(③の高値を明確に抜けてきていないのでまだ⑤波が開始したかどうかは微妙なところです。まだ④波で調整中と見ることもできます。)
現在は91年3月の高値がサポートとして機能していますが、ここを下抜けてしまうとチャートとしては弱い形になってしまうのでこのラインを守れるかどうかは今後も要注目でしょう。
最後に、最高値更新の可能性について、(波のリズムと比率の観点から)考察してみたいと思います。
前述の通り、現在の上昇トレンドは月足レベルの5波目に突入しているということで、最高値を更新できるかどうかはこの5波がヘタレることなくどれだけ伸びていけるかにかかっています。
ここでは波が延長した場合の比率を使って検討してみたいと思います。
先ほど5波が延長しているのではないかと書きましたが、エリオット波動理論では5波が延長した場合、その長さは3波までの波の長さの1.618倍になりやすいという特徴がよく見られます。
この特徴を元にⅤ波終点候補値を赤で示したのが以下のチャートです。
(画面右端のグリーンのフィボナッチ1.618のラインに相当)
赤で示したⅤ波終点候補値の価格帯が大体37000円水準ですからバブル最高値にだいぶ近い価格までの上昇が期待できることがわかります。
実際には3波までの波の1.618倍を超えることもありますから、その意味では十分最高値更新は達成可能な範囲にあると考えることができるでしょう。
次に最高値更新が起きるとしたらいつぐらいが可能性として考えられるのか?ここについても横軸の観点から考えてみたいと思います。
5波が延長した場合、その終点までに要する時間は3波完成までに要した時間の1.618倍近辺になるというのは、やはりよく見られる特徴です。
ここでは幅を持たせて1.414-1.618倍を想定してシミュレーションしてみます。
その時間軸の倍数をプロットしたのが以下のチャートです。
3波までの時間に対して、
1.414倍が2025年11月ごろ(チャート右側の縦線)
1.618倍が2027年3月ごろ
となります。
前述の縦軸の予測地点と合わせると赤のボックス付近が最高値更新が実現する可能性のあるエリアと考えられます。
この投稿を書いているのが2021年10月22日ですから後4年近くはかかるのではないかという見込みですね。
相場はよく、上り100日、下げ3日と言われます。
買いはロング、売りはショートと言われるように上昇は時間がかかり、下がるのは早いです。
リーマンショックでつけたバブル後最安値の地点から現在まで約13年。
2027年3月に最高値更新となればちょうど20年近くです。
バブルの最高値から底値を打つまで20年近くかかったものが、その20年の下げを埋め、再び最高値更新するのに20年ちょっとというのは少し楽観的すぎるシナリオかもしれません。
またその楽観的シナリオが現実化するほどに日本経済が世界中から注目されているかと言われれば、悲しいかな”No”でしょう。
一方で、逆の視点で見ると、最高値から最安値までの下落の70%を10年ちょっとで戻したアベノミクスのパワーは凄まじいものがあります。
現在もそのアベノミクスの延長線上にあると捉えれば、20年でのリカバリーというのも現実味を帯びてくるのかもしれません。
このあたりは本当に政権に期待というところですね。
新たな政策にも期待しつつ、少し時間をかけて最高値更新の日を楽しみにしたいと思います。
Japan225
【8チャート俯瞰】スエズ運河の巨大コンテナ船座礁、世界経済・金融市場への影響は?【~2021年3月4週目】スエズ運河で巨大コンテナ船が座礁し、船舶の往来を妨げていることで、世界の海上貿易に混乱が起きています。迂回を余儀なくされる貨物船やコモディティー積載船は増えており、物価上昇につながるとの見通しも強まっているようです。
まずは直接的に関係ありそうな、W&Tオフショア (W&T Offshore, Inc.) 、天然ガス(ヘンリーハブ価格 NGAS)、バルチック海運指数 (BALTIC DRY INDEX)、日本郵船(9101)のチャートを並べてみました。
今後は、自動車輸送、サプライチェーンの混乱も懸念されています。
TradingViewでは同時に複数のチャート表示が可能です。
NYダウ(US30)、日経225(Japan225)、米国債10年利回り(US10Y)、ビットコイン(BTCUSD)、W&Tオフショア (W&T Offshore, Inc.) 、天然ガス(ヘンリーハブ価格 NGAS)、バルチック海運指数 (BALTIC DRY INDEX)、日本郵船(9101)の8つのチャート(日足)を同時に表示させてみました。
※無料プラン1つのみ、PROプラン最大2つ、PRO+プラン最大5つ、PREMIUM最大8つまで表示可能だそうです。
【人気8チャート俯瞰】週末にぶっ飛ぶビットコイン! ※注目US10Y、基本USDJPN追加【~2021年3月2週目】せっかく最大8チャート表示できるので、これまで6チャートに加え、最近目が離せない「米国債10年利回り(US10Y)」と基本の「ドル円(USDJPN)」も、今週から追加しました。
最近の傾向かもしれませんが、今週末のビットコインもぶっ飛んでいます。例の米コロナ給付金の影響を指摘する声もあるようです。
さて、全体的にダウや日経をはじめ上向きのチャートが多いですが、テスラとユニクロが一時下落、そして金が落ちていっている状況です。ユニクロ狙い目?
なお、米国債10年利回りが上昇したからといって、必ずしも株価が下落するという訳でもなさそうです。
それにしても、ドル円は昨年末はあれだけ2021年は円高予想されていたのに笑っちゃいますね。
TradingViewでは同時に複数のチャート表示が可能です。
NYダウ(US30)、日経225(Japan225)、米国債10年利回り(US10Y)、ビットコイン(BTCUSD)、テスラ(TSLA)、ファーストリテーリング(9983)、ドル円(USDJPN)、金(XAUUSD)の8つのチャート(日足)を同時に表示させてみました。
※無料プラン1つのみ、PROプラン最大2つ、PRO+プラン最大5つ、PREMIUM最大8つまで表示可能だそうです。
【人気6チャート俯瞰】テスラ、ファーストリテイリング、買いたい【~2021年3月1週目】バイデン大統領の追加経済対策が6日に米上院で可決し、9日から下院で再審議、14日までに成立する見通しだそうです。直近の相場に大きな影響を与えそうでかなり気になりますね。
また、昨年から「ARKK」というアメリカのETF(テスラなどに集中投資している)が話題みたいですが、最近は価格が急落し、米国株の波乱要因とも言われているそうで、ちょっと注意です。
ところで、そのテスラのイーロン・マスクCEOが率いる米スペースX社の次世代宇宙船「スターシップ」実験機(月周回旅行計画に前沢友作氏が同行者の募集していることも話題)が、打ち上げ試験で課題だった着陸に成功後、爆発したそうですね。トライ&エラー&トライ、頑張ってほしいですね。
一方、日本のファーストリテイリンググループ。4月1日から消費税込の価格表示が義務づけられることを受け、3月12日から衣料品店「ユニクロ」と「ジーユー」では、これまでの本体価格をそのまま税込価格として総額表示するそうで、これは全商品を実質約9%値下げを意味します。
テスラもファーストリテイリングもチャートが最近下を向いていましたが、ちょっと買いたい気がしないですか?
TradingViewでは同時に複数のチャート表示が可能です。
NYダウ(US Wall St30)、日経225(Japan225)、ビットコイン(BTCUSD)、テスラ(TSLA)、ファーストリテーリング(9983)、金(XAUUSD)の6つのチャート(日足)を同時に表示させてみました。
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【人気6チャート俯瞰】ダウ、日経、ビットコイン…3月崩壊の序章か?【~2021年2月26日】2月は高値更新を続けていた、ダウ、日経、ビットコインでしたが、ついに下落の兆候が見えてきました…。3月も下落基調が続くのか、持ち直すことができるのか?
注目のテスラ、ファーストリテーリング、そしていつの時代も気になるゴールドのチャートと並べてみました。
TradingViewでは同時に複数のチャート表示が可能です。
NYダウ(US Wall St30)、日経225(Japan225)、ビットコイン(BTCUSD)、テスラ(TSLA)、ファーストリテーリング(9983)、金(XAUUSD)の6つのチャート(日足)を同時に表示させてみました。
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