【ユーロドル】全世界が注目するパリティ割れ/先輩2通貨の軌跡を振り返るユーロドルが1.0の等価レートを一時的に割りました。
ただし日足終値ベースでのブレイクはできておらず、7月18日のアジア時間では1.010付近で推移しています。
今回の投稿では、ユーロドルに先立ってパリティブレイクにトライした二つの通貨ペアの動きを振り返ってみます。
通貨ペアの違いによって状況は異なりますが、どんなに強い(弱い)通貨であっても、ブレイクには相応の時間を要するということがわかるかと思います。
ユーロドルがこの後どのような軌道を描くのか、みなさんが想像を膨らませるための参考になればと思います。
ユーロドルの状況(日足)
日足を見ると7月14日のローソク足が下ひげを伴った陰線で引け、翌日はその陰線を包み込む陽線で反発しています。
パリティブレイクにトライした2通貨ペアの軌跡
ユーロフラン(日足)
ユーロとスイスフランのクロスペアであるユーロフランがパリティブレイクにトライしたのは、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2月末から3月末にかけてです。
この時はユーロ圏の地政学リスクが意識され、大幅なユーロ安が侵攻した時期ですが、それでもパリティ到達時には大きく反発し、直近の下落の7割近くを戻す動きとなっています。パリティ到達時のプライスアクションを見ると、ユーロドル同様に下ヒゲで若干ラインを割った後に反発していることが確認できます。
実際にパリティブレイクを果たしたのは、初回のトライから3ヶ月後。
中央銀行利上げレースのダークホース、スイス中銀がサプライズ利上げを実施した後でした。
ドルスイスフラン
ドルフランがパリティブレイクにトライしたのは5月の半ば。4月5月とドルが急上昇した場面です。
チャートを見ても、毎日が雇用統計と見紛うような急騰の様子が確認できますが、それでもパリティ到達後は直近上昇の半値近くまで押す展開になっています。
ドルフランではパリティが週足レベルで意識されるレートであり、その意味では日足での少しの抜け程度では単なるオーバーシュートと捉えられるでしょう。
ちなみに当時は米ドルがFRBの利上げムードに沿って上昇していく一方でスイスは緩和姿勢。利上げレースのブービーメーカーは日本かスイスかといった状況でした。
さて、現役合格に失敗してから1ヶ月後に再トライするものの、再びブレイク失敗。さらに今度は高値を切り下げる形になり2浪目に突入。現在は3回目の受験目指して0.98付近で奮闘中という状況です。
2022年のキング通貨、米ドルであってもこのありさまなので、パリティというレートは相当に意識され、一筋縄ではいかないラインであることが伺えます。
以上2通貨ペアの動きを見ても、片方の通貨が非常に強い、弱い状況にあっても一回のトライではブレイクに失敗しています。
これから夏のバカンスシーズンが本格化し市場が薄くなる中、パリティのような強く意識されるラインをブレイクするだけの売り圧力が新規に入るかどうか、もしくは先輩2通貨のように少し充電期間を経てから再度アタックを仕掛けるのか、そのあたりの動きに注目です。