マネーフローインデックス (MFI)
定義
マネーフローインデックスインジケーター (MFI) は買い圧力、売り圧力を測るテクニカル分析ツールです。価格と出来高の両方を分析します。MFIの計算で得られた値を0-100の範囲で上下する線としてグラフ化し、オシレーターとするものです。MFIが上昇すれば買い圧力が増していることを示し、下落すれば売り圧力が増えていることを示します。マネーフローインデックスはシグナルを幾つかだしますが、主なものは買われ過ぎと売られ過ぎ状態、ダイバージェンス、フェイラースイングです。
歴史
マネーフローインデックスインジケーター (MFI) は、ジーン・クオンとエイブラム・スダックによって考案されました。
計算
マネーフローインデックスの計算は、4つのステップに分かれています。下記例では、期間14のMFIを算出します。
1. 代表価格の計算
(高値+安値+終値) / 3 = 代表価格2. マネーフローの計算
代表価格 × 出来高 = マネーフロー3. マネーフローレシオの計算
(期間14のプラスマネーフロー) / (期間14のマイナスマネーフロー)プラスマネーフローは、代表価格が直近の代表価格より高かった日のマネーフローを合計して算出します。
マイナスマネーフローは、代表価格が直近の代表価格より低かった日のマネーフローを合計して算出します。
4. マネーフローインデックスの計算
100 - 100/(1 + マネーフローレシオ) = マネーフローインデックス基礎
マネーフローインデックス (MFI)は、実際のところ相対力指数 (RSI)に非常によく似ています。RSIはモメンタム測定のために使用される先行指標です。基本的にMFIは、RSIに出来高の側面を追加したものです。RSIに近い性質を持っているため、MFIの使用方法もRSIと非常によく似たものになります。
着目点
買われ過ぎ/売られ過ぎ
モメンタムと価格の上昇が早く、十分に高い水準にまで上昇した場合、その銘柄は買われ過ぎと判断されます。その逆も同様です。モメンタムと価格の下落が早ければ、売られ過ぎと判断されます。慣例的に、買われ過ぎの水準は80以上、売られ過ぎの水準は20以下とされています。しかしながら、これらの値は主観的なものであり、分析者によって閾値の選択が異なる場合があります。
ダイバージェンス
MFIのダイバージェンスは、価格変動とMFIが示す値の動きに違いがある場合に発生します。この違いは反転が迫っていると解釈することが可能です。具体的には、弱気と強気の2種類のダイバージェンスが存在します。
強気のMFIダイバージェンス – 価格は安値を切り下げているが、MFIは下値を切り上げている場合。
弱気のMFIダイバージェンス – 価格は高値を切り上げているが、MFIは上値を切り下げている場合。
フェイラースイング
フェイラースイングもまた、価格の反転につながる可能性のある事象です。注意すべき点は、フェイラースイングは価格から完全に独立しており、MFIだけに依存していることです。フェイラースイングは4つのステップで構成され、強気 (買い場) になる、もしくは弱気 (売り場) になると考えられています。
強気のMFIフェイラースイング
- MFIは20を下回る (売られ過ぎと判断される)
- MFIは20より上に反発される
- MFIは再度下降するが、20を上回ったまま (売られ過ぎの水準を上回ったまま)
- MFIは直近上値を上回る
弱気のMFフェイラースイング
- MFIは80を上回る (買われ過ぎと判断される)
- MFIは80より下に反発される
- MFIは少し上昇するが、80を下回ったまま (買われ過ぎの水準を下回ったまま)
- MFIは直近下値を下回る
サマリー
金融商品の価格とモメンタムとの相関は、テクニカルアナリストにとって非常に重要な測定要素です。そのため、マネーフローインデックス (MFI) は非常に価値のあるテクニカル分析ツールとなるでしょう。もちろん、取引シグナルやセットアップのために、MFIだけを唯一の情報源として使用すべきではありません。他のインジケーターやチャートパターン分析と組み合わせると、MFIの有効性が高まります。
パラメーター
期間
MFIを計算する際に使用する期間です。デフォルトは14です。
スタイル
マネーフロー
マネーフローの表示／非表示の切り替え、およびマネーフローの実際の現在値を示すラインの表示／非表示を切り替えることができます。また、マネーフローラインの色、太さ、種類も選択可能です。
精度
インジケーターの値を切り上げて残す小数点以下の桁数を設定します。この数値が大きいほど、インジケーターの値の小数点以下の桁数が多くなります。