FISCOFISCO

グローセル Research Memo(7):2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円が目標(2)

■中期経営計画「プロジェクト“S”」

3. 売上・事業の拡大(H&CSB)

グローセル<9995>の2023年3月期の売上目標は当初の202億円から243億円へ上方修正された。D-in活動の目標金額も440億円から468億円へ上方修正された。

(1) 下期活動のポイント

・物量確保による売上最大化

SMI(ストレージ)、FARADAY(ASIC)、MFC(カスタムボード)、Payton、ユニマイクロン他

・重点案件のD-in推進

SMI(ストレージ):国内Tier1向け案件開拓の加速。

売上高:2023年3月期23億円→2025年3月期30億円

FARADAY(ASIC):OA向けシェア拡大、新規顧客開拓(産業向け)

売上高:2023年3月期23億円→2025年3月期40億円

・新規仕入先・商材の拡大:SiC(Wolfspeed)、5Gモジュール(Gosuncn)、基板(APEX)、

モータDR(ANPEC)

・マーケティングの推進

・新規商材開拓/新規顧客開拓

(2) ANPEC社モータドライバIC

特に注力するのがANPEC社モータドライバICだ。

D-inのポイントとしては、

・高速回転による騒音が問題 → 新機能追加による静音化対応ICの開発が必要

・モータに回路の搭載が必要 → センサレスで基板の小型化が可能

・高度な技術サポート・営業人脈が必要

D-inの事例としては、

・GPU冷却ファンモータ、三相センサレスIC APX9323AQFIなど

・LTVは408百万円(6年間)

(3) D-inへの取り組み:低消費電力への貢献

日立パワー半導体を中心としてCross Sellによって各種低消費電力案件へ貢献する。具体例としては、各種製品を組み合わせたパワーデバイスソリューションを「民生産業用ファンモータ」「車載周辺機器」「医療(検査機器)」「EV電源・電鉄」のアプリケーション向けにCross Sellしている。

4. 売上・事業の拡大(STREAL)

2023年3月期の売上目標は当初の30億円から28億円へ下方修正されたが、これは応用分野での一部の開発が計画より遅れたため。これに伴い、D-in活動の目標額も当初の120億円から95億円へ下方修正された。これらは、開発の遅れにより後ずれしたもので、案件や受注そのものが消失したわけではない。

(1) 下期活動のポイント

・メーカー機能としての基盤確立

・トルクセンサの開発完了と量産化準備

・協働ロボット向けモジュール本格量産開始

・E-bike向け センサモジュールの安定生産・供給

・性能・ブランド力のPR強化

・D-in活動の推進

(2) 中計達成のための下期活動ポイント:事業拡大に向けた課題抽出と戦略策定

1) ロボット分野への活動強化

・ロボット向けトルクセンサ開発完遂と量産ライン立上げ

・トルクセンサの拡販横展開(他ロボットメーカ)による売上拡大

2) 既存分野への横展開による案件発掘

・新規顧客候補:国内大手メーカー等

3) インフラ分野への挑戦による社会貢献ビジネスの拡大

・PoC段階顧客のビジネス早期具体化へのサポート継続(鉄道、風力発電等)

・新規顧客開拓(エレベーター、航空メンテナンス、液量センシング等)

(3) D-inへの取り組み:サステナブルな社会の実現に貢献

「STREAL」の応用分野を広げることで、「生産人口減少への対策」「強靭な交通インフラの構築」「気候変動への対策」「人手不足解消、安心の拡充」など様々な社会課題に貢献することが可能となる。今後は、これらの分野でのD-in活動を強化する。

(4) 「STREAL」プロモーション

「STREAL」活用の裾野を広げるため様々なプロモーション活動を積極的に行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

ログイン、もしくは永年無料のアカウントを作成して、このニュースを読みましょう