ドンチャンチャネル (DC)

定義

ドンチャンチャネル (DC) は、テクニカル分析で市場のボラティリティを測定するために使用されます。ボリンジャーバンド%B(%B)と同様のバンド型のインジケーターです。市場のボラティリティを測定することに加えて、ドンチャンチャネルは、価格がアッパーバンドまたはロワーバンドのいずれかに達した時に、潜在的なブレイクアウトまたは買われすぎ/売られすぎの状態を特定するために主に使用されます。これらのケースは、トレードシグナルとして利用される事もあります。

歴史

ドンチャンチャネル (DC) インジケーターは、有名な商品トレーダーのリチャード・ドンチャンによって作成されました。ドンチャンは「トレンドフォローの父」として知られています。

計算

この例では、期間に非常によく利用される20日間を使用しています。

アッパーチャネル = 20日間高値
ロワーチャネル = 20日間安値
ミドルチャネル = (20日間高値 + 20日間安値)/2

基礎

ドンチャンチャネルは、容易に計算や理解が可能なインジケーターの一つです。ドンチャンチャネルインジケーターは、ユーザー定義の期間(例えば20日)でアッパーバンドとロワーバンドを計算します。アッパーバンドはその期間の高値です。ロワーバンドは、その期間の安値です。ミドルラインは、単純にそれら2つの平均です。

ドンチャンチャネルの主な機能は、ボラティリティを測定することです。ボラティリティが高いとバンドが広がり、ボラティリティが低いとバンドが狭くなります。価格がいずれかのバンドに到達または突破した場合、買われすぎや売られすぎの状態を示します。これは、基本的には次の2つのいずれかの結果になります: 1つ目は、現在のトレンドが確認され、ブレイクアウトにより価格が同じ方向に大きく動くケース。2つ目は、既にトレンドが確認されており、ブレイクは同じ方向にトレンドが継続する前の小さな反転の可能性を示すケース。

利用目的

トレンドの確認

明確に定義されたトレンドでは、買われすぎや売られすぎの状態は、しばしば強さの重要なサインとなります。

強気トレンドの間に価格が買われすぎのゾーンに入ると、トレンドが強まっている事を示している可能性があります。

弱気トレンドの間に価格が売られすぎのゾーンに入ると、トレンドが強まっている事を示している可能性があります。

買われすぎ/売られすぎ

強気トレンドの間に価格が短期的な売られすぎの状態となる場合があります。これらの売られすぎの状態もまた、トレンドの強化を示している可能性があります。

弱気トレンドの間に価格が短期的な買われすぎの状態となる場合があります。これらの買われすぎの状態もまた、トレンドの強化を示している可能性があります。

サマリー

ドンチャンチャネルインジケーター (DC) は、市場が買われすぎか売られすぎかを判断する為にボラティリティを測定します。重要なポイントは、ドンチャンチャネルは主に明確に定義されたトレンドで最もよく機能するということです。強気トレンドの間の買われすぎゾーンへの動きは、トレンドの強化を示している可能性があります(特にトレンド中にその動きが頻繁に発生する場合)。弱気トレンドの間の売られすぎゾーンへの頻繁な進入もまた、トレンドの強化を示す可能性があります。また、上昇トレンド(下降トレンド)の間の売られすぎ(買われすぎ)ゾーンへの動きは一時的なものであり、全体的なトレンドが継続する可能性があります。つまり全体的なトレンドを確認することは、ドンチャンチャネルを最大限に活用する上で大きな役割を果たします。ドンチャンチャネルは、トレンドラインや方向性指数 (DMI) インジケーターなどの追加のテクニカル分析ツールと併用する事ができます。

パラメーター

期間

ドンチャンチャネルの計算に用いられる期間(デフォルトは20)です。

Offset

この数値を変更すると、現在の市場に対してドンチャンチャネルが前後に移動します。デフォルトは0です。

時間足

インジケーターの計算対象となる時間足を指定します。このオプションを使用すると、別の時間足のデータに基づいてドンチャンチャネルを計算することができます。例えば、5分足チャートに1時間足のドンチャンチャネルを表示することができます。

時間足の確定を待つ

インジケーターの計算対象の時間足がチャートの時間足よりも上位の場合の動作を指定します。「時間足の確定を待つ」にチェックが入っている場合、上位の時間足が確定したときにはじめてその計算結果が連携され、チャート上に表示されます。

スタイル

基準

基準の値を表示する基準線の可視性を切り換える事ができます。基準線の色や太さ、ラインの種類を選択する事も可能です。

上方

アッパーバンドの値を表示するラインの可視性を切り換える事ができます。アッパーバンドの色や太さ、ラインの種類を選択する事も可能です。

下方

ロワーバンドの値を表示するラインの可視性を切り換える事ができます。ロワーバンドの色や太さ、ラインの種類を選択する事も可能です。

背景

バンド内の背景の表示有無を切り換える事ができます。背景色と不透明度を変更する事も可能です。