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9日の中国本土市場概況:上海総合1.2%高で反発、ITハイテク関連に買い

9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比38.28ポイント(1.18%)高の3270.38ポイントと反発した。

中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスが好感される流れ。人民銀は7日までリバースレポ取引により連日で市中から資金を引き揚げていたが、8日から資金供給に転じ、9日は満期分との差引で3870億人民元を市中供給した。リオープン(経済再開)の進展を手掛かりに、中国景気の持ち直しが改めて意識されている。米中対立の過度な警戒感も後退。バイデン米大統領は8日、「中国の気球問題に関し、対立は求めていない」などと発言した。大統領はそのほか、中国は欧米諸国との経済関係を重要視し、ロシアとは一定の距離を置いている――との認識も示している。(亜州リサーチ編集部)

業種別では、ITハイテク関連の上げが目立つ。インターネット・セキュリティーの三六零安全科技(601360/SH)がストップ(10.0%)高、スーパーコンピュータ世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が7.1%高、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の聞泰科技(600745/SH)が4.8%高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が4.7%高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が4.2%高で引けた。

消費関連株もしっかり。ホテルの上海錦江国際酒店発展(600754/SH)が4.5%高、酒造の山西杏花村フェン酒(600809/SH)が3.0%高、自動車の北汽福田汽車(600166/SH)が2.7%高、百貨店の王府井集団(600859/SH)が1.7%高、化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が1.2%高と値を上げた。

保険・証券株も高い。中国太平洋保険(601601/SH)が3.7%、中国人寿保険(601628/SH)が2.3%、中国平安保険(601318/SH)が1.7%、国金証券(600109/SH)が2.8%、東方証券(600958/SH)が2.5%ずつ上昇した。医薬品株、インフラ関連株、素材株、不動産株、運輸株なども買われている。

一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.43ポイント(0.48%)安の296.10ポイント、深センB株指数が7.87ポイント(0.64%)高の1229.38ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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