TradingViewアラート : すぐに通知を受け取るには 

アラートはトレーダーや投資家が重要な市場イベントを常に把握できるようにタイムリーな通知を送る機能です。非常にシンプルな例としては、ビットコインがいつ目標の価格に到達するかを追跡するものがあります。また、インジケーターやストラテジーを組み合わせて数多くの計算をさせる複雑なアラートもあります。いずれも使いやすく設計されており、ここではその使用方法をご紹介します。

ここでご紹介するアラートはすべてTradingViewで利用できるものです。この記事を読めば、アラートの作成/使用方法、利用できるアラートの種類などTradingViewのアラートシステムのすべてを知ることができます。

目次

TradingViewアラートが必要な理由

TradingViewアラートの主要なメリットについて簡単にご説明します。

  • イベントの発生を即座に通知します: これにより市場の変化に対してすぐに対応することができます。
  • 正確で効率的です: TradingViewアラートは強力なサーバー上で動作しています。堅牢かつ迅速です。
  • 戦略を自動化でき時間の節約になります: 貴重な時間を無駄にせずに市場の動向を追跡できます。
  • どのデバイスでご利用いただけます: Webバージョン、デスクトップ、モバイルアプリ ― この中から一つだけを使うこともできますし、すべてを同時に使うこともできます。 
  • 学習と分析に役立ちます: アラートの分析を通して様々なイベントに対する市場の反応を理解することができます。戦略の学習や改善に役立ちます。
  • 自由にカスタマイズできます: 弊社のアラートには数多くの条件があらかじめ内蔵されている一方で、ニーズに合わせて高度な条件を設定することもできます。使い方も簡単です。
  • Pineスクリプトでアラート作成ができます: Pine Script® ― TradingViewのトレーダー向けプログラミング言語 ― を使用して、様々な条件を組み合わせたアラートを設定できます。

テクニカルアラートと価格アラートの相違点

テクニカルアラート 

価格アラート

定義

市場をテクニカル分析の観点から見た情報を提供し、様々なテクニカルシグナルトレード戦略に基づいて意思決定を行う手助けをします。

価格の変化に素早く対応し、トレード戦略に沿った意思決定を行うことができます。

トリガー条件

様々なテクニカルパラメーターに基づいて発動されます。これらのパラメーターには、チャネルに入る/から出る、上/下に移動などのテクニカルシグナルが含まれます。

その銘柄の価格が指定した条件を満たしたときに発動します。これらの条件には、価格水準との交差、指定した価格を上回る/下回る動きなど価格の動きに関するパラメーターがあります。

使用タイミング

インジケーターにテクニカルアラートを設定すると、そのインジケーターが指定したレベルを超えたときやチャネルから抜けたときに通知を受け取ることができます。

たとえば、株価に対して「下に交差」条件を設定すると、指定した価格水準を上から下へ横切った時に通知を受けとることができます。

選択可能なトリガーの種類

アラート設定時に、トリガー条件を定義する必要があります。定義できる条件とその内容は以下のとおりです。

交差: 最も一般的なアラートです。価格が指定した値と交差した時にトリガーされます ― 上下いずれの方向からの交差でもトリガーされます。

例: BTCが$100,000と交差したときのアラート

上/下に交差: 上記の交差トリガーに方向を加えたバリエーションです。価格の上昇/下降時にその値と交差する場合を指定できます。「上に交差」は、現在表示中の銘柄の価格が通知条件として設定された値を下から上に超えたときにトリガーされ、「下に交差」は価格が設定された値を上から下に超えたときにトリガーされます。

例: BTCが上昇/下降しながら$100,000を交差したときのアラート

より大きい/より小さい: 価格が指定したポイントに達しただけでなく、そのポイントを上回った/下回ったことを知りたい場合に使用する条件です。「より大きい」で通知条件を設定すると、価格がアラートで設定された値より高くなるとトリガーされます。同様に「より小さい」の通知条件では、価格がアラートで設定された値より低くなるとトリガーされます。

例: BTCが$100,000より大きい/より小さい場合のアラート

チャネルに入る/チャネルから出る: チャネルとは、ある価格帯の上限/下限を示す境界線のことを指します。一般的に、チャネルは銘柄価格のボラティリティを任意に定義するものであり、チャネルの境界を超えた動きを重要または非標準的な値動きとみなします。「チャネルに入る」の通知条件では、価格がアラートで設定されたチャネルに入るとトリガーされます。「チャネルから出る」では、価格がチャネルを抜けたときにトリガーされます。

例: BTCが$100,000 - $105,000のチャネルに入ったときのアラート

チャネルの内側/外側: 「チャネルの内側」条件では価格がチャネル内にある場合にトリガーされ、「チャネルの外側」条件では、価格がその境界を超えた場合にトリガーされます。通知条件時に値を設定する必要があります。

例: BTCが$100,000 - $105,000のチャネルの内側にあるときのアラート

上/下に移動: 上/下に交差とほぼ同じ条件ですがパラメーターに時間が追加されます。指定された期間(この場合バー)内に価格がXドル上昇するとアラートがトリガーされます。「上に移動」の通知条件では指定されたバーの本数内で価格が事前に定義された値だけ上昇した場合にトリガーされます。「下に移動」の通知条件も同じ原理で動作しますが、こちらは価格が下がった場合になります。

例: BTCが5本のバーで$1,000上昇/下落した場合のアラート

上/下に%移動:「上に%移動」の通知条件は上記のタイプと同じ原理で動作しますが、値がパーセント値で指定されます。価格が設定されたパーセント値だけ上昇するとトリガーされます。「下に%移動」の通知条件は、価格が指定されたパーセント値だけ下落するとトリガーされます。

例: BTCが5本のバーで1%上昇/下落した場合のアラート

描画ツールの通知条件: 描画ツールによって利用できる通知条件の種類が異なります。

  • 「ライン」タイプの場合:
    • 交差
    • 上/下に交差
    • より大きい/より小さい
  • 「チャネル」タイプの場合:
    • チャネルに入る/チャネルから出る
    • チャネルの内側/外側
  • 「フォーク」タイプの描画ツールには通知条件を設定することはできません。

チャート上に有効な通知条件があると、その横に描画ツールと同じ色のアイコンが表示されます。通知条件が無効になるとアイコンはグレーに変わります。描画ツールが変更されると、通知条件も自動で調整されます。

TradingViewアラートの作成方法

アラート設定には下記のようにいくつかの方法があります:

1. ホットキー: ALT + A (Windows) または ⌥ + A (Mac)

2. 上部ツールバーのボタン

3. アラートマネージャーウィンドウのボタン

4. 右クリックメニュー

5. 描画パネルのボタン(ライン、チャネル、固定VWAPのみ利用可能)

6. 価格スケールで価格の横に表示される「+」ボタン

アラートは各データ系列/インジケーター/チャートパターン/インジケーター/ストラテジー/描画ツールで作成可能です。データ系列ではアラートは時間足に依存しませんが、他のタイプのアラートではインジケーターの値を計算する際に時間足も考慮に入れるため時間足に依存します。

注意!: アラート作成後にインジケーターのパラメーターを変更した場合、アラートは元の設定でトリガーされます。

アラート設定について必ず知っておきたいこと

アラートの新規作成や既存アラートの変更の際に下記のように様々な設定を利用できます。

1. 条件: アラートがいつトリガーされるかを定義します。

2. 頻度: アラートがトリガーされる頻度を指定します。

3. 有効期限: 有効期限が切れると自動的にアラートを停止します。

4. アラート名: アラートを識別しやすくするためにアラートマネージャーに表示するタイトルです。

5. メッセージ: アラートがトリガーされたときに表示されます。独自のプレースホルダーを使用してアラートのメッセージ内で変数値を利用することもできます。

アラート通知の受信方法

アラートがトリガーされた際の通知方法や場所をいつでも選択できます。

  • アプリに通知: 携帯電話にアラートを通知するには、最新のTradingViewアプリをダウンロードしてください。
  • トースト通知を表示: アラートがトリガーされるとポップアップメッセージが表示されます。このオプションを有効にすると、他のタブを閲覧中でもポップアップメッセージが表示されます。この機能を有効にするには、PC側でTradingViewからのデスクトップ通知を表示するように設定してください。
  • Eメールを送信: アラートがトリガーされるとメールが送信されます。TradingViewプロフィールのメールアドレスを使用します。
  • Webhook URL: Webhook を使用すると、アラートがトリガーされる毎に特定のURLにPOSTリクエストを送信できます。
  • サウンドを鳴らす: アラートがトリガーされると通知音が鳴ります。
  • プレーンテキストを送信: 携帯電話にテキストメッセージを送信します。こちらのサイトは携帯電話にテキストメッセージを送信するのに使用できる国際的なEメールプロバイダーの最新リストであることを目指しています。


すべてのアラートを管理する方法

右パネルの「アラート」アイコンをクリックするとアラートマネージャーが開きます。このツールはアラートのナビゲーションでありアラート変更の際に役立ちます。アラートビューを選択することで、リストをパーソナライズすることもできます。「オプション(3つの点)」のボタンをクリックして、「リストのカスタマイズ」セクションでリストで確認したい項目にチェックを入れます。

アラートは、シンボル/名前/メッセージ/作成日/トリガー日時で並び替えることができます。「並び替え」ボタンをクリックしてお好みの順序を選択してください。

リスト内のコントロールキーを使って、アラートの停止/再開/編集/削除ができます。

アラートを右クリックすると同じオプションで構成されるコンテキストメニューが開きます。

アラートをダブルクリックすると 「編集」メニューが表示されます。

アラートを作成すると、その水準を示すマークがチャート上に表示されます(ただし「移動」関連のアラートを除く)。マークにカーソルを合わせるとツールチップに説明が表示されます。

マークをダブルクリックすると 「アラートを編集」メニューが表示され、マークを右クリックするとアラートラインの延長/短縮ができます。

アラートの値を直接編集することもできます — チャート上でお好みの場所にドラッグしてください。一旦移動させると「編集」のダイアログウィンドウにその新しい値が自動的に反映されます。

アラートがトリガーされると、対応するラベルがチャート上で点滅を始めます。

トリガーされたアラートはすべて自動的に 「アラートログ 」に追加されます。ここで、いつでもアラート履歴にアクセスできます。「ログ」をクリックして、キーボードの矢印キーまたは「スペースキー」を使ってトリガーされたアラート間を移動します。

ログのリストのカスタマイズ、ログの消去、CSVファイルへのエクスポートなどもできます。「オプション(3つの点)」のボタンをクリックすると、利用できるオプションがすべて表示されます。

インジケーターのアラート

コミュニティ作成のものを含め、1,000以上のTradingViewインジケーターにアラートを設定することができます。各通知条件は「上に交差」や「チャネルから出る」などの条件によって必要に応じてカスタマイズしたり、alertcondition()alert()関数を使って独自のトリガー設定を定義することができます。

インジケーターのアラートを設定するには「アラート作成」ダイアログを開き、「条件」のフィールドでスクリプトを選択して内蔵のプリセットを選択するか、独自の条件をカスタマイズします。

注意!: アラート作成後にインジケーターのパラメーターを変更した場合、アラートは元の設定でトリガーされます。

チャートパターンのアラート

様々なチャートパターンに対してもアラートを設定できます ― たとえば、パターンの更新、ウェッジのブレイクアウトやダブルトップ形成の認識、新しいエリオット波動の発生についての通知などです。

チャートパターンのアラートを設定するには、まずチャートにチャートパターンが追加されていることを確認します。次に「アラート」メニューに移動してお好みのパターンを選択して必要な条件を指定します。

TradingViewで利用できるパターンの詳細については、ナレッジベースのチャートパターンの記事をご覧ください。

Pineスクリプトのアラート

高度なカスタマイズを行う場合はPine Script® — トレーダーのためのTradingViewのプログラミング言語― を使ってアラートを設定することができます。コードに "alert()" 関数の呼び出しが含まれている場合、Pineスクリプトでアラートを設定できます。チャートから「アラートの作成」ダイアログボックスを使用してアラートを作成して「条件」フィールドでそのインジケーター/ストラテジーを選択します。

他のタイプのアラートとは異なり、スクリプトアラートのトリガー頻度と送信メッセージについては「アラートの作成」ダイアログボックスではなく、スクリプトの "alert()" 関数呼び出しによって制御されます。インジケーターのスクリプトアラートはスクリプトの "alert()" 関数呼び出しで使用される条件が満たされたときにトリガーされます。ストラテジーのスクリプトアラートでは注文が約定するイベント、 "alert()" 関数が呼び出されるイベント、またはその両方を条件に含めることができます。

スクリプトアラートの詳細については、ナレッジベースをご覧ください。また、スクリプトでの "alert()" 関数の使用についての詳細は、PineリファレンスマニュアルおよびPineユーザーマニュアルをご覧ください。

ストラテジーのアラート

ストラテジー用のスクリプトアラートを作成するには「アラート作成」ダイアログボックスの「条件」フィールドからストラテジーを選択し、以下のオプションのいずれかを選択します。

  • 注文の約定と alert() 関数の呼び出し: 作成されたアラートは注文の約定と "alert()" イベントでトリガーされます。
  • 注文の約定のみ: 通常のストラテジーアラートのようにアラートは注文の決済時にのみトリガーされます。
  • alert() 関数の呼び出しのみ: インジケーターのスクリプトアラートのように "alert()" イベントでのみアラートがトリガーされます。

描画ツールのアラート

描画に対してアラートを作成するには、描画パネルの「アラートを追加」ボタンを使用します。「ライン」と「チャネル」の描画ツールに対してアラートを作成することができます。たとえば、下のスクリーンショットではトレンドラインに対してアラートを作成しています。

 

ウォッチリストのアラート

ウォッチリストのアラートを設定すると、ウォッチリストの様々なシンボルをカスタム設定した条件で監視できます。条件が満たされると通知が届きます。

「リストにアラートを追加」ボタンは「ウォッチリスト」セクションの以下の設定にあります。

「シンボル」のドロップダウンから直接ウォッチリストを選択することもできます。

アラートが鳴ると、ウォッチリストのどのシンボルのアラートがトリガーされたのかが正確に特定されます。

秒ベースのアラート

価格/インジケーター/描画ツールのアラートを作成し、トリガーの通知を毎秒受け取るように設定できます。

ショートカットを使ってアラートをすばやく管理する方法

下記の画像でホットキーを確認できます。また、キーボードショートカットのページにも掲載されています。


こちらもご覧ください: